奈良の風に吹かれながら。『今井町』で、大人の歴史探検隊!

Posted by: kurisencho

掲載日: May 24th, 2019

映画やCM、ドラマなど時代劇の舞台となる風景はテレビだけの世界だと思いきや、自分もその中へ溶け込むことができる町並みが、奈良県『今井町』にありました。朱色の橋が架かる飛鳥川を渡ってタイムスリップ、探検スタート!

今井町地図

栄えた町並みと、歴史を濃縮した〈華甍~はないらか~〉

今井町通り

奈良県橿原市中部に位置する『今井町』は、かつてから〈大和の金は今井に七分〉と言われるほど栄えた町で、平成5年に「重要伝統的建築物群保存地区」の選定を受けています。東西に600m、南北に310m、17.4haの広さの地区に、伝統建築物は500棟と、その地区内数は日本一。地区を大きく取り囲む環濠跡、屈折した通り、牛馬をつなぐ駒つなぎと、外からの侵入を防ぎ、商業は栄えてきたようです。

今井町ジオラマ

散策の前後に『今井まちなみ交流センター〈華甍〉』で情報収集も。町のジオラマ、広い屋敷の縮小展示は細部まで細かく再現され、本当に人が住んでいるようです。
織田信長、明智光秀、豊臣秀吉など歴史に名を残す人物の書状も展示され、筆跡をじっくり見比べると、その筆圧や文字の表現から、教科書でしか知らない人物像をより身近に感じ、実際生きていた人なんだ、というリアルを改めて実感します。
こちらで予習をした後に、地図を片手に町を散策すると、町の景色もさらに感慨深く見えることでしょう。

生活を見学、体験。染みるのは奈良の言葉も。

今井町屋敷火鉢

材木商、米屋、造り酒屋、肥料商、金物問屋や、町最古の今西家住宅など重要文化財のお屋敷が今も残っています。旧米谷家など中を見学できる屋敷もあり、地元のガイドさんもいらっしゃり、歴史、家の造りとその工夫など丁寧に教えてくださいます。『今井まちや館』では使用人さんの寝泊まりしていた「厨子(つし)2階」への梯子を登ったり、窓を開け閉めしたりという貴重な体験も。町の繁栄の大きさ、生活の知恵の豊富さに深く頷きながら探検は続きます。

今井町一口釜戸

当時の暮らしの音が聞こえてくるような「一口釜戸」。

今井町屋敷

格子からもれる光が美しい。自然光と建築美の融合に見とれながら、ガイドさんの奈良言葉は穏やかに時間を刻んでいきます。

視界は発見のオンパレード!

今井町井戸

憩いの場の公園、可愛いカフェなど休憩できるスポットの隣には、時代を思わせる建築物。

今井町マンホール

屋根瓦、軒下、マンホールなどにレトロ模様の細工が施されていて「かわいい・おしゃれ」な発見も。

今井町の画

所々に町の生活用品や今井町の画が展示され、見るものすべてが博物館!

今井町玄関先の花

玄関先にちょこんと生けられた小花からも、今でも日常生活を過ごされているのがうかがえます。地図に気をとられすぎず、狭い通りでの散策は車にもご注意ください。

守り栄えた町並みは、今も人々と生きている。

今井町飛鳥橋

戦国から始まり、平成が終わり、令和へと元号が変わった現在。長い長い年月をかけて守り受け継がれてきた美しく重厚な財産は、地域に暮らす人々のそばで、今もなお息をし生きていました。奈良の風に吹かれながら、そんな『今井町』の歴史をゆったりと巡るのはいかがでしょう。

[all photos by kurisencho]

〈今井町の町並み〉
参考『橿原市観光協会サイトSarara)』
http://www.kashihara-kanko.or.jp/spot/genre_machinami.html

『今井まちなみ交流センター「華甍」』
住所:〒奈良県橿原市今井町2-3-5
TEL:0744-24-8719
開館時間:9時~17時(最終入館16:30まで)
休館日:年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料
参考『橿原市観光協会サイトSarara)』
http://www.kashihara-kanko.or.jp/spot/008.html

PROFILE

kurisencho

kurisencho ライター

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

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