直訳すると使いにくいI’m proud of you
英語には直訳すると日本人には使いづらい表現がいくつかあります。例えば、I love youも筆者の住むイギリスでは、特に親子などの家族間で毎日のように使われますが、日本では「愛している」という表現は、テレビ以外では聞いたことがありません。
I’m proud of youもよく聞くけれど、直訳すると「私はあなたを誇りに思います」で、どうも大げさに聞こえて使いにくい表現のひとつです。
実は、そもそもネイティブはI’m proud of youを「私はあなたを誇りに思います」という意味では使っていないのです。今回は日本人にはなじみがないI’m proud of youについて解説します。
I’m proud of youの実際のニュアンス
proudは英語では「誇り」という意味です。
ところが、I’m proud of youは「あなたのことを誇りに思います」ではなく、もっと気軽に「すごいね。えらいね。がんばったね」という程度の意味で使われます。
例)I finally passed the driving test last week!
先週末にやっと免許が取れたの。
Congratulations! I’m proud of you.
おめでとう! すごいね。
I’m proud of you は、試験に合格したり、できなかったことができるようになったりしたなど、相手の成長や成果を誇らしく思うときに使われ、Congratulations(おめでとう)、Well done(すごいね。よくできたね)も同じような場面で使えます。
ただし細かいことですが、Well doneやCongratulationsは誰の目を見ても明らかな結果を伴った成果をほめてあげる場合に使われることが多いのに対し、I’m proud of youは、結果よりも相手の頑張りや成長をたたえる際に使われることが特徴的です。
I’m proud of youって誰にでも使えるの?
I’m proud of youは気軽に友達、家族、同僚などほぼシチュエーションを選ばずに「すごいじゃない!」「えらいね」と言いたいときに使えます。『I’m proud』という華原朋美のヒット曲もありますが、自分に対してI’m proud (of myself)と使うこともできます。
例)I haven’t had a drink for 2 weeks. I’m proud.
もう2週間、お酒を飲んでないの。頑張ったでしょ。
自分の頑張ったことに対してI’m proud (of myself)を使う場合は、「満足。うれしいな。がんばったでしょ」というようなニュアンスになり、こちらも決して大げさな感じはしません。
目上の人には使わないほうがベター
唯一、I’m proud of youは、部下から上司など目上の人に対して使うと違和感があるので注意しましょう。
学校の先生や職場の上司など、明らかに自分より立場の上の人に対しては、I’m happy for you(よかったですね。私もうれしいです)を使うのをおすすめします。
I’m proud of youって言われたら何て返す?
謙遜することが美とされてきた日本では、ほめられても「いえいえ、そんなことありません」とつい否定したくなってしまうものです。特に欧米ではものすごく大げさにほめてくれることも多いので、対応に困るという人もいるでしょう。
そんなときは、ほめられたら否定せず素直にほめてくれたこと、評価してくれたことに感謝するのが国際派への第一歩かもしれません。
I’m proud of youの返事として使いやすいフレーズを以下にご紹介します。
例)You did great! I’m proud of you.
よくやったね! えらいよ。
Thank you.
ありがとう。
It’s kind of you to say that.
そう言ってくれてありがとう。
I’m flattered.
光栄です。
日々の生活の中でポジティブなことを探して、それをきちんと評価してあげる欧米ならではのI’m proud of youの使い方を紹介しました。
入学試験や資格試験、就職活動などの大きな成果ばかりではなく、「優しい言葉をかけてあげられた」「進路を決めた」「苦手なことを克服した」「普段しないスポーツをした」など、I’m proud of youが使える場面が毎日の中にはたくさんあります。褒め上手、褒められ上手になるとポジティブな毎日が過ごせるでしょう。
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