まるで噴火口の様な凄まじい光景が広がるトルクメニスタンのダルヴァザ。別名「地獄の門(The Door to Hell)」といわれている烈火の大穴は、とある事故がきっかけで生まれてしまった悪魔の産物です。その光景はまるで悪魔が召喚されそうなほど。なぜこの灼熱の大穴ができてしまい、未だに燃え続けているのか。地獄の門の秘密に迫ってみましょう。
トルクメニスタンは天然ガスの宝庫
国土の殆どが黒い砂(カラ.クム)に覆われ、世界最大の湖・カスピ海に面したトルクメニスタン。中央アジアの南西部に位置し、「クニャ・ウルゲンチ」や「ニサ」などの歴史的建造物が多く眠る場所として有名ですが、実は天然ガスや石油の資源国としても有名。財政の多くを鉱物資源で賄っており、このダルヴァザでも湖やクレーターから、天然ガスが吹き出ている光景を見る事が出来ます。
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地獄の門ができたのは事故が原因
実はこのダルヴァザが燃え続けているのも、この天然ガスによるもの。40年前に地質学者がボーリング調査をした際、偶然にも天然ガスの空洞を発見。しかし、調査の過程で落盤事故が起きてしまい、有毒ガスが発生。それを食い止める為に、仕方なく火を放ったのがダルヴァザが生まれた原因とされています。しかし40年という月日が経つ現在でも、可燃性のガスが絶え間なく放出されているため、このような地獄の光景になっているのです。
夜は幻想的でロマンティックな光景
その100メートルの大穴と消える事の無い炎は、まさに圧巻のダルヴァザですが、夜になるとその姿は一変します。赤く染まった灼熱の大穴は、「地獄の門」という名前にピッタリ。目の前に広がる身の危険よりも、漆黒の闇を染める炎の美しさは感動そのもの。大地の偉大さを実感する事の出来る、貴重な場所です。
首都アシガバードから北へ260キロメートルに位置するダルヴァザは、小さな村で宿泊施設が無い為、この光景を見るにはテントで宿泊する人も多いそうです。また、観光地として栄えている場所ではないので、気軽に行ける場所ではありません。しかし、そういった苦労や経験をするからこそ、他を圧倒する美しさと感動を与えてくれるのかもしれませんね。
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