「福よせ雛プロジェクト」とは
(C)日野町
この「福よせ雛プロジェクト」とは、さまざまな事情により不要になってしまった雛人形に、もう一度活躍できる場を与え、地域づくりに役立てようという想いのもと、名古屋近郊の主婦たちが発案したプロジェクトです。
2011年に初めて名古屋市で展示会が行われ、12年目を迎える2022年は、このプロジェクトに賛同した地域や団体なども増加。愛知、岐阜、鳥取、広島、滋賀、兵庫、北海道、岩手の全34会場での開催が決定しています。
福よせ雛と鳥取県日野町との出会い
日野町役場企画政策課の伊田達彦さん(左)、伯耆の国・根雨宿福よせ雛実行委員会委員長の安達幸博さん(右)
愛知県で発案された「福よせ雛プロジェクト」ですが、なぜ鳥取県の日野町でも行われることになったのでしょうか? 伯耆の国・根雨宿福よせ雛実行委員会委員長の安達幸博さんと、日野町役場企画政策課の伊田達彦さんにお話を聞きました。
すべての始まりは、会議での何気ない会話からだといいます。「お雛さまで町おこしをしているところがある」そんな安達さんの一言から、「人口が増えないなら、お雛さまを迎えよう」と、前代未聞の移住計画に発展したそうなのです。
「人口補完計画」と題し、さまざまな場所から来た雛人形に「お雛様住民票」を発行し、日野町に「住んでもらう」という全国初の試み。人口3,000人ほどの小さな町に、およそ3,500体もの雛人形たちが移住を果たしたのでした。
本籍は「送付元の場所」、現住所は「日野町役場」、誕生日は「日野町に到着した日」と、かなり本格的。住民票を持つ雛人形たちは日野町の住民となり、現在も、町の役場や郵便局などさまざまな場所で、いつも働いている姿を見ることができます。
これらの人形は、雛祭り時期の観光客を増やしたり、その働きぶりを一目見ようと元の持ち主が訪れたりと、町と人の縁を結び活性化にも貢献してくれているのだとか。
さらに、約3,500体の数は「福よせ雛プロジェクト」を行うどの自治体よりも多く、その光景は圧巻だといいます。今後は、健康保険や介護保険などを発行したりと、思わず笑ってしまうような展開も考えらえれているそうなので、日野町の福よせ雛は、充実のセカンドライフが送れそうですよね。
期間:2022年3月3日(木)~4月3日(日)
場所:金持テラスひの ほか日野町内
入場料:無料
公式サイト:https://www.fukuyosehina.jp/cont12/66.html
日野町の「福よせ雛」が東京・新橋で働いてます!
(C)とっとり・おかやま新橋館
そんな日野町の「福よせ雛」は2022年3月3日(木)まで、東京・新橋の「とっとり・おかやま新橋館」で見ることができます。今回12年目を迎える「福よせ雛プロジェクト」全体でも初の東京進出となります。
人々に「笑顔と福を呼ぶ」という役割を与えられた人形たちは、今までのイメージをまったく覆すような、コミカルなポーズをしています。その姿は、見れば見るほど、会話や笑い声が聞こえてきそうで、1体も残さず表情を確認したくなるほど。
2階レストラン「ビストロカフェ ももてなし家」へ向かう階段もこのとおり。この数ですでに圧倒されてしまいますが、3,500体もいる日野町はどんな景色なんでしょうか。いつか見てみたい、そんな気持ちになります。
レストラン内でも、たくさんの「福よせ雛」たちが、思い思いの時間を過ごしています。チラシを運んだり、お雛さまの移住受付を行ったり、誰に投票しようかと語り合っていたり……。どのお雛さまも、本当に楽しそうに見えるから不思議です。
この中には、ビストロカフェ ももてなし家の店長もいますので、ぜひ探してみてくださいね。
雛祭りスイーツも食べるべし!
また、この時期のビストロカフェ ももてなし家では、鳥取県産の希少ないちご「とっておき」を贅沢に使用した雛祭りスイーツ「とっておきのいちごみるくパイ」も登場しています。
香ばしいパイ生地の中には、「とっておき」と、「大山牛乳」を使用したジャムがたっぷりサンドされていて、いちごの風味とミルクのやさしい甘みがマッチしています。
そして、なんといっても「とっておき」のおいしさに衝撃を受けるはず。大粒ないちごは肉厚で満足感があり、酸味は少なめ。ガブッと食べた瞬間に、フレッシュな香りと濃厚な甘味が一気に広がりますよ。
鳥取和牛、オリジナル米の星空舞、松葉がにと、実はおいしいものだらけの鳥取県。ビストロカフェ ももてなし家には、「カニパフェ」なるおもしろメニューもあるので、お買い物のついでにぜひ立ち寄ってみては?
価格:980円(税込)2~3人向け
※前日までに要予約
◇カニパフェ
価格:2,022円(税込)
日野町で暮らす「福よせ雛」たちは、住民からの反応もよく「きれい」「町が華やかになった」という意見がある一方、日焼けやほこり対策が追い付かず、時には「汚くなった」という厳しい意見を受けることもあるそう。
それだけ住民からの注目され、大切にされている雛人形たちは、第二の人生を謳歌しているに違いありません。まずは、「とっとり・おかやま新橋館」で、せっせと働くその姿をぜひ見てあげてください!
日時:2022年2月15日(火)~3月3日(木)
住所:東京都港区新橋1-11-7 新橋センタープレイス 1階/2階
■1階 ショップ
電話:03-6280-6474
営業時間 10:00~20:00
■2階 ビストロカフェ ももてなし家
電話:03-6280-6475
営業時間:11:00~20:00(L.O.19:00)
■2階 情報コーナー・事務局
電話:03-3571-0092
相談時間:10:00~18:00
■2階 移住・しごと相談コーナー
電話:03-6280-6951
相談時間:10:00~18:00(木曜日~20:30)
[Photos by koume]