ワインにあまり興味がなくても、ロマネ・コンティやボジョレー・ヌーボーは耳にしたことがあるのではないでしょうか?
前者は世界で最も高価なワインとしてその名を轟かせているもので、1本あたり100万円を超えることも。後者は毎年11月の第3木曜日に解禁となる、ボジョレー地区で生産されるワインの新酒のこと。1本1000円台から購入できるお手頃価格のワインです。
実はロマネ・コンティもボジョレー・ヌーボーも、パリから約315kmほど南に下った場所にあるブルゴーニュ地方のぶどう畑一帯で造られています。ブルゴーニュはボルドーと並ぶフランスを代表する名醸地で、ワインに関連した見所やイベントで知られる地域です。
歴史的な観光名所もたくさんありますが、今回はブルゴーニュの首都・ディジョン以南の「ワイン街道」と呼ばれる一帯の魅力を見ていくことにしましょう。
黄金の丘陵/コート・ドール
この一帯は黄金にも例えられる優れたワインの畑が連ねること、また、秋にはぶどうの葉が黄金色に染まることから「コート・ドール(黄金の丘陵)」と呼ばれています。
ブルゴーニュの首都、ディジョンから65kmに渡ってぶどう畑が広がる地域で、北方面ではロマネ・コンティやシャンベルタンといった高級ワインが造られています。ちなみにこの一帯からボジョレー地区にかけて多くのワイン畑が続くことから、黄金の丘陵を「特級ワイン街道」、以南を「ワイン街道」とも呼ばれています。
ワインの首都/ボーヌ
黄金の丘陵の中心部に位置する、歴史あるワイン取引の町。ワインショップ巡りをしたり、「Musée du Vin de Bourgogne(ワイン博物館)」でワインの歴史を学んだりする楽しさがあるほか、毎年11月には「Les Trois Glorieuses(栄光の3日間)」と呼ばれるブルゴーニュ最大のワイン祭りが開催されることでも有名です。
ワイン祭りの目玉は「Hospices de Beaune (オスピス・ド・ボーヌ/旧慈善施療病院、現博物館)」で行われるワインの競売。オスピス・ド・ボーヌが所有する畑で造られた新酒のオークションで、その年のワインの品質だけでなく、慈善の意味合いも込めて価格が決まるのだそうです。1859年から開催されている歴史あるもので、その収益は病院の修復や老人ホームの設立などの福祉事業にあてられます。
オスピス・ド・ボーヌ
ボジョレー地区
黄金の丘陵からワイン街道をさらに南下するとボジョレー地区が表れます。ブルゴーニュ地方で生産されるワインの3分の1は、この地区で造られています。
当地のワイン造りは古代まで遡るとされていますが、世界に知られるようになったのは第二次大戦後のこと。新酒のボジョレー・ヌーボーを始め、ボジョレーにもさまざまなタイプがあるので色々試してみると面白いかもしれません。
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