フライト中の楽しみのひとつが機内食。機内ではできることが限られるだけに、機内食がおいしいと、空の旅の満足度も高まりますよね。
今回ご紹介するのは、韓国の5つ星エアライン「アシアナ航空」のユニークな機内食。ソウル=イスタンブール線のエコノミークラスに搭乗した筆者が、往復の機内食の中身をレポートします!
韓国の5つ星エアライン・アシアナ航空
韓国を代表する航空会社のひとつが、1988年に設立されたアシアナ航空。ANAと同じスターアライアンスの一員であり、英国スカイトラックス社による格付けで、5つ星エアラインに認定されています。
日本人なら、日本から韓国に行くときはもちろんのこと、ソウル・仁川空港で乗り継ぎ、ヨーロッパや東南アジアなど、世界各国に向かう乗り継ぎ便を利用する機会も少なくないはず。札幌、仙台、名古屋、福岡など、日本の地方空港にも乗り入れているため、地方在住者にとっても頼もしい存在です。
筆者は福岡からトルコのイスタンブールに向かう際に、アシアナ空港の乗り継ぎ便を利用しました。
ソウル発イスタンブール行き昼食
利用したOZ551便は、10:25ソウル・仁川空港発、16:10イスタンブール新空港着。ただし、曜日によって発着時刻は異なります。
仁川空港を離陸して、最初に出てくる食事が昼食。機内食メニューのリーフレットを用意している航空会社もありますが、アシアナ航空のエコノミークラスにはそれがないので、出てきたときのお楽しみです。
この日の昼食メニューは、韓国料理の「プルコギサムパプ」と、チキンのクリームソースでした。どのようなものかよくわかりませんでしたが、せっかくの韓国系エアラインなので、「サムパプ」を選択。
フタを開けてみると、これがとっても面白い料理でした。葉物野菜にご飯やプルコギ、合わせ味噌のサムジャンなどを包んでいただくのです。機内食で、このような形で生野菜が出てくるのはとても珍しいですね。濃いめに味付けされたお肉をほかの具材と合わせると絶妙で、とてもおいしかったです。
しかも嬉しいことに、温かいお味噌汁付き!筆者の経験上、エコノミークラスの機内食で温かい汁物が出てくるのはこれが初めて。韓国人の食へのこだわりを垣間見た気がしました。
ソウル発イスタンブール行き夕食
夕食のメニューは、目玉焼き載せキムチチャーハン。見た目はちょっと地味というかシンプルですが、食べてみると、チーズが絡んでまろやかで美味。付け合わせのマカロニサラダも、「どこかのレストランで出てくるんじゃないか」と思うほど、本格的なバジル風味でした。
デザートのベルベットケーキは、甘さ強めの白い部分を除けば、甘すぎるのが苦手な筆者にもちょうど良い上品な味わい。機内食のケーキは安っぽい印象があるのですが、このケーキはしっとりしていて、機内食っぽさを感じませんでした。
イスタンブール発ソウル行き夕食
トルコ滞在を楽しんだ後、再びアシアナ航空で帰路へ。筆者が利用したOZ552便は、17:40イスタンブール新空港発、翌9:20仁川空港着でした。
最初の食事は夕食で、ハンバークのような西洋風のメニューと韓国料理の選択肢があったので、再び韓国料理をチョイス。今回は自分で混ぜて食べるビビンパでした。野菜やひき肉などの具材が入った丼ぶりに、自分でご飯やごま油、コチュジャンを加え、混ぜて食べるのです。
あまり美しくなくて申し訳ありませんが、食べる前の写真です。
アシアナ航空の韓国料理は、自分で仕上げる要素があるから楽しいですね。コチュジャンをたっぷり入れたビビンパはかなり辛く、韓国の風を感じました。
イスタンブール発ソウル行き朝食
仁川空港到着も近付き、この旅最後の機内食です。朝食には選択肢がないことも珍しくありませんが、チキンを添えたご飯ものと、オムレツから選べるようになっていました。
早朝の機内でご飯ものはきついので、ここではオムレツをチョイス。機内食のオムレツは卵が硬くなりすぎて、パサパサしていることが多いですが、このオムレツは中が少しとろりとしていて、機内食とは思えないクオリティーでした。オムレツに添えられているトマトや玉ねぎもおしゃれですよね。
いやはや、アシアナ空港の機内食は全体的にレベルが高い!
日本にも似た「おもてなし」も魅力
筆者がアシアナ航空を利用したのは、今回が初めて。機内食のみならず、サービス全般に対する感想は、「またぜひ利用したい!」というものでした。
映画の種類が少ないなど、機内エンターテイメントには若干の不満があったものの、機内食がおいしいうえ、日本の「おもてなし」にも似たきめ細やかなサービスが受けられるからです。
乗客の搭乗が完了し、本格的な機内サービス開始のタイミングになると、客室乗務員が所定の位置に並び、アナウンスに合わせてお辞儀とともに「ようこそ」のような挨拶から始まります。機内の通路をカートが通る際も、「失礼します」といった声かけがありますし、まるで日本のようではありませんか。
アメニティポーチには、スリッパと歯磨きセット
ヨーロッパ系の航空会社などを利用すると、体格の良さや顔の彫りの深さもあってか、若干の威圧感を覚えることがあるのですが、アシアナ航空の客室乗務員に対しては、「低姿勢でいつも笑顔を忘れない」という印象を受けました。
乗客が希望する飲み物を切らしている際は、「申し訳ありません。今お水を切らしていて・・・。後でまた周ってきますから」と、笑顔かつ申し訳なさそうな表情で対応。それを見て、「笑顔かつ申し訳なさそうな表情での接客は、どこの国でも見られるものではない」と気付きました。国によっては、「後から周ってくる同僚にもらってください」と淡々と返されますから。
乗客の大半は韓国人でしたが、隣国だけあって感覚が近いのか、妙なアウェイ感を感じることなく、「ホーム」にいるかのような快適な時間が過ごせました。
アシアナ航空
https://flyasiana.com/C/JP/JA/index
[All photos by Haruna]
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