火山が生んだ島「ランサローテ」
長年の火山噴火によって、生み出された島「ランサローテ(Lanzarote)」。スペインのカナリア諸島に位置します。島内には、特有の地形を活かしたコンサートホールや公園などが存在し、自然と人がうまく共存した美しい風景が広がっています。
カラフルな塩田はランサローテで出会える絶景です。
火山土壌に作られたブドウ園。どんな味のワインになのか気になります。
溶岩の噴出によってできた洞窟は、現在コンサートホールとして使用されているそう。
ティマンファヤ国立公園では、火山活動によって作られた様々な地形を見る事ができます。園内には、300以上ものクレーターがあるそうです。
グリーンラグーンと呼ばれる、不思議な沼。これも、自然が作り上げた景色のひとつ。
ランサローテを守るために生涯を捧げた建築家「セサール・マンリケ」
ランサローテ出身の世界的アーティスト・建築家「セサール・マンリケ(Cesar Manrique)」。この島の自然を誰よりも愛したマンリケは、各地で行われるリゾート開発を見て、愕然としました。そこで、自然を守るために議会をも説得し、規制を作成。「自然自身が主人公」であるというマンリケの思考に基づいて、島そのものが彼のアートとして完成したのです。島内にはマンリケが作ったモニュメントも点在しています。
カラフルな“風の彫刻”。アーティスト・建築家、そして彫刻家として活動したマンリケらしいアートは、島の至る所に設置されています。
マンリケが作った「サボテン園」。
©Oleg Znamenskiy / Shutterstock.com
ギリシャのような白い壁が特徴の「マンリケの家」。
実は、ランサローテでは白とベージュ以外の建物は禁止されています。これは、マンリケが島の景観を守るため定めたルールだそう。そういったことが、“島そのものが彼のアート”と呼ばれる由縁なのかもしれません。
マンリケの功績により、洗練された火山島となったランサローテ。家や看板といった人工物も風景の一部として馴染むよう工夫がなされています。これからも、この美しい景観を守るため、様々な活動が続けられていくことでしょう。
[Photo by Shutterstock.com]