(C) Hideyuki Tatebayashi
マンハッタンで唯一、個人が所有する公園がグラマシーパーク（Gramercy Park）。鍵を持っているのは周辺に家を持ち、年間管理費を払っている限られた数の人だけ。
入る時も出る時も鍵が要るという秘密めいた公園とは。
383個の鍵
(C) Hideyuki Tatebayashi
２エーカー（約2450坪）の広さの公園に入るためには、鍵が必要です。2012年のNY Times記事によると、鍵は383個あり、各々番号が付けられてコード化されているそうです。383個の鍵の内、126個はドアマンまたは管理人によって管理されています。他の257個の鍵は、近隣の豪華なアパートやコンド（超高級マンション）やコープ（後述）の所有者が、1年間350ドルの使用料を支払って所有しています。
グラマシーパークの内部
(C) Sara Aoyama
(C) Sara Aoyama
(C) Sara Aoyama
(C) Sara Aoyama
(C) Hideyuki Tatebayashi
特別な公園の内部は、美しく保たれています。鍵を所有している人間のみが中に入れるという、スノッブな公園。
公園の中からは、エンパイアステートビルディングやワールドトレードセンターが望めます。犬の連れ込み、飲酒、喫煙、サイクリング、野球、フリスビー、鳥やリスに餌を与えることは許されていません。ただゆっくりと静けさを楽しむ、くつろぐための公園なのです。鍵保有者は、最大５人まで同伴出来るそうですから、グラマシーパークのコンドにお住いのお金持ちと知り合えば、入るチャンスがありますね。
ちなみに、筆者にはそういった知人の縁はなく、公園内部の写真は、柵の隙間から撮影したものです（笑）。
Gramercy Park Historic District
(C) Sara Aoyama
[Gramercy Park Historic District]
グラマシーパーク歴史地区として指定された、ニューヨーク唯一の私有公園。鍵を持たないものは入れず、筆者を含め一般人は、隙間から様子を覗いて憧れます。
さて、鍵を持つご近所さんとはどんなところに住んでいるのでしょうか。
鍵を持つご近所とは
National Arts Club
(C) Hideyuki Tatebayashi
会員制のクラブ。建物内に入るには紹介者の同行が必要。
http://www.nationalartsclub.org
(C) Hideyuki Tatebayashi
34 Gramercy Park
(C) Sara Aoyama
1883年に建てられた9階建ての赤煉瓦のアパートメントは、NYC初で現存する最も古いコープ。多くの有名人が住むそうです。NY Postによると、リチャード・ギアも部屋を所有しているとか。
[Richard Gere’s new Gramercy pad comes with keys to the park]
このコープでグラマシーパークの鍵を手にいれるなら・・・
お金があるだけでは入居できないというのも、ニューヨークならではのスノッブさです。
36 Gramercy Park East
(C) Hideyuki Tatebayashi
奥まった入り口では、鎧を身につけた騎士がお出迎えする高級コンドミニアム。
この高級コンドでグラマシーパークの鍵を手にいれるなら・・・
売買物件 2ベッド1バス $1,599,000（約1億7,766万6,667円 2017年6月27日換算）
賃貸物件 3ベッド3.5バス5ルーム $15,000（約166万6,667円 2017年6月27日換算）
http://www.36gramercyparkeast.com/
Gramercy Park Hotel
(C) Hideyuki Tatebayashi
(C) Hideyuki Tatebayashi
私たちが、グラマシーパークに入れる可能性が高いのは、Gramercy Park Hotelに宿泊した時。Hotelのスタッフに同行されて入るという噂です。
時期や曜日により宿泊料は異なりますが、1泊＄329から（税・サービス料別）
http://www.gramercyparkhotel.com
(C) Hideyuki Tatebayashi
マンハッタンで唯一個人所有の公園。出入りには鍵が必要で、公園の近所に住む管理費を払っている限られた人にだけ鍵が渡される公園。初夏から夏のグリーンの時期も美しいですし、秋の紅葉の時期もとてもロマンティックです。
いつかこの公園の鍵を手にする日が来るのだろうかと99％のニューヨーカーが夢を抱き、柵の隙間から様子を覗きながら通り過ぎるのです。
[THE KEY TO THE PARK]
[How Do You Get a Key to Gramercy Park?]
[Photos by Hideyuki Tatebayashi] ※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.
PROFILE
sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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