ロンドンを旅行で訪れると、立ち寄るのは、ビッグベン、ロンドンアイ、タワーブリッジ、大英博物館、バッキンガム宮殿など、ごく中心部の観光スポットが多いでしょう。あとは、映画「ノッティングヒルの恋人」で知られる、高級住宅街のノッティングヒルのマーケットに行くくらいでしょうか。ふつうの人々が暮らすエリアがどんな様子なのかみてみましょう。
クラッパム(Clapham)とは?
クラッパムは、テムズ川の南側、ロンドンの南西部にあります。日本ではあまり聞きなれない地名かと思いますが、ヴィクトリア駅から電車で8分と、割と近いところにあります。
在ロンドンの日本人の住宅が集中しているのは、西ロンドンの中でもテムズ川の北側。南側は、高級エリアもあるのですが、治安が悪いエリア、かつて悪かったエリアが入りまじっているせいか、現在も日本人がそこまで多いとは言えません。
クラッパムはイギリス人やEUを中心とした若者に人気のエリアです。クラッパムを訪れたら、その雰囲気の良さを感じる日本人は多いはず。
また、夏目漱石がロンドンに2年ほど留学していた頃、何度か下宿を移っているのですが、この地には1年4~5か月と一番長く暮らしたということから、ある意味日本人に縁のあるエリアと言えるでしょう。
クラッパムに暮らす人々の声
住人たちに、クラッパムの暮らし心地をきいてみました。
「緑が多い。Clapham Common(クラッパム・コモン)の公園が大きくて好き」
公園では、平日もごろごろしている人がたくさんいます。日焼け待ちの人、犬の散歩の途中で休憩する人、カップルでいちゃいちゃしている人、仲間同士でおしゃべりしている人。
「カフェやパブ、レストランなど小さな飲食店がたくさんある」
世界各国のお店がそろっています。この時期はテラス席が大人気です。
「車の交通量が少ない。高い建物がない」
このあたりも、ナチュラルに暮らしたい人には最適です。
「都心への公共交通機関のアクセスがすごくよい。例えばウォータールー駅(Waterloo)まで10分で行ける。地下鉄も電車もバスも便利」
通勤やおでかけを考えると、中心地に近いことは大きなポイントでしょう。
「治安がよい。人が親切」
飲食店のスタッフが感じよい人が多い印象はあります。
「なんでも揃っていて、困らない」
ブティックは多くなく、ファストファッションのお店は隣町ですが。デパートあり、ディスカウントストアあり、DIYのお店あり、大きなスーパーマーケットがいくつかあり。Whole Foodsもあります。ナイトクラブあり、美容院やマッサージ店なども多く。普段使いには困りません。
中心地まで出なくても、生活が成り立つ。ロンドンの各エリアで完結できる度合いは東京以上な気がします。
[All photos by Shio Narumi ]