エジプトの首都カイロから車で5時間ほどの場所にある「バハレイヤオアシス」。ここは美しい白砂漠や黒砂漠などの自然の織りなすアートが見られるスポットとして多くの人を魅了し、観光客だけでなく地元の人たちからも人気の場所なんです。以前TABIZINEでも「【世界の絶景】風がつくった、奇岩の並ぶエジプト白砂漠」でその絶景をご紹介しました。そんな絶景スポットで一泊二日のキャンプができるという噂を聞きつけ、実際に体験したレポートをお伝えします。
バハレイヤオアシスとは?
バハレイヤオアシスというのはエジプト中北部、リビア砂漠にあるオアシスのこと。「バハレイヤ」とはアラビア語の「バハル=海」に由来しており、昔はこの近くに海があったためだと言われています。エジプトの首都・カイロからは直行便のバスが出ているためアクセスも簡単なこのバハレイヤオアシスですが、首都のような喧騒はそこにはありません。
黒砂漠やクリスタルマウンテン、そして白砂漠などを思いゆくまま堪能できるこの場所はまるで異世界のよう。日本では決して見ることのできないその幻想的な光景は、訪れる人すべてを惹きつけてしまう魅惑のスポットです。
幻想的な砂漠地帯
バハレイヤオアシスの首都に到着し、そこから車を走らせると見えてくるのは一体が黒っぽく見える黒砂漠地帯。これは玄武岩という黒っぽい色をした火山岩で形成されている地帯で、この一帯にはピラミッドの様な形をした黒い山がたくさん姿を現しています。日本人には馴染みのない、ちょっと不思議な光景です。
自然のアート
黒砂漠を越えて車を走らせているとだんだん近付いて見えてきたのはキノコとヒヨコのようなオブジェ。実はこれ、人の手によって作られたものではなく自然の作りだしたアートなんです。これは石灰岩から出来ていて、長い間に渡って風食されてきたことが理由でこういった形になったのだとか。
まるでそれぞれのかたまりが意志をもっているかのようで、夜には動き出しそうな雰囲気。上手くできた凹凸が妙なリアルさを醸し出していますね。
砂漠で新体験
砂漠の楽しみ方は「見る」だけではありません。なんとこの砂漠地帯では、”あるアクティビティ”ができてしまうんです。それは砂漠の傾斜と滑らかな砂の性質を利用した、スノーボードならぬ砂漠ボード! たまらなく楽しいのですが、あがってくるのがとっても大変なので余力を残しておきたい人には数回でやめることをオススメします。ここだからこそできる「新体験」は一度試す価値ありです。
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今宵は砂漠の中心で
夜が更ける前にすることは、今夜を明かす場所選び。ベストな場所を探し出したガイドとドライバーが慣れた手つきで暖をとる準備をしてくれている間のフリータイムにオススメしたいことは、ひとりで砂漠のぶらり旅。
油断すると迷ってしまいそうにもなるこの雄大な砂漠のなかをただひとりで歩いていると、目の前に広がる光景が学生のときに見た教科書のなかの写真でもなく、テレビで夢焦がれた世界でもなく、現実のものだということにはっと気付かされます。
砂漠でBBQ!
たくさん動いてお腹が減ったら砂漠のなかで夕食タイム。チキンを丸ごと焼いたものとご飯、そしてサラダと果物、スープという栄養も満点のメニューですが、この空間を一層スペシャルなものにしているのはなんといってもその「場所」にあります。砂漠のなかでバーベキューなんてもしかすると一生に一度かもしれないそんな体験は、おいしい料理をさらに磨いてくれる一番の隠し味なのかもしれません。
一生忘れることのない光景
夕食後にお腹がいっぱいになったあと寝転んで空を仰げてみると、そこには空を埋め尽くす満天の星空が。あまりの絶景ぶりに、まるで自分が天国にいるのではと錯覚を起こすほどです。頬をつねって現実だと確認したいほどのその光景はきっと、一生忘れることのない美しさ。
シンプルに自然のパワーを体じゅうで感じ有り難みさえも湧き上がってくるあまりにも贅沢すぎる体験ですが、この砂漠で見る絶景は星空だけではありません。早朝には砂漠の向こう側からゆっくりと朝日が顔を覗かせゆっくりと辺りを照らしていく、そんな貴重な瞬間だって堪能できちゃうんです。
実は一泊二日で三食付き(昼夜朝)が、なんと5000円〜10,000円前後で参加できるこのツアー。ほとんどは旅行会社に行かずとも宿泊先のホテルなどで申し込みが可能ですが、日本語対応プランは日本人宿で有名なベニス細川というホテルなどで取り扱っています。間違いなく生涯忘れることのないこの体験を、一度きりの人生で体験してみてはいかがでしょう。
※2016年12月現在、エジプトは地域により外務省から渡航注意が出ております。渡航検討の際は、必ずご確認ください。
[All photos by Saya Meguro]