日本には、お中元、お歳暮、ビジネスの手土産など、贈り物の独特のルールがあります。筆者がフランス人に日本の贈り物文化について話した時に、フランス人に「日本の贈り物事情はややこしいね」という一言が返ってきました。
日本人にとっては、当たり前の贈り物の文化やマナーですが、外国人にとっては摩訶不思議な習慣。日本とフランスの贈り物の習慣の違いを紹介します。
お中元、お歳暮はない
フランスには、お中元、お歳暮の文化はありません。日頃お世話になった人に定期的にプレゼントを贈るという習慣は日本独特のもの。フランスでは、上司に贈り物をする話は聞きませんが、学校の先生やマンションの管理人など日頃お世話になっている人に、クリスマスシーズンにちょっとした贈り物する話はよく聞きます。
旅行土産は絶対ではない
日本人は旅行をすると、職場や友人、そして家族に旅行土産を必ず買って帰るという人は多いのではないでしょうか。フランスでは、旅行土産を買うこともありますが、絶対買わなければいけないものではありません。相手が気に入りそうなものがあったからたまたま買ったなど、そういった理由で、お土産を買うことが多いようです。
接待、ビジネスの手土産はない
日本では取引先に、手土産を渡す場合が多くあります。フランスでは、基本的にビジネスの場で手土産を渡すということはありません。日本に比べて、フランスは取引先との関係はドライ。日頃お世話になっている取引先に、お礼の意味を込めてお土産を持っていくという習慣はないのです。
クリスマスプレゼントは絶対
日本では、若いカップルがクリスマスプレゼントを贈ることは当たり前になっていますが、フランスではクリスマスにはカップルだけでなく、クリスマスを過ごす家族全員にプレゼントを贈らなければなりません。祖父母、両親、兄弟、その子供たち、大家族でクリスマスを過ごす場合は、全員にプレゼントを買うことになるので、12月は頭を悩ませなければなりません。
お返しはない
出産祝いなどの内祝いで、贈り物をいただいた時に、いただきっぱなしということは、基本的に日本ではありえませんね。フランスでは、お祝いで贈り物をもらい、それに対するお返しという習慣はありません。筆者は、フランスで出産した際に、お祝いを多くもらったのですが、お返しをする必要がないと言われたので、個人的には少し気が引けてしまいました・・・。
冠婚葬祭の祝儀や香典はない
日本では、結婚の際には祝儀、お葬式では香典を贈る習慣があります。祝儀や香典で包むお金の金額の相場までしっかりと決められています。フランスでは、基本的に冠婚葬祭でお金を贈ることはありません。結婚式もお葬式も、ただ参加するのみです。
のしはない
日本の贈り物の文化で独特なのが、「のし」です。フランスでは、のしは存在せず、贈り物をするときは、普通に包装紙で包んで贈るだけです。またフランスでは、包装が少し雑であっても、気にする人もあまりおらず、失礼にはあたりません。
贈り物をするということは、相手を喜ばせるというパーソナルなことですが、同時に各文化それぞれ独自のルールがあります。外国で贈り物をするときは気をつけたいものです。
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