エクアドルの首都・キトから車で5時間ほど走った場所にある「バニョス」という場所。美しい山々に囲まれるこの土地は、田舎でありながらも昨今アメリカ人が移住先として選ぶ人気の町でもあるんです。英語の通じる率、そして多国籍レストランなどの充実性などでも注目を集める「バニョス」の魅力を、今回はみなさんにお伝えしたいと思います。
温泉天国!
(C) Saya Meguro
この土地の魅力は、その「地名」に隠されています。実は「バニョス(Banos)」というのは、スペイン語で「温泉」という意味を持つ言葉。その名の通り、ここバニョスには源泉の天然温泉がいくつもあることで有名で、まさに温泉の聖地とも言える場所なんです。ルールは「水着・スイムキャップ着用」と日本の入湯スタイルとは少し異なりますが、バニョスは地元の人たちにとっても心身を癒してくれるまさにオアシスのようなスポット。
価格も安く、日中は1ドル・夜間は2ドルほどで心ゆくまま温泉を堪能できてしまいます。筆者も滞在中、その気持ち良さに取り憑かれ何度か訪れましたが、日本を少し意識している節があるのか「Osaka」というスパも併設されていました。
2. 格安アクティビティが満載
ここバニョスはアウトドア派にも魅力的に映るスポットの一つ。というのも、ここでは自然を利用したアクティビティが豊富で、レベル3のハイレベルラフティングがランチ・送迎付きで25ドルほどで体験できたり、40ドル以下で秘境ジャングル探検ができたりと、アクティビティの種類だけでなくコスパの良さは群を抜いています。
そして「もっとスリルが欲しい!」という絶叫マニアの人も満足させるバンジージャンプは、なんと日本一の「竜神大吊橋バンジージャンプ」と同じ高さの100mという大迫力。日本では15,000円ほどかかってしまうアクティビティですが、ここでは一回なんと破格の20ドルというのだから試さない訳にはいきません。低価格ながらも安全はしっかり保証されているので安心です。
3. 通貨がドル!
移住先と選ばれる大きな理由に、「物価の安さ」が挙げられます。それに加えてエクアドルの通貨が米ドルというのも、煩わしい両替などの手間が省けるとアメリカ人には人気なよう。日本人にとっては為替の変動が時に吉となり痛手となることもありますが、それでも物価の安さには定評があるエクアドルの物価は、日本と比べても約1/3ほどです。
例えばバックパッカー用の宿などで個室が一泊約14ドル、贅沢なラグジュアリーホテルでも時期を選べば一泊100ドルほどで宿泊可能で、ローカルなレストランだと一食3ドル、人気のイタリアンレストランでも大体一食10ドル以内で収まってしまいます。お洒落なお店も多く立ち並ぶここバニョスには、美味しいエクアドル産のコーヒーが飲めるカフェもずらり。イマドキなカフェでも約1.5ドルほどでコーヒーが飲めますが、気持ちの良い音楽が流れるカフェで美味しいコーヒーを飲むひと時は、コーヒー好きにとってはたまらない至福の時間。ふと、「ここで住むのもアリだなあ」なんて思ってしまうかも!
4. ハイジ気分!
地元の人に「どこかオススメの観光地はありますか?」と聞くと、温泉の次に必ず返ってくる場所が「ツリーハウス」です。「ツリーハウス・・・?」と頭がハテナだらけになった筆者ですが、実はバニョスには町からバスで40分ほど走った丘にツリーハウスがあり、ツリーハウスにまつわる「ある遊び」が人気を集めているんだとか。早速向かってみましたが、到着して一気に心がときめいたのはその可愛いビジュアル!
なんとこのツリーハウス、ブランコが併設されていて、その姿はまさに「ハイジ」のあのワンシーンにそっくりなんです。まるで模した作られたかのようなこのブランコは外国人観光客だけでなくエクアドル人にも有名で、連日大の大人たちが一目見ようと詰め掛ける人気ぶり。ここ一帯はアスレチック遊具場となっており、入場料(1ドル)を払うとブランコだけでなくターザンロープなども楽しむことができるので、子供連れでも存分に楽しめます。
5. 悠々オーガニック生活!
(C) Saya Meguro
「オーガニック」や「健康」にまつわるサービスや商品おいては、世界トップレベルを誇るアメリカ。そんな国から移住するときにやっぱり気になるのは、健康な「食生活」を送ることができるかという点でもあります。脂っこい料理にあまり慣れていない日本人にとっても、食生活は重要なポイント。
そんな中、ここバニョスでは有機野菜やフルーツが町中の至る所で安く買えたり、そんな野菜やフルーツを使ったフレッシュスムージーも1.5ドルほどで買うことができてしまうんです。アメリカ人特有の「細かいオーダー」にも慣れているようで、カフェラテひとつ頼んでも、「砂糖はいれる?」「ミルクはノンファット?」と他の南米を旅しているときには聞かれもしなかったことを尋ねられることが多々ありました。健康志向な人にとっては有難い特典とも言えますね。
(C) Saya Meguro
でもなにより一番の魅力は、ここに住む地元の人たちの「あたたかさ」。スペイン語を話せず度々申し訳なさを感じていた筆者にも、「バニョスへようこそ!」と声を掛けてくれる人たちがいたことや、日本出身と伝えたときに「日本はどんなところだい?」と興味を示して笑顔にさせてくれた優しいおばちゃんたちの存在は、バニョスの魅力を一層高めるものであったことは間違いありません。そんな気遣いに溢れ、訪れる人みんなに優しいバニョスという場所。
優しいのは人間にだけじゃないようです。カフェの前にさりげなく置かれているフリーウォーターと、ドッグフード。これは、「お腹を空かせた野良犬」用に用意してあるもの。そんなみんなに優しい「バニョス」という場所に、今年は訪れてみてはいかがでしょう。
[Photos by Shutterstock.com]
Saya Meguro ライター
北海道出身。NZや日本をヒッチハイク縦断してみたり、ヒマラヤに登ってみたり、スペインで盗難に遭ってみたり。とにかくワクワクすることがすき。将来の夢は湖畔のちかくに家を建てて、動物と自然に囲まれて暮らすこと。
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