フランス人もウニが好き?
一流のホテルやレストランで構成される組織「Relais & Châteaux(ルレ・エ・シャトー)」のパートナーであり、漁業資源保護を目的に活動しているフランスの団体「Ethic Ocean」によると、日本は世界でもっとも多くウニを消費している国で、それに次ぐのが「フランス」なのだそう。(※1)
2位のフランスの年間消費量が1千トン以上というのに対して、日本は約6万トンという大差がつくほど。日本人は圧倒的にウニ好きということがわかりますよね。
世界で2番目にウニを食しているという美食の国フランスでは、ウニのムースやクリームソースなどアレンジ料理が多いようですが、「ウニ祭り」では新鮮なウニをそのまま食べられるんです。生ウニをフランスパンにのせて楽しむ人の姿もありましたよ。
南仏の小さな港町で開催される「ウニ祭り」
マルセイユから電車で約30分ほど西に位置する港町「Carry-le-Rouet(キャリー=ル=ルーエ)」。この町では、毎年2月にウニ祭りが開催されます。1960年に「ウニの日」という催しから始まったイベントが徐々に拡大し、2月の最初の日曜日から3週目まで、各日曜日に実施されるように。現在では国外からも来場者が集まるほど、この町の一大イベントに成長しました。(※2)
駅から徒歩約10分で会場に到着
それでは、2022年2月に開催された「ウニ祭り」をご紹介しましょう。会場となる港までは、「キャリー=ル=ルーエ」の駅から徒歩で10分ほど。小さな町なのであまり迷うことはないですが、念のためスマートフォンで地図を確認しながら進んでいきます。
ヨットハーバーを越えてその奥にある会場にはウニを販売する屋台が立ち並び、中央には長テーブルとベンチが用意されています。朝10時くらいに到着したときはまだ余裕で席を確保できましたが、お昼過ぎには大勢の来場者で溢れ、席を見つけられない人も。海に面した岩場に座って、ウニを食べている人たちもたくさんいましたよ。
産地や値段はさまざま!
こちらで売られているウニは、地元産のほかブルターニュ地方やコルシカ島、ギリシャ産など、産地はさまざま。値段も12個で12~15ユーロ、8個で20ユーロなどと、屋台によってかなり違います。
ウニが開いた状態でそのまま売られているので、粒の大きさと値段を比較しながら好みのものを選べるのも楽しいです。ウニ以外にも、生ガキやムール、魚介のバター焼きや揚げ物など、さまざまな屋台がありましたよ。海の家の前を通った時ような海鮮の焼けたいい匂いが漂い、気分はウキウキです。
フランスで食べるウニ、その味は?
いろんな屋台をチェックしまくり、ようやく決定。ウニや牡蠣、エビなどがセットになったプレート、そしてウニ単品のプレートをチョイスしました。
国産の高級ウニと比べると粒は小さめですが、とても新鮮であっさりクリーミーな味わい。口の中で爽やかにトロッと溶けるので、何粒でも食べられそうな危険な雰囲気です。友人が酢飯と海苔、醤油を持参してくれたので、和風で味わうという贅沢も叶いました。
アットホームな雰囲気の大人気イベント
11時くらいから食べ始めていると、続々と人が集まってきて、あっという間に会場にはたくさんの人が。アニメから飛び出してきたかのような水兵さんの衣装に身を包んだおじさまバンドが、陽気に歌いながら会場を回る場面もありましたよ。
2月なのでまだ少し肌寒いですが、南仏の太陽とアットホームな雰囲気に心癒される、心温まるイベントでした。
【参照】
※1. Ethic Ocean:Guides des especes:Oursins
※2. Office de Tourism Carry le Rouet:Les Oursinades
[all photos by minacono]
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