昭和初期の豪華客船
横浜、山下公園に停泊する氷川丸。
昭和5年にシアトル航路用に造られた豪華客船です。
戦時中は病院船として活躍し、日本郵船の大型船の中では唯一沈没を逃れました。
戦後は再び客船に戻り、太平洋横断を254回、延べ約2万5000名の客を乗せて昭和35年に現役を引退。現在では横浜市の文化財に指定され、一般公開されています。
この氷川丸の魅力は、なんといってもフランス人デザイナーによるアールデコ様式の内装です。
着飾った貴婦人がゆったりと降りてきそうな階段。
照明のデザインも時代を感じさせますね。
こちらは、秩父宮やチャップリンが宿泊したという一等特別室。
凝った毛布の折り方にスタッフのおもてなしの心を感じます。客室ごとに毛布の形が違うので、ひとつひとつの部屋を覗いていくと面白いものです。
シアトル航路に思いを馳せる
氷川丸の一等客用の客室や食堂などは、どれも内装がすばらしくて、ついついカメラのシャッターを切ってしまいたくなる魅力があります。
しかし、一等客室以外のエリアも、訪れてみるとなかなか味わい深いもの。
こちらは三等客室。三等とはいえ、雑魚寝ではなく、それなりにプライバシーはあるのですね。
三等は、トイレやお風呂がほかの乗客と共有で、料理は日本食です。
約2週間の船旅を通じて、客同士だけでなく、船員とも仲良くなったそうですよ。
操舵室にも入れます。無事な航海を祈るため、氷川神社の神様を祀った神棚もあります。だから、「氷川丸」なんですね!
こちらは機関室。最高出力は11000馬力のディーゼルエンジンで、操作が難しかったのだとか。
さわやかな白いデッキ。ここに出ると風が心地よく、眺めは最高です!
このように、船内は見どころ満載だというのに、入館料はたった300円!
海沿いの美しい山下公園からちょっと足を延ばすだけで、ロマンチックな気分は倍増します。
デートコースの候補のひとつとして頭に入れておきたい、素敵なスポットです。
住所:神奈川県横浜市中区山下町山下公園地先
TEL:045-641-4362
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、ほか臨時休館日あり
開館時間:10:00-17:00(入館は~16:30)
入園料:大人300円、小・中・高校生100円、65歳以上200円 ※団体割引あり