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日本最古の学校、創建は諸説あり
1439年(永享11年):上杉憲実が学校を整備する
1549年(天文18年):フランシスコ・ザビエルが足利学校を海外に紹介
1872年(明治5年):廃校となる
1903年(明治36年):遺蹟図書館が開設
1921年(大正10年):国の史跡に指定される
2015年(平成27年):日本遺産の認定を受ける
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栃木県足利市にある「足利学校」は、日本最古の学校として知られています。その始まりについては定かではありませんが、古くは奈良時代や平安時代の説も伝わっています。
現在の建物は江戸時代の姿を復元したもの。かつて学生たちがどのようなところで勉強していたかを見学できるように一般開放も行っています。
フランシスコ・ザビエルが「日本の学校」と海外に紹介
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足利学校の創建については、奈良時代の国学の遺制説、平安時代の小野篁説、鎌倉時代の足利義兼説などが伝わっていますが、歴史が明らかになるのは室町時代に入ってから。
1439年(永享11年)、関東管領の上杉憲実が、鎌倉円覚寺から僧を招いて学校を整備し、その際、上杉が学校に寄進した書籍は現在、国宝に指定されています。
室町時代といえば11年も続いた戦「応仁の乱」がありました。長い混乱の時を経ても足利学校は存続し、1549年(天文18年)には、宣教師フランシスコ・ザビエルによって「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と広く世界に紹介されました。
その後も、徳川幕府の保護を受けながら、僧侶や武士、医師らを対象に儒学のほか漢籍、兵法、医学などを教え、江戸時代末期まで続いた足利学校ですが、1872年(明治5年)についに廃校。
しかし、廃校直後から学校の保存運動が起こり、1903年(明治36年)に遺蹟図書館が開設されると、1921年(大正10年)には国史跡に、さらに2015年(平成27年)には日本遺産にも認定されました。
江戸時代から日本の識字率は世界トップクラスだった?!
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現在、日本の識字率は99%で世界トップクラスを誇りますが、実は江戸時代の頃から他国に比べて識字率が高かったのだとか。18世紀のヨーロッパの識字率はイギリスで20%程度だったのに対し、日本は70%以上だったともいわれており、教育水準の高さが際立っています。
日本では江戸時代から武士や大名らが学問を学んだ藩校や私塾のほか、庶民が読み書き・計算を学んだ「寺子屋」が広く普及し、さまざまな階層の人たちが教育を受ける機会に恵まれました。その中で、日本最古の学校である足利学校が果たした役割は大きく、近世の学校の原点として学問の普及に大きな影響力を発揮したことでしょう。
学徒3,000人以上を輩出したとされる足利学校。現在、往時の様子を伝える資料の展示や館内の観覧のほか、論語の学習プログラムや、漢字試験などの体験メニューも行っているそうですよ。
住所:栃木県足利市昌平町2338
参観料:一般420円、高校生220円、中学生以下無料
公式サイト:https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/ashikagagakko/