人気の観光地、沖縄。沖縄の中でも石垣島は「トリップアドバイザーの口コミで選ぶ、人気急上昇中の観光都市ランキング」の2018年版で、世界NO.1に輝いているとご存知でしょうか。
トリップアドバイザーは世界的なサービスですが、No.1となる口コミには実際、日本人の意見も多く含まれているようです。やはり石垣は、世界の人はもちろん、日本人にも大人気みたいですね。
とは言えこの石垣島、そもそもどうしてこんなにも人気なのでしょうか。「そんなにいい場所なら、次の沖縄旅行では行ってみようかな」と漠然と考えている人も少なくないはず。
そこで今回は石垣島に何度か訪れた経験のある筆者が、石垣島の人気の秘密を考えてみました。せっかくの沖縄旅行、本島だけではなく先島諸島の石垣島まで足を運びたい理由を、考えてみたいと思います。
石垣島が選ばれる理由その1:
那覇の「その先」という地理感で旅心が高まる
鹿児島から台湾に続く列島全体を南西諸島と呼びます。南西諸島は鹿児島県の薩南諸島と、沖縄県の琉球諸島に分類されています。
琉球諸島は那覇のある沖縄島を含めた沖縄諸島と、南西に進んだ先島(さきしま)諸島にさらに分かれます。先島諸島には宮古列島、八重山列島が連なっていて、八重山列島の一角に石垣島が含まれています。なんだか頭が混乱してきましたが、つまり、石垣島は那覇から見てもとても「遠く」にあり、飛行機で片道一時間ほどの移動が必要な場所に位置しているのですね。
御神崎灯台
石垣島の最寄りの大都市は台北。那覇に行くだけでも遠くまで旅をした気になれますが、さらに「先」に進むために飛行機を乗り継ぎ、南ぬ島石垣空港を目指すとなると、旅心が大いに高まります。「先」があるのなら行ってみたくなる、そんな旅人の気持ちを満たしてくれる地理的要素も、人気の理由なのかもしれませんね。
石垣島が選ばれる理由その2:
ミシュラングリーンガイド3つ星は石垣島だけ
川平湾
ミシュランの星と言うと、グルメガイドを思い浮かべる人がほとんどだと思います。しかしミシュランは世界の旅先にも星を付けていて、沖縄で最高評価の3つ星を受けている場所は、石垣島にある川平湾の1カ所のみになります。
川平湾は市街地のある石垣島の南側とは反対で島の北側にあり、市街地から自動車で約35分の距離にあります。筆者がかつて訪れたときのパンフレットが手元に残っていましたので参照してみると、同地の海の美しさは「川平ブルー」と呼ばれ、世界中の人を魅了しているのだとか。
川平湾
船乗り場を兼ねた観光スポットは、東シナ海に面した石垣島北部の海岸線が、内陸に湾曲した湾内にあります。湾には大小の島々が浮かび、湾の入り口をふさぐように川平湾小島(くじま)も横たわっています。川平湾は全域が西表石垣国立公園。グラスボートのクルーズ観光が盛んで、ガラス窓がはめられた船底からは、クマノミ、テーブルサンゴ、ユビエダサンゴ、キンギョハナダイ、アオブダイなどさまざま熱帯魚やサンゴが楽しめます。
こうした3つ星の目玉観光資源がある点も、石垣島の人気の理由だと考えられます。
石垣島が選ばれる理由その3:
国境の島々へのショートトリップが楽しめる
竹富島のコンドイビーチ
石垣島は那覇のある本島から、「先」へと進む先島諸島に位置していると書きました。しかし、旅は終わりではありません。石垣港からは、さらに西表石垣国立公園の島々、例えば竹富島、小浜島、西表島などに船で気軽にショートトリップも可能です。
もちろん那覇からも慶良間諸島国立公園の島々にトリップできるのですが、石垣港から行ける島々は、どこも国境が海のすぐ向こう側に迫っているという独特の雰囲気が感じられます。沖縄島周辺の離島では、少し味わえない感覚ですよね。
異国の空気を感じるといえば、石垣周辺で不意に降るスコールにすら、那覇の大都会よりも、太古の記憶を呼び覚ますような荒々しさと、海上の道でつながる南の島々の気配が感じられます。
空の色や水平線の広がり、植生や風の湿り気、スコールなど、あらゆる要素が異国とのつながりを自然な形で連想させてくれる、そんな点も人気の理由になっているのかもしれませんね。
以上、石垣島が人気の理由を考えてみましたが、いかがでしたか? もちろん、石垣牛など島ならではの素材を活かしたグルメ、独自の島文化、そして沖縄一帯に共通する話ではありますが、人々の温かさも、石垣島が選ばれる理由だと思います。タクシーの運転手、飲食店の店主、観光地のスタッフなど、現地の方との出会いも大いに楽しんでくださいね。
御神崎灯台
[西表石垣国立公園 – 環境省]
[慶良間諸島国立公園 – 環境省]
[石垣島が世界一! 2018 人気上昇中の観光都市ランキング – トリップアドバイザー]
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