南ドイツの名物!食事にも菓子にもなるパン「プレッツェル」
特に南ドイツを旅していると街のパン屋さんの軒先に並んでいたり、地元のビールバーなどのレストランやカフェで食べる機会の多い「プレッツェル」。スナック菓子のプレッツェルもよく知られていますが、本場ドイツで味わうプレッツェルはもっちりとしたボリュームのある食べ応えで、スナックとは印象が違います。
そのまま食べたりサンドイッチにするなど食事として楽しんだり、ビールのおつまみにしたり、小腹がすいた時のお菓子など、あらゆる場面で食される、頼れる存在のプレッツェル。今回はバイエルン地方の小さな村でパン工房にお邪魔し、程よい塩味と弾力がクセになるプレッツェルの魅力に触れました。
バイエルン地方の小さな村のプレッツェル工房へ
バイエルン地方アマガウ・アルプス自然公園内にある小さな村、オーバーアマガウやウンターアマガウに店舗を構える「Aurhammer(アウアハマー)」。各店舗で販売するプレッツェルや多彩な種類のパン、ケーキなどを製造している人気店で、パン工房は町の中心地から離れた場所にあります。
こちらはBenjamin Aurhammer(ベンヤミン アウアハマー)氏が2006年にオープンしたお店で、2016年にはドイツのグルメ雑誌で、ドイツ国内のもっともおいしいパン屋500選のひとつにも選ばれたのだそう。
ドイツらしい!?さまざまな機械が並ぶ工房内
工房に入るとすぐに、さまざまな機械が目に飛び込んできました。小さな村のパン工房と聞いて、昔ながらの方法で手作りしている風景を勝手に思い描いていたのですが、まったく別の雰囲気。機械技術が進んでいるドイツらしさを感じ、ウキウキしてきました。
ひと際大きなシルバーの機械は、パン作りの最初の工程となる、小麦粉やイースト菌、砂糖と水を合わせてこねる作業を担当するのだそう。
その機械から、プレッツェル1つ分の分量にカットされた棒状の生地が出てきたら、手作業でプレッツェルの成形が始まります。
意外と難しいプレッツェルの成形
棒状の生地を少し伸ばし、肩幅くらいになったら両端をつまみ上げ、空中で回転させてプレッツェルの形にしていきます。職人の人たちがスピーディーにこなす傍ら、空中でクロスするイメージを描きながらゆっくりと挑戦しましたが、なかなか思うようにいかず、時間がかかりました。
さまざまな形になったプレッツェルの生地
プレッツェルのこの特有の形は、修道士が手をクロスして胸にあてながら祈りを捧げている様子を表現しているという説があるそう。参加者たちがこの形を作るのに苦戦していたので、もっと簡単に成形できる編み込みプレッツェルの作り方も教えてくれました。プレッツェルといっても、形はいろいろあるのだそうです。参加者の中には、オリジナルの形を考案する人も。個性的な形のプレッツェルがたくさん完成しました。
焼きに入る前の工程も機械で鮮やかに!
生地の成形が終わったら焼きに入る前に、プレッツェルならではの工程があります。ランゲン液にくぐらせ塩を振っていくのですが、こちらの工房ではそれも機械で一気に仕上げていきます。
ベルトコンベアに並んだ生地が、次々と艶のある状態になっていく様子は圧巻! この工程によって、ブレッツェルならではの表面の艶感と歯ごたえ、そして塩味が加えられるのですね。
ふっくらモチモチのプレッツェルが完成!
焼きあがったばかりのプレッツェルは、特にふっくらとして柔らかい口当たり。程よく弾力もあって焼きたてならではの、ふかふかした食感が楽しめます。オーバアマガウに滞在中、こちらのプレッツェルを何度も食する機会に恵まれましたが、焼きたてではなくてもモッチリしてパサついた感じはありませんでした。
ドイツ通には当たり前!?プレッツェルのおいしい食べ方
プレッツェルは、そのまま食べるのももちろんおいしいですが、野菜や生ハム、チーズなどをサンドしたスタイルも人気です。個人的に気に入ったのは、スライスしたプレッツェルに無塩バタークリームがたっぷりサンドされたもの。プレッツェルの塩味とバタークリームのまろやかな口当たりが合わさり、程よくリッチな味わいに。
南ドイツではお馴染みの組み合わせのようですが、今回初めて食してシンプルながら忘れられない味になりました。ドイツに旅行する際は、ぜひ本場の味を試してみてくださいね。
[all photos by minacono]
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[参照]
・BÄCKEREI AURHAMMER(ドイツ語): https://baeckerei-aurhammer.de/
取材協力:ドイツ観光局