ミラーレス一眼など、小型でも本格的な写真が撮れるカメラの登場により、写真を旅の楽しみにする人も増えたのではないでしょうか。あるいは、これからもっと写真を楽しみたいと思っている人も多いはず。
写真好きにはたまらない、シャッターが止まらなくなるヨーロッパのフォトジェニックな8つの街をご紹介します。
サントリーニ島(ギリシャ)
抜けるような白と青の街並みが鮮烈な、ギリシャのサントリーニ島。エーゲ海に面した断崖絶壁に建つ街は、どこを切り取っても絵になります。
なかでも、夕陽の名所として知られているのがイアの街。黄色、オレンジ、赤、紫・・・と、時間とともに移り変わる色彩が島を染める光景は夢のような美しさです。
猫が多いことでも有名なサントリーニ島。美しい島でのんびりと暮らす猫たちもまた、絶好のモデルです。
ローテンブルク(ドイツ)
ドイツのロマンティック街道を代表する観光地といえば、ローテンブルク(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)。中世の面影をほぼ完全にとどめていることから、「中世の宝石箱」と称えられています。
カラフルな木組みの建物が連なる風景はまさにおとぎの世界。メルヘンチックな街並みが好きな人にとってはたまらない可愛らしさです。
街を一望できる市庁舎の塔と、「プレートライン」と呼ばれる、通りが二股に分かれる小さな広場はローテンブルクを代表する撮影スポット。さらには、細部まで作りこまれた芸術品のようなお店の看板もはっとするほど絵になります。
チェスキークルムロフ(チェコ)
しばしば「世界で最も美しい街」と称されるのが、チェコの世界遺産の街、チェスキークルムロフ。ボヘミアの森に守られ、最盛期の16世紀当時の街並みがそのまま残っていることから、「眠れる森の美女」とも形容されています。
チェスキークルムロフを歩けば、その小さな街には不釣り合いなほど壮麗な建造物で埋め尽くされていることに驚くはず。
チェスキークルムロフの絶景ポイントといえば、なんといってもチェスキークルムロフ城のテラスからの眺め。ルネッサンス時代の街並みと、弧を描いて流れるヴルダヴァ川、豊かなボヘミアの緑が織りなす風景は、誰もを魅了する美しさです。
コペンハーゲン(デンマーク)
アンデルセンが愛したことで知られる、デンマークの首都・コペンハーゲン。市庁舎より高い建物を作ってはいけないといったルールや、建物の建て替え時には周囲の建物と調和させなければならないといったルールにより、重厚感のある歴史的な街並みが保たれています。
コペンハーゲンを代表する絶好のフォトスポットが、「ニューハウン」と呼ばれるエリア。17世紀に築かれた港町で、黄色や赤、青といったカラフルな建物が並ぶ光景は絵本から飛び出してきたかのよう。歩くだけで心が躍ります。
北欧を代表するショッピングストリート「ストロイエ」では、洗練されたデンマークデザインの雑貨ハンティングや路地裏散策を楽しんで。
ヴロツワフ(ポーランド)
ポーランド西部、シロンスク地方の中心都市・ヴロツワフ。ボヘミア王国や神聖ローマ帝国の支配を受け、さらに1945年まではドイツ領だったという複雑な歴史が、さまざまな文化が混じり合った独特の街並みを形成してきました。
旧市街の中心、旧市街広場はポーランドを代表する中世市場のひとつ。繊細な装飾が目を引く市庁舎の周囲をカラフルな建物が囲む光景に、一瞬にして恋に落ちてしまいそう。
「小人の街」としても名高いヴロツワフ。街には200体以上の小人像が点在し、一体一体すべてが異なるユーモラスな姿をしています。
街灯の下など思いがけないところに潜んでいることもあって、小人を探しながらの街歩きはワクワクが止まりません。ぜひ小人マップを手に入れて、何体見つけられるか挑戦してみては。
ポルト(ポルトガル)
ポルトガル北部に位置する、ノスタルジックな坂の街・ポルト。大航海時代幕開けの舞台となったこの街は、歴史的な街並みがまるごと世界遺産に登録されています。
街を歩けば、いたるところで重厚な歴史的建造物に出会う一方で、路地に入れば、道端で魚をさばいて売っている光景が目に入ります。華やかな歴史都市としての表情と、どこか田舎っぽい温かさを併せ持つ独特の空気に、不思議ななつかしさを覚えずにはいられません。
ポルトで最も風情ある景観が楽しめるのが、「リベイラ地区」と呼ばれるドウロ川沿いのエリア。ポルトガルの伝統タイル・アズレージョをあしらった細長い建物が並ぶ風景に心をギュっと掴まれます。
「ハリー・ポッター」の世界を思わせる、世界で最も美しい書店のひとつとして有名な、「レロ・イ・イルマオン」に立ち寄るのもお忘れなく。
コルマール(フランス)
(C) Haruna Akmatsu
「ハウルの動く城」のモデルではないかと噂される、フランス・アルザス地方の街、コルマール。確かに、街を代表する歴史的建造物「プフィスタの家」を中心とする風景は、「ハウルの動く城」の冒頭シーンを彷彿とさせます。
色とりどりの木組みの建物が並ぶ街を運河が走る風景はなんともロマンティック。ただでさえ美しい街並みが、花々やさまざまなオーナメントで飾られていて、思わず歓声を上げずにはいられないほどの可愛らしさです。
地方都市らしい素朴さと、フランスらしい洗練が同居する独特の風景は、まさにアルザスならでは。
ブラーノ島(イタリア)
「水の都」としてあまりにも有名なヴェネツィア。しかし、ヴェネツィア本島以外にも、訪れる人を魅了して止まない場所があります。そのひとつが、名産のレース編みで知られる漁師の島、ブラーノ島です。
ブラーノ島の景観を特徴づけているのが、目の覚めるほど鮮やかな色に塗られた家々。島のすべての家が、黄色、ピンク、緑、青・・・といった明るい色で染められているのです。これは、霧の多い冬でも、漁から帰ったときに自分の家がわかるようにするためなのだとか。
まるで別世界に迷い込んだかのような極彩色の世界。見るだけで元気になれるようなビタミンカラーの競演は、きっとあなたの心をとらえて離しません。
この世界は、写真に収めずにはいられない魅惑的な風景に満ちています。さて、相棒のカメラ片手にどこへ出かけましょうか。
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