世界でもっとも知名度の高い日本料理といえば「SUSHI」。カウンターに腰掛けて旬なネタに目を通しながらゆっくり味わうのではなく、海外ではファーストフード感覚で口にしている人が多いようです。ローカライズされたお寿司を楽しむのも旅のひとつ。オーストラリアでは1本でお腹いっぱいになるボリューム満点の太巻きのようなのり巻きに驚き、イギリスではキウイやオレンジの握りずしに違和感を感じました。
美食の国フランスでは、なんと「Le sushi burger(寿司バーガー)」なるものを発見! ライスバーガーのようなイメージなのでしょうか。実際に試食してみることに。
訪れたのは、フランス南部を中心に20店舗を構えるチェーン系の『O’SUSHI 寿司』。同店の看板メニューでもある「寿司バーガー」(3.5ユーロ/約480円)を注文。
ショッピングモール内の「O’SUSHI 寿司」店舗、15人も座れば満席に
透明なお皿でナイフと共に供された寿司バーガーは、なんだかオシャレな雰囲気。寿司にナイフとは、なんて斬新なのでしょう! でもしょう油とワサビはありません。頬張るには気が引けたため、半分にカットしてからいただくことに。
中にはサーモンと薄い緑色のクリームがたっぷり。魚や肉などを細かく刻んでマリネしたものをタルタルと呼ぶのですが、寿司バーガーのサーモンもパプリカやズッキーニと共にタルタルになっていました。
サーモンにしっかりすし酢の風味が移っていて、確かにしょう油なしでもイケる味。緑色のクリームはなんと、クリームチーズにワサビを加えてホイップしたもののようです。なんだかオシャレじゃありませんか? ワサビホイップとサーモンタルタルの相性はよく、サーモンも新鮮で野菜の食感もいい感じ。
同店ではノルウェー産のサーモンを、シャリは地中海に面した南部の地区「Camargue(カマルグ)」産の寿司ライス100%を使用しているのだそうです。サーモンは鮮度が高くてバッチリだけれど、寿司ライスはギュッと潰されていたために残念な食感でした。
ところでフランスのスーパーには用途別に分かれたさまざまなお米が売られています。リゾット用のアルボリオライス、インド料理用のバスマティライス、タイ料理用のジャスミン米というようにお料理別に分類されているのです。銘柄は定かではありませんが、寿司用にはスシライスのカテゴリーに分類。
サイドメニューも充実。野菜、卵、小エビに鳥肉などが入った焼うどん風の「nouilles royales」(2ユーロ/約280円)
同店にはこのほか、小麦粉のトルティーヤで酢飯と海老天や鳥肉を巻いたラップサンドだかのり巻きだか分からない大胆なメニューもありました。お寿司をトルティーヤで巻く必要あるのっ!?
外れも大いにありますが、寿司バーガーのように国内では出合えない美味しさにめぐりあうことも時にあり。今後も世界の変わり種寿司に出合ったら、レポートしたいと思います!
[All photo by sweetsholic]