素朴な沖縄の風景と溶け合う古民家カフェ
今帰仁村東部、国道505線近くに佇む「Cafe.Kanasa(カフェ・カナサ)」。白い瓦屋根と赤いドアが目印。今帰仁村があるのは沖縄本島北部、西に突き出た本部半島。那覇からはクルマで約90分とアクセスしやすいロケーションです。美しい海に抱かれながら、大型の施設は少なく、手つかずの自然が随所に点在。ゆるりとした時間が流れる村を訪れれば、新鮮な沖縄の魅力に出合えることでしょう。
扉を開けると、その外観からは想像もつかない、開放感ある空間が現れます。木目を生かしたインテリアは洗練されつつも、親やみやすいデザイン。窓から柔らかな陽光が差し込み心地よさもひとしお。店内はテーブル席に加え、お座敷席も備わります。小さな子どもがいるファミリーに人気があるそう。
沖縄の旬を伝えるスイーツの数々
ショーケースには常時8種類ほどのケーキやタルトが用意。季節ごとにラインナップも少しずつ入れ替わります。春から秋にかけては旬の果物を使った彩り鮮やかなスイーツがズラリと並ぶそう。
日持ちのする焼き菓子コーナーも充実しています。今帰仁村産黒糖を使ったマドレーヌや、沖縄のみかん「たんかん」のパウンドケーキなど多彩な顔ぶれです。お土産にも最適なお得なセットも用意。
オーナーの仲本加奈さんは、兵庫県のご出身。神戸や大阪で約10年ほどパティシエとして修行を積み、ご主人の故郷である沖縄に移住。かねてより自分の店を開きたいと思っていたところ、縁あって築60年以上の古民家を譲り受け、オープンするに至ったとのこと。今でこそ絵本に登場しそうな可憐な空間ですが、改装前はかなりボロボロの状態だったとか。
ちなみに店名の「カナサ」とは沖縄の方言で“愛おしい”という意。多くの人に愛され続けるお店をつくりたい──、そんな仲本さんの想いが込められています。
近隣の市場に自ら足を運び、食材を仕入れるという仲本さん。旬の果物やお芋を手に取りながら、その日に作るスイーツを決めているそう。取材時(2月)は緑と赤のコントラストが目を引く「苺とピスタチオとアプリコットのタルト」がお目見え。香ばしい風味のピスタチオと甘酸っぱいアプリコットが至福のハーモニーを奏でます。バターのコクが豊かで、サクサクした食感のタルト生地も格別。
「苺とブルーベリーのタルト」はベリーとクリームチーズが絶妙にマッチした一品。口の中で広がるエレガントな甘みと酸味がたまりません。
「レモンゼストを少々加えて、爽やかな香りをプラスしました。暑い日でもさっぱりとおいしくいただけますよ」と仲本さん。
ドリンクメニューも幅広いラインナップ。冬季におすすめなのが、清涼感たっぷりの「シークワーサーソーダ」。沖縄で11月〜1月に収穫される、黄金(くがに)と呼ばれるオレンジ色のシークワーサーで仕立てた一杯です。果肉は酸味が控えめで、甘みがギュッと凝縮。パチパチ弾ける炭酸と甘酸っぱさが溶け合い、もはや永遠に飲んでいたいほどのおいしさでした。
(C)Cafe.Kanasa
7月〜8月には今帰仁村産の名産品、金蜜マンゴーを使ったスイーツも登場。南国感たっぷりのショートケーキやシュークリーム、ムースなど見た目麗しきアイテムが用意されます。夏に訪れたらぜひトライしたいところ。
沖縄食材の魅力を体現したスイーツに出合える「カフェ カナサ」。ゆるりとした沖縄時間が流れる村で、甘い口福に包まれてみてはいかがでしょうか?
住所:沖縄県今帰仁村仲宗根345
TEL:0980-43-6766
URL:https://cafekanasa.base.shop
営業時間:11:00〜17:00頃
定休日:木曜日