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東京23区よりも広い大学
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大学を卒業した人は、ご自身の母校を思い浮かべてみてください。その大学の敷地は広かったですか? 狭かったですか?
筆者の場合は、少人数制を売りにする都内の小さな私立大だったので、すごく狭かった記憶があります。
このように特に東京23区に所在する大学の敷地は、ほかの地域にある大学と比べると規模が小さくなる傾向にあるように感じます。そこで、文部科学省の『学校基本調査』に目を通してみると、所有する校有地が日本でもっとも広い大学は「北海道大学」とされていることに気が付きました。
北海道大学とは国立大学法人の1つで、前身は札幌農学校でした。東北帝国大学農科大学、北海道帝国大学を経て、戦後の1947年(昭和22年)に現在の名前になり、2004年(平成16年)に、国立大学法人法の規定により国立大学法人化しました。
「札幌を旅行した時、北海道大学のキャンパスは確かに広かった」
「まあ、北海道は広いから、北海道大学が一番なんじゃないの?」
なんていう声も聞こえてきそうです。確かにそのとおり。「でっかいどお。北海道」ですから、大学の敷地も広くて当たり前なのですが、多くの人のイメージをけた外れに超えているのです。
北海道大学が所有する校有地の総面積は約660平方キロメートルです。東京23区(約626平方キロメートル)を超えている、と説明すると、そのスケールのすごさがわかるのではないでしょうか。
札幌観光で訪れる人も多い北海道大学の札幌キャンパスも東京ドーム38個分に相当していますが、その札幌キャンパスすら全体から見ればほんの一部です。
キャンパス単体でもっとも広い大学とは
どうして、北海道大学はこんなに広いのでしょうか。
札幌キャンパス・函館キャンパスが学生たちの学びの中心地であるものの、北海道大学の広さを決定付ける場所はなんといっても、北海道各地に点在する研究林の存在です。
研究林とは、北海道大学の付属施設で、北海道内に6カ所、和歌山県に1カ所あります。
<森林における未知の自然現象の解明と、その保全・資源管理への応用に至る多様な教育・研究活動を実施している北海道大学の附属施設>(森林圏ステーションの公式サイトより引用)
北海道大学のファクトブックを見ると、約660平方キロメートルの校有地のうち、ほとんどがこの研究林であることがわかります。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの公式サイトによると、研究林合計7カ所の総面積は、約700平方キロメートルとされています。
数字は合いませんが、いずれにせよ、この広大な森を北海道大学は保有・活用しているため、日本で群を抜いて広い大学になれているのですね。
ちなみに、キャンパス単体の面積でもっとも広い大学となると、九州大学の伊都キャンパスになるようです。伊都キャンパスは、博多湾の西側に突き出す糸島半島の根元にあって、東京ドーム約60個分の広さを誇ります。
皆さんも通っている学校や母校の広さを調べてみてはいかがでしょうか? 北海道大学や九州大学と比べてみると面白いかもしれませんよ。
[参考]
※ 北海道大学ファクトチェック
※ キャンパス計画の概要:伊都キャンパスの位置・知の拠点づくり – 九州大学
※ 58. 博多湾