(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
近年、観光客から熱い視線を浴びているバルセロナ。美食や芸術の街としても知られていますが、絶対に外せない観光スポットとして有名なのが未完の芸術「サグラダ・ファミリア」(Sagrada Família)。
このサグラダ・ファミリアの設計者として有名なアントニオ・ガウディの建築は、その他にもバルセロナには沢山存在し、その多くが世界遺産にも登録されています。けれどその世界遺産のガウディ建築の中でも、長らく私邸であったために内部が公開されていなかった物件も存在するのだとか。その公開されていなかった元私邸が近く公開することが決定したのでご紹介したいと思います。
ガウディの初期作品「カサ・ビセンス」
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
こちらが、長らく内部が公開されていなかったガウディ建築「カサ・ビセンス」(Casa Vicens)。なんとガウディが一人前の建築家となって初めて手掛けた作品なのだとか。
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
レンガと多彩タイルからなる美しい造形で知られていますが、それもそのはず、レンガやタイル工場を運営する会社の社長であったマヌエル・ビセンス氏の住居として建設されたのですから。1883年に建築スタートし、1885年の完成後はビセンス氏の私邸として実際に使われていました。
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
その後1899年にカサ・ビセンスは別の人の手に渡り、そこから約1世紀にわたってそのご家族によって使用されてきたのだとか。その間に改修や増築もあったそうですが、ついに2005年にはユネスコの世界遺産に登録されます。自宅が世界遺産に登録されるって、どういう気分なんでしょうね。
けれどその世界遺産登録直後の2007年10月、所有者はついにカサ・ビセンスを売りに出したのです。ただし売値が2700万ユーロ(2017年7月現在のレートで約34億7千7百万円)という高額だったため、数年は買い手が全く現れませんでした。そして7年のブランクののち、購入したのは意外な存在でした。
2017年秋に室内を初公開
(c)MoraBanc
それは、「MoraBanc」という銀行。なんとスペインではなく、スペインとフランスの間にある小国「アンドラ公国」(Principat d’Andorra)に本拠地を置く銀行です。その「MoraBanc」銀行が、観光客に公開する前提で2014年にカサ・ビセンスを購入したのだとか。
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
そして2015年には、修復工事もスタート。スペインの修復工事の秋スパートたちが何名もこの作業に参加しています。
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
今まで一般公開されていなかった建物の内部が、現在は画像で公開されてます。ガウディの建築は、見ているだけで胸がときめきますね。そしてこの美しい内装が、一般に知られることなく住人達だけの秘密だったと考えると、サグラダ・ファミリアとはまた違った感慨を覚えます。
(c) Casa Vicens, Barcelona 2017. Photo by: Pol Viladoms
そして写真のみならず、2017年秋には、このカサ・ビセンスの建物を一般公開する予定。しかもカフェや美術館も併設した文化施設になるのだとか。オープンの詳細日程は未定ですが、秋以降のバルセロナ観光の際には、ぜひ訪れたいですね! 公式ホームページでの正式日程発表を楽しみに待ちたいと思います。
[Casa Vicens]
[Gaudí’s first built house set to open to public for first time]