以前、TABIZINEを代表して参加したプレスツアーの一環で、タイとマレーシアの国境にある地元密着のマーケットに立ち寄った経験があります。なかなかディープなスポットで、外国人観光客をほとんど見かけない、「買い物天国」と呼ばれる地元民向けのマーケットのため、いろいろユニークな特徴がありました。
そこで今回はタイとマレーシアの国境にあるPadang Besarの市場で、日本人である筆者がビックリしてしまった地元の文化を紹介したいと思います。
1. ジュースが袋で売られている
過去記事でも東南アジアでは飲み物がビニール袋に入った状態で売られていると紹介しましたが、Padang Besarも例外ではありません。水に浸して冷やした缶ジュースや缶コーヒーなども売られていますが、袋入りの飲料もしっかり販売されていました。日本ではなかなか考えられないスタイルですが、慣れてくると飲み終えた後に容器がかさばらず、便利な飲み方だと思えてくるから不思議です。
2. 国境を越えて人が働きに来ている
日本人の感覚で言うと、日本に住み、国内で働くという生き方が普通だと感じるはず。しかしマレーシアとタイの国境にあるPadang Besarでは、お店を出す人も買い物をする人も、普通に国境を越えてタイからやってきます。
マーケットの外にある露店で缶コーヒーを売っていた男性と世間話をすると、やはりタイから働きに毎日国境を越えてやってきていると教えてくれました。職場が国境の向こう側という状況は、日本に暮らしている大半の日本人には味わえないですよね。
3. ココナッツをご飯で食べる
マーケットの場外には、屋台が建ち並んでいます。現地特有の食事が口にできるローカルな屋台ですが、甘いココナッツで作ったおかゆのようなメニューには驚かされました(一部の日本人には有名な食べ方だと後に知りましたが・・・)。
とはいえ、未体験ながらもおいしい料理は多く、値段も格安で、例えばシーフードたっぷりのヌードルが6リンギほどでした。執筆時点のレートで言うと168円です。
熱帯の国境近くで簡素な屋台の椅子に腰を下ろして口にする食事が、また旅情を誘ってくれます。ローカルなマーケットならではの魅力の1つと言えそうですね。
次はお土産に関するびっくりしたことです!
4. 偽物に注意しなくていい!?
Padang Besarの商人たちの誇りと生活に関係するので明言は避けますが、同市場では「なぜか」ブランド品が安く、壁や天井から吊るされた状態で売られていました。例えばコーチのリュックサックが38リンギ。日本円にして1,066円ほどです。
現地のガイドの方はマーケットに入る前に、「ここではイミテーションに注意する必要はない。安心してくれ。なぜなら全てが・・・」と言って、慌てて口をふさいでいました。
ガイド個人の見解という可能性も十分にありますが、少なくともコピー商品を持って帰国できないルールになっていますので、頭に入れておきたいですね。
5. 天井まで陳列の商品がいっぱい
日本の場合、避難や消火を考えて、物品の陳列方法には細かいルールがあると言います。例えばポリエステルやポリプロピレン、ウレタンフォーム、アクリルなどのクッション家具・衣類は、短時間で燃え広がるために、天井と棚の上端の距離が80cm以下の陳列が禁止といった取り決めがあるのだとか。
しかし国が違えばルールも異なります。Padang Besarのお店はお構いなしで、天井との距離が80cm以下どころか、出入り口周辺の天井にまで商品がぶら下がっています。火災になったら大変だろうなと、買い物をしながらちょっと考えてしまいました。
以上、タイとマレーシアの国境にあるマーケットで驚いてしまったポイントを紹介しましたが、いかがでしたか? この手のマーケットでは貴重品の取り扱いに注意するべきだと、現地のガイドが口を酸っぱく語っていました。訪れる場合は、念のため気をつけたいですね。
[避難・消火困難な物品販売店舗における防火安全対策のあり方 – 消防庁]
[All photos by Masayoshi Sakamoto]