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一般に飛行機事故の発生率は低いと言われていますがもちろんゼロではありません。実際に死亡事故は毎年発生しています。
Aviation Safety Networkという航空機の安全性に関する調査団体が、2018年に発生した航空機事故の統計を発表しました。2018年に事故死者が出た航空会社は15社、556人が犠牲になったとのことです。
飛行機は事故率が低いが死者は出ている
2018年の民間機の飛行機事故15件のうち、12が旅客機で3機は貨物機でした。世界中の年間の総フライト数は3780万回だったので、死亡事故に合う確率は約252万フライトに1回と言うことになるそうです。
ちなみに、2018年の日本の交通事故死者数は3904人。2018年8月に確定した日本人の人口は1億2649万6千人ですから、3万2402人に一人ということなりますから、飛行機事故で死亡する確率がかなり低いことがわかります。あくまでも確率論ですが、車で外出するよりも、飛行機に乗っているほうが圧倒的に安全なんですね。
では、死亡者数の多かった3つの事故です。
2018年死亡者数が多かった3大事故
189人|ライオン航空(インドネシア)Boeing 737
10月29日、インドネシアのライオン航空610便はジャカルタのスカルノ・ハッタ空港を離陸した直後、海へ墜落しました。
事故機は同月26日以降に、検査の際にいくつかの異常が見つかっていたそうです。離陸時には主翼の左右のフラップの角度が20度も違っていたと記録されています。この機体は直前にデンパサールからジャカルタに到着しましたが、そのフライトでも機長側の装置に問題が発生して副機長が操縦していたとのことです。
乗員・乗客189人全員が死亡しました。
112人|クバーナ航空(キューバ)Boeing 737
5月18日、ハバナ発キューバ東部のオルギンに向かうクバーナ航空972便には、乗員6名、乗客113名が搭乗していました。
離陸直後、空港そばの畑に墜落、大破し火が出ました。事故直後3名の乗客が生き残りましたが、そのうち2名は数日後に死亡しています。
事故原因は、離陸時の角度が急だったことが原因でした。
71人|サラトフ航空(ロシア) Antonov An-148
2月11日、モスクワのドモデドヴォ空港を14時21分に離陸し自動航行に切り替わりました。その後、機長と副機長の側の両方にある同じメーターが異なる値を示すようになったため、自動航行を解除。その後、14時27分05秒には雪原に墜落しました。
機材のAn-148はウクライナ製の飛行機で、最大搭乗者数は99人の小型機です。乗客乗員71名が全員死亡しました。
死者数が少ない事故
事故の中にも死傷者数が少ない事故があります。主に航空機の定員が少ない場合と、搭乗者数が少ない場合でした。しかし、次の3つの事故は違います。
149人中1人|サウスウエスト航空 Boeing737
4月17日、ニューヨークからダラスに向かう1380便の場合、飛行中に破損したエンジン部品が飛び客室の窓を破ってしまい、その席に座っていた女性が死亡。機体の外に吸い出されそうになったところを、他の乗客が押さえました。148人中1名が死亡しました。
47名中1人|ニューギニア航空 Boeing 737
ミクロネシアのチューク国際空港にの滑走路の手前450mのサンゴ礁に着陸。乗客乗員46名は自力で脱出しましたが、犠牲者1名は3日後にダイバーによって発見されました。
128人中1人|エア ジャマイカ Boeing 757
フライト256は11月9日、2時9分にジョージタウンを離陸、その後油圧システム異常が発生し引き戻りました。2時53分には滑走路に着陸。しかしながら滑走路のフェンスを越えて止まりました。亡くなったのは1名でした。
怖い航空機事故。飛行機に乗る前に見送りに来た人に「飛行機気を付けてね」といわれても、正直自分ではどうすることもできませんよね。神に祈るしかなさそうです。
とはいえ、以前から死亡事故になる確率の低さから、飛行機は安全な移動手段と言われていることも確か。さらに、飛行機事故は年々減少の傾向にあります。
※Aviation Safety Foundationによる統計は、14名以上が搭乗できると認定されている機種を使用した、民間の商用旅客機および貨物機を対象にしたものです。
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[Aviation-safety]
[交通事故総合分析センター]
[総務省統計局]
[日本経済新聞]
[BBCニュース]
[AFPBB News]