(C)くまもと写真館
私たちが旅に出たくなるのは、先へ先へと伸びる美しい道が誘っているからかもしれません。
行く先には何があるのか、道端にはどんな花が咲いているのか、道の途中ではどんな景色が見られるのか。時には霧の中を走ったり、雨上がりの虹を見たり、夕焼けの赤さに染まりながら。一期一会の景色を目に焼き付けたいものです。
月刊誌『BikeJIN(バイクジン)』が、メールによる読者アンケートに「ジャパン・ロード・オブ・ザ・イヤー選考委員会」4名の投票を加味し、「2017絶景道ランキング」を決定しました。どんな絶景道路が選ばれたのでしょうか。
10位:「阿蘇パノラマライン」(熊本県)
阿蘇パノラマライン【阿蘇吉田線・県道111号線(阿蘇市黒川〜阿蘇山上)】は、2016年熊本地震の影響により路面崩壊や斜面崩落によって、通行規制中。被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。復興にはまだ時間が必要ですが、熊本が元気な姿を取り戻すのを私たちは楽しみにしています。
9位:「千里浜なぎさドライブウェイ」(石川県)
宝達志水町今浜から羽咋市千里浜町までの約8Kmの波打ち際を自動車で走れる、日本唯一の海岸ドライブウェイ。
8位:「瀬戸内しまなみ海道」(広島県・愛媛県)
本州・広島県尾道市と四国・愛媛県今治市を全長約60kmで結びます。その区間には大きな島が6つあり、それぞれに形の異なった架橋で結んでいることから「橋の美術館」とも呼ばれるそうです。米メディアCNNの「世界で最も素晴らしい7大サイクリングコース」に選ばれ、世界屈指のサイクリングコースとしても知られています。
7位:「磐梯吾妻スカイライン」(福島県)
福島市西方の高湯温泉と土湯峠を結ぶ、全長28.7㎞の山岳観光道路。吾妻連峰を縫うように走るパノラマコース。4月上旬~11月中旬まで通行可能。冬は通行止め。
6位:「志賀草津道路」(群馬県・長野県)
首都圏から一番近いドライブウェイ。標高2000mの雲海と山並みを見下ろす、高原ドライブ。
[志賀草津道路]
5位:「やまなみハイウェイ」(大分県・熊本県)
(C)くまもと写真館
大分県由布市水分峠と熊本県阿蘇市一の宮町を結ぶ「やまなみハイウェイ」は、 “日本百名道”にも選出。雄大なくじゅう連山や飯田高原、瀬の本高原などの大自然が広がり、ドライブ中の車窓からは大高原に放牧された牛や馬も眺められます。
4位:「ミルクロード」(熊本県)
(C)くまもと写真館
九州を代表するツーリングエリア、草原の中を走る道路は「ミルクロード」と呼ばれています。阿蘇の広い空の下、夏は濃い緑の牧草地帯、秋はすすきの中を走る道は遮るものもなく絶景。年間に30日ほどのみ見られる雲海は、超レア現象。遭遇できたら、ラッキーです。
[阿蘇ミルクロード]
3位:「知床横断道路」(北海道)
生態系保護のため立ち入り制限されている知床半島において、唯一横断できる道路。斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠。北側には羅臼岳、 東側には国後島を見渡せ広大なパノラマが楽しめる絶景道路。7月下旬でも残雪が見られます。
[知床横断道路]
2位:「八幡平アスピーテライン」(秋田県・岩手県)
岩手県と秋田県にまたがる八幡平の中を走る八幡平アスピーテライン。例年4月下旬の冬季閉鎖解除後は、道の両端を雪の壁に挟まれた回廊が現れます。紅葉の名所としても人気。
2017年4月15日(土)から5月31日(水)の間は、日本一の長さ全長27kmの雪の回廊と八幡平周辺の桜を楽しむ「桜と雪の回廊」観光キャンペーンが行われます。
1位:「ビーナスライン」(長野県)
(C) PR Times
信州の美しい高原地帯を駆け抜けるビーナスライン。アルプスの雄大な景色が広がり、夏にはニッコウキスゲ、秋にはススキなど、 四季折々の草花が美しく彩ります。平均標高は1400mで、最高地点の美ヶ原高原では1920mにもなるので涼しく、夏のドライブにもぴったり。
[ビーナスライン]
メールによる読者アンケートを実施。さらに「ジャパン・ロード・オブ・ザ・イヤー選考委員会」4名の投票を加味し決定。
日本の美しい道。あなたが心を惹かれたのは、どの絶景道路でしたか。私たちが足を踏み入れていない道は、まだたくさんありますね。旅の醍醐味は目的地ではなく、途中の経過にあるかもしれません。
[絶景ロードの横綱が返り咲き!「2017絶景道ランキング」の第1位はビーナスライン(長野県)に決定]
(注)トップの美しい道の写真は、観光客に「天空の道」や「ラピュタの道」などと親しまれた阿蘇市の市道「狩尾幹線」。2016年4月の熊本地震で道路や山腹が崩壊した為、残念ながら通行・見学出来ません。復旧の見込みも立っておらず、入口も封鎖しています。熊本地震からまだ1年。美しい景観に震災の残した爪痕はまだ残っています。復興への道程が、1日も早くゴールに到達することを願ってやみません。
[Photos by shutterstock.com]