海外からの帰国時、「現地のPCR検査」はどこで受ける?【ドバイ体験レポ】

Posted by: 鈴木幸子

掲載日: May 7th, 2022

2022年の春から日本への入国・帰国に関する水際対策が緩和され、海外旅行復活への兆しが少しずつ見えてきて、そろそろ解禁も近い? と思いきや、まだいくつかの高いハードルが。帰国前には旅先でPCR検査を受け、日本の空港で陰性証明書を提出しなくてはなりません。そこで今回は、2022年1月のモルディブと3月のドバイ取材時の現地PCR検査についてレポートします。

海外でのPCR検査イメージ

2022年4月現在、日本入国・帰国にはPCR陰性証明が必要

2022年3月あたりから、海外渡航に関してワクチン接種証明(2回以上)があれば陰性証明書提出は不要となる国が増えています。つまり、渡航前のPCR検査が必要ないということ。日本で受ける海外渡航用PCR検査の金額は平均して2~3万円。筆者が探した最低料金は1万6,000円くらいでしたが……にしても高すぎる! 

出国時に受け取る陰性証明書サンプル
2022年1月と3月に旅したモルディブとドバイも、入国時の陰性証明は不要となりました。しかしながら、2022年4月現在、日本入国・帰国に際しては渡航先の国で受けた「出国前72時間以内の検査(陰性)証明書」の提出が必要です。※2022年6月1日から、日本入国の際の陰性証明提出は不要となる予定

では、PCR検査は渡航先のどこで受ければよいのでしょうか。それが一番の問題です。どこで受けてもいいわけではなく、日本国の厚生労働省指定の医療機関・検査方法で受け、厚労省所定フォーマットへの記入が必要です。基本的に、その医療機関は現地日本領事館のHPで調べ、事前に予約をして自ら出向かなければなりません。なんだか、とても面倒ですよね。

(日本政府指定書式はこちら

モルディブでは滞在ホテルで受けられます

海外で受けるPCR検査、モルディブはホテルで
そんな面倒なことをしなくても、2022年4月現在、世界ではPCR検査のためのさまざまなサービスが用意されています。たとえば、1月に滞在したモルディブは、1アイランド1リゾートが基本。リゾート内に医療機関はないので、専門ナースが常駐し、ホテル内でPCR検査を受けられるようになっています。

観光国の有名ホテルでは、出国72時間前にPCR検査を受けられるところもありますが、厚労省指定の検査方法であるかどうか事前に調べておく必要があります。厚労省指定の医療機関については各国の大使館・領事館HP等で確認できます。

ドバイで受けた楽々のPCR検査、しかも安い!

海外で受けるPCR検査イメージ
2022年3月初旬に滞在したドバイでは、日本の旅行会社「Tトラベル」が代行しているPCR検査を受けてみました。これがなんとも簡単。下記専用サイトから予約しておけば、指定日時に宿泊ホテルの客室に現地ナースが来て、PCR検査をサッと行ってくれます。

PCR検査代行Tトラベルのナース
所要時間は5分もかかりません。今回、ホテルに来てくれたナースはインドの方でした。

検査を受けてから48時間以内に結果が送られてきて、検査証明書をメール(スマホ)で受け取るシステムです。現地クリニックのフォーマットと、日本厚労省フォーマットの2種類が届きます。

詳細はこちらから予約します。

厚労省フォーム陰性証明書
こちらが筆者のもとに送られてきた厚労省フォームの陰性証明。念のためスクリーンショットで画像として保存しておくとスムーズです。

クリニック指定の陰性証明書
帰国時、現地国際空港の航空会社カウンターで
1.パスポート
2.Eチケット
3.ワクチン接種証明
4.クリニック指定の陰性証明書
を提出しますが、念のため、日本厚生労働省フォーマットの陰性証明も用意しておきましょう。写真はクリニック指定の証明書。

費用は、日本で受ける渡航向けPCR検査の最低料金より安い1万2,000円でした。

ワクチン3回接種証明があれば、指定国以外なら帰国後隔離は不要!

帰国後の隔離待機については、2022年1月のモルディブ帰国時と比べると、4月現在は随分緩和されています。旅行する国の新型コロナ感染状況によって、帰国後に検疫所の宿泊施設で待機対象となる国(指定国・地域)と、そうでない国があります。感染状況によって変更するので、詳細は渡航前に厚生労働省HPで確認を。

ワクチン3回接種証明
いずれにしても、新型コロナワクチン3回接種の証明書を持っていれば、指定国以外の場合は、宿泊施設・自宅の待機もありません。たとえば成田空港からそのまま公共交通機関で帰宅できます(ただし入国時検査から24時間以内に移動が完了し、かつ最短経路での移動に限ります)。指定国の場合は、各国大使館・領事館のHPで詳細確認を。

近いうちに海外旅行を考えている人は、3度目のワクチン接種は必須と言えそうです。

帰国後空港での書類チェック時間は覚悟して

ただ、疲れるのは、帰国時の空港での各書類チェックなどに要する待ち時間。とくに帰国便が集中する夕方、17時前後に到着する人は覚悟が必要です。渡航先からの陰性証明書を持っていても、再度、唾液を採取する抗原検査を受けなくてはなりません(機内で感染しかたもしれない、ということで調べられるのでしょうが)。

※帰国時の必要提出書類に関する詳細はこちら

帰国時の提出書類
実際、筆者がドバイから帰国したのが17時過ぎ。成田空港は混雑していましたが、約2時間後の19時にはなんとか帰路につきました。ただそれは、ビジネスクラスだったので、機内を真っ先に降りて、誰よりも先に大急ぎで書類検査のための列に並んだからです。帰国便はなるべく前方席を押さえておいて、ダッシュして空港内の検査エリアへ行くことをおすすめします。

日本帰国前のPCR検査と空港での抗原検査がなくなれば、もう少し海外旅行も楽になるだろうと思います。ただ慣れてしまえば、規制緩和もどんどん進むので、それほど苦にはなりませんが。そのうち、検査も何もないコロナ禍以前の自由な海外旅行に戻ることでしょう。あともう少しの辛抱です!

取材協力:Tトラベル (運営会社:株式会社アーク・スリー・インターナショナル)
     HP:https://ttravel.jp/

PROFILE

鈴木幸子

sachikosuzuki 旅行記者、エディトリアル・ディレクター

出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。

出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。

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