秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<20>

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Oct 3rd, 2018

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。今回の「たったひとつ」は、森の恵みをいただく秩父産のメープルシロップ。秩父では5種類の楓(カエデ)から樹液を採取しています。爽やかな甘さと黒糖に似た風味は日本人好みの味わい。

秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<21>

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

森の贈り物

秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<21>

森は私たちに贈り物をくれます。

秋には華やかに朱や黄色の衣をまといます。
そして、実った木の実を落とします。
雪解けの頃になると、楓(カエデ)からほんのり甘い樹液が浸み出します。

森は何と気前が良いのでしょう。

秩父の森から採れるメープルシロップ

秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<21>

メープルシロップは、楓(カエデ)の樹液を40分の1まで濃縮して作ったシロップ。一滴一滴に、楓(カエデ)の命が宿っています。

秩父では5種類の楓(カエデ)から樹液を採取しています。爽やかな甘さと黒糖に似た風味は日本人好みの味で、本場カナダのメープルシロップにも劣らない風味。秩父の山の滋養によって、カナダ産にはないカリウムやカルシウムといったミネラルを多く含んでいるのが特徴です。

メープルシロップってどうやって作るの

秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<21>

2月から3月にかけての数週間だけ、楓(カエデ)は地中の水分を吸い上げ、木に穴を開けるとポタポタと樹液が流れ出てくるそうです。樹液にはミネラルやカルシウムなど豊富な栄養素が含まれており、40分の1まで煮詰めるとメープルシロップに。樹液はそのままお水の代わり飲んでも、沸かして紅茶を淹れても美味。

メープルシロップはパンケーキにかけて味わいたい

秩父の森のメープルシロップ|たったひとつを叶える旅<21>

手間をかけて作ったメープルシロップは、シンプルにパンケーキにかけて食べるのがオススメだそうです。秩父ミューズパーク内にある「MAPLE BASE(メープルベース)」で、いただくことが出来ます。

楓(カエデ)は森を再生する

国土の約67%を森林が占める日本。大半は林業の衰退に伴って荒廃が進んでおり、杉やヒノキの手入れや広葉樹林への再生も困難な状況に。秩父の森も例外ではありませんでした。スギやヒノキの「伐る林業」と、楓(カエデ)の樹液の「伐らない林業」の複合化を目指し、秩父の森を本来あるべき姿に戻そうとしています。楓(カエデ)は地中深くまで根を張るため山の保水力を高め、土砂崩れなどが起きにくくなり、森が健康かつ豊かになります。私たちがメープルシロップを食べることで、森にお返しが出来るかもしれません。楓(カエデ)を植えてから、樹液が採れるまでには15年~20年かかるそうです。

今回のたったひとつは、森の恵みをいただく秩父産のメープルシロップ。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

■もっと知りたくなったら
ONESTORY(ワンストーリー)
森を本来あるべき姿に戻したい。[TAP&SAP/埼玉県秩父郡]

MAPLE BASE(メープルベース)
住所:埼玉県秩父郡小鹿野町長留1129-1(秩父ミューズパーク内) 
電話:0494-26-6150営業時間:10:00~17:00
休日:水曜
料金:
秩父産メープルシロップ ¥3,240(今シーズン分は完売)
天然カエデ樹液100% ¥756
秘蜜 ¥600~¥2,980
メープルサイダー ¥300
オリジナルパンケーキ ¥700
〈上記一部商品はTAP&SAPオンラインショップにて販売中〉
http://tapandsap.jp/maplebase/

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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