毎年増え続け、いまや世界に1000以上も存在する世界遺産。それだけの数があれば、本当に行くべき世界遺産はいったいどこなのか、迷ってしまいませんか?
そこで、楽天トラベル発表の「一生に一度は行ってほしい!本当に行ってよかった海外の世界遺産ランキングTOP20」をもとに、日本人が行ってよかったと思う海外の世界遺産トップ10をご紹介します。
第10位 フィレンツェ歴史地区(イタリア)
2001年に映画化された「冷静と情熱のあいだ」の舞台としても注目を集めたフィレンツェ。メディチ家の庇護のもと、ルネッサンスの中心地として栄華を極めた15~16世紀当時の面影が残る街並みは、まるごと世界遺産に登録されています。
白壁とレンガ色の屋根が織り成す優美な風景は「天井のない美術館」と呼ぶにふさわしく、街全体が芸術の女神に祝福されているかのような甘美なたたずまいはこの街特有のもの。
フィレンツェのシンボル、大きなドームが印象的なサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂や、ルネッサンスの至宝が集結したウフィツィ美術館をはじめ、感性を刺激される見どころがいっぱいです。
第9位 カナディアン・ロッキー山脈自然公園群(カナダ)
紺碧の湖と3000メートル級の山々が描き出す自然の絶景、カナディアン・ロッキー。バンフ、ヨーホー、ジャスパー、クートニーの4つの国立公園からなる自然遺産で、カナダの雄大な自然を象徴する存在です。
カナディアン・ロッキーを特別なものにしているのは、氷河に浸食された切り立った山々が連なっていることと、1万年前の氷河が今なおあちこちに残されていること。熊や鹿、ビーバーといった野生動物の宝庫でもあります。
氷河から流れ込む沈泥が光を反射し、湖面をエメラルド色に見せる「ロッキーの宝石」、レイク・ルイーズや、「世界一美しい高速道路」と呼ばれるアイスフィールド・パークウェイなど、息を呑む風景の連続です。
第8位 モン・サン・ミッシェルとその湾(フランス)
おそらくフランスで最も有名な世界遺産、モン・サン・ミッシェル。ノルマンディー地方南部、サン・マロ湾に浮かぶ小島で、島全体が修道院となっているフランス屈指の聖地です。満潮時には陸と完全に切り離される神秘的な姿は「西洋の驚異」と呼ばれてきました。
708年、地元の司教・オベールの夢に現れた大天使ミカエルが、この地に修道院を建てるように告げたことからその歴史がはじまりました。修道院を頂点にして、木組みの家々や塔、石畳の路地といった中世の景色が今も残っています。
とりわけ、夕闇に浮かび上がるライトアップされた姿や、朝日を浴びて輝く様子はあまりにも幻想的。島内または周辺に宿泊して、観光客の少ない夕方から朝にかけての特別な風景をじっくり堪能するのがおすすめです。
次は第7位!
第7位 マチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)
日本からはるか遠く離れた、ペルーが世界に誇る世界遺産、マチュ・ピチュが上位にランクイン。それは、この場所が他に類を見ない神秘的な光景と、独特の空気で旅人の心を揺さぶるからにほかなりません。
マチュ・ピチュは、標高約2280メートルの地点に築かれたインカ帝国の都市。山裾からはその存在が見えないため、「空中都市」の異名をとっています。インカ帝国を征服したスペイン人もその存在に気付くことはなく、1911年にアメリカの歴史学者ハイラム・ビンガムによって発見されるまで、400年もの長き眠りについていました。
なぜこのような断崖絶壁に都市が建設されたのかなど、いまだ解明されていない謎の多いマチュ・ピチュ。だからこそ、この都市は人々のロマンをかきたててやまないのでしょう。
第6位 シドニー・オペラハウス(オーストラリア)
いまやシドニーの顔ともいうべき存在となったオペラ・ハウス。「20世紀を代表する近代建築」といわれ、まだまだ数少ない近現代建築の世界遺産のひとつです。
貝殻を思わせる特異なデザインは、1956年の国際設計コンペで32ヵ国233作品から選ばれた、デンマークの建築家ヨルン・ウッツォンが手掛けたもの。あまりにも革新的なデザインゆえ、建設に14年もの歳月と1億2000万オーストラリアドルを要し、当初の完成予定を大幅に超過したといいます。
内部には、世界最大級のパイプオルガンをもつコンサートホールやシアターなど、年間1600回以上のコンサートやオペラ、演劇、バレエの公演が行われる大小5つの会場があり、日本語ツアーで内部を見学することも可能。
世界三大美港のひとつであるシドニー湾の夜景も素晴らしく、白い貝殻のようなオペラ・ハウスのシルエットが光を浴びて浮かび上がる姿は格別です。
第5位 古都アユタヤ(タイ)
バンコクから日帰りも可能で、アクセス便利なアユタヤが5位にランクイン。世界史の授業で習った記憶のある人も多いことでしょう。
アユタヤは、1351年にウートン王によって開かれてから、1767年にビルマ(ミャンマー)軍の攻撃で破壊されるまでの400年以上にわたって、アユタヤ王朝の都として繁栄した古都。山田長政が活躍し、最盛期には1000~1500人の日本人が暮らしていた、日本ともゆかりの深い街です。
歴代3人の王が眠るワット・プラシー・サンペットや、木の根に埋まった仏頭で有名なワット・プラ・マハタートなど、街のあちこちにかつての繁栄を物語る遺跡が点在。
ビルマ群の攻撃により、頭をもぎ取られた仏像や、腕を無くした仏像は、痛々しくもどこか神々しさを感じさせます。「栄枯盛衰」― そんな言葉がふっと浮かんでくる趣ある遺跡の数々を、レンタサイクルで訪ねてはいかがでしょうか。
次は第4位です!
第4位 万里の長城(中国)
「新・世界7不思議」に選ばれている万里の長城は、日本から最も近い海外の世界遺産のひとつ。河北省山海関から甘粛省嘉峪関にいたる、全長21000キロメートルという途方もないスケールの大城壁は、中国旅行のハイライトです。
その起源は、春秋戦国時代に諸侯が国の防衛のために壁を築いたことにさかのぼります。その後、紀元前221年に中国を統一した秦の始皇帝が、北方の騎馬民族、匈奴(きょうど)の侵入を防ごうと、約30万の兵と数百万の農民を動員して、大規模な改修・増築を行い、前代未聞の城壁が完成しました。現在見られるのは、モンゴルの侵入に備えるために明の時代に造られたものです。
万里の長城の玄関口といわれる居庸関は急こう配で、登りきるのは一苦労ですが、山の尾根に城壁が龍のように這いまわる光景は圧巻。広大な国土をもつ中国だからこそ見られる光景にただただ圧倒されます。
第3位 グレート・バリア・リーフ
世界最大のサンゴ礁として名高い、グレート・バリア・リーフ。オーストラリア・クイーンズランド州の東岸に、全長2000キロメートルにわたって広がるサンゴ礁は、1500種類もの魚類が生息する海洋生物の楽園です。
なかでも、6000年もの歳月をかけてサンゴ礁が隆起してできたグリーン島は「緑の宝石」ともうたわれる美しさ。島では、シュノーケリングやシーウォーカー、ダイビング、パラセイリングなどのマリンアクティビティが楽しめます。
ハミルトン島を拠点に訪れるハート形のサンゴ礁、「ハートリーフ」を上空から眺める遊覧飛行も人気。カップルで見ると永遠に愛が続く、パートナーのいない人が見れば幸せが訪れる、恋が叶うといったジンクスがあり、恋愛のパワースポットとしても知られています。
第2位 アンコール(カンボジア)
アンコールは400平方キロメートルの面積に、大小600以上の遺跡が点在する、巨大な遺跡群。9世紀から15世紀にかけて、インドシナ半島を制したアンコール王朝の栄光を物語る遺産です。
カンボジアの国旗にも描かれている寺院遺跡、アンコール・ワットの知名度が先行しがちですが、ほかにも数多くの見どころがあります。
12世紀末に築かれたアンコール・トムの中核であるバイヨン寺院は、四面に観世音菩薩の顔が彫られた巨大な仏塔が圧巻。そのミステリアスな微笑みは見る者の心を惹きつけてやみません。
1186年に仏教寺院として建てられ、後にヒンドゥー教寺院に改修されたタ・プロームも必見。意思をもった巨大なガジュマルの木が遺跡を飲み込んでいるかのような光景に、言葉を失います。朽ちていくものだけが持つ美しさと、圧倒的な自然のエネルギーは鳥肌が立つほど。
アンコール・ワットがあるシェムリアップ市内のみならず、「東洋のモナリザ」と称される女神の彫刻で有名な「バンテアイスレイ」をはじめとする近郊の遺跡も訪ねてみてください。
第1位 グランド・キャニオン国立公園(アメリカ)
栄えある第一位に輝いたのが、アメリカ・アリゾナ州北部に広がる国立公園、グランドキャニオン。何億年もかけて地殻変動や川の流れによる浸食などが造り上げた、全長およそ450キロメートルにも及ぶ大峡谷で、ルーズベルト元大統領が「すべてのアメリカ人は生涯に一度、グランドキャニオンを訪れるべき」と言ったというエピソードも残っています。
岩壁の最大幅は約30キロメートルにも達し、谷の最深部は1.6キロメートルにわたって切れ込んでいます。悠久の時間のなかで自然の営みが生み出したダイナミックな景観は、「芸術」と呼ぶほかありません。グランドキャニオンの淵から谷を見下ろした瞬間、奇跡のような地球の美しさに、心が震えることでしょう。
人類共通の宝である世界遺産を訪ねて、この世界の美しさを一つでも多く見つけませんか。
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