東京から5時間でポルトガル情緒たっぷりのマカオへ!マカオっ子も納得のローカルでカジュアルな店、ちょっとおしゃれでフォーマルなレストランなどで、マカオ統治時代からの歴史に裏付けされた本格的なマカオ料理を堪能してみませんか。厳選2店をレポートします。
歴史的にポルトガルとつながりが深い「マカオ」って?
マカオのランドマークと言ったらこれ!と思い浮かぶ人も多いと思います。聖ポール天主堂跡の一部である聖母教会は、1602年から1640年にかけて建設され、1835年に火事で崩壊しました。そのファサード(正面壁)はいまでも残っています。マカオのシンボルとして街の祭壇のような存在となっているそうです。
ポルトガル人がマカオにたどり着いたのは16世紀初頭。その後すぐに中国、日本、インド、ヨーロッパとの貿易の中継点として港が作られたと言います。1999年に中国に返還されるまでポルトガル領でした。
歴史的にポルトガルとつながりが深いマカオには本格的なポルトガル料理のお店はいくつもありますが、今回は厳選した2店をご紹介します。
ローカルに人気、ビーチハウスのような「Miramar(ミラマー)」
マカオの中でも南に位置するコロアンには、南北に1㎞ほど伸びるビーチ、ハクサ・ビーチ (黑沙海灘)があります。その北端にあるのがミラマー。海岸へと降りる小道を歩いて行くと、青とオレンジ色を基調とした、まるでビーチハウスのような建物が見えてきます。
100名から120名のキャパシティがある広いダイニング・ルーム、風が通り過ぎるテラス席、ビーチはすぐそばです。
太陽が明るく気持ちのいいランチタイムなら、ポルトガルの国民的ビール「Super Bock」で乾杯したくなります。
そしてビールのお供なら、「Codfish Dreams (バカリャウのコロッケ)」(4ピース / HK$88)がおススメ。バカリャウはポルトガル名物の干した鱈。日本のコロッケとは違ってパン粉を使わないんですね。表面はパリッと中はほくっと。海の香りが口に広がります。
「Clams “bulhao pate” style (アサリのワイン炒め)」(HK$178)は、地元の人も自宅で作るほどポピュラーな料理。アジアらしくフレッシュなパクチーが効いています。
「Pork with Clams (豚⾁とアサリの炒め物)」(HK$218)はポルトガルの名物料理。豚肉とアサリを一緒に料理する取り合わせって、他にはないと思います。アサリと豚の旨味が融合して、口いっぱいに何とも言えない旨味が広がります。
「絶対これを食べないと」という看板料理の一つが「Seafood Rice (for 2 person)<シーフードライス 2⼈前>」(HK$428)。周りを海に囲まれたマカオならではの新鮮なシーフードをトマトベースのスープで米と一緒に煮込んだもの。濃厚な出汁がご飯に浸みて絶品でした。
一方、こちらの「Grilled codfish on charcoal(バカリャウの炭⽕焼)」(HK$228)は、フレッシュな鱈ではなく干したバカリャウを戻したものを炭火で焼いたもの。戻したバカリャウはふっくらと厚い身に戻って、オリーブオイルと松の実とよく合います。
ガッツリ肉を食べるならビーフのリブ・ステーキ「Grilled whole COWʼ’s rib with Salad and French Fries」(HK$268)です。牛肉のしっかりした食感と旨味を楽しめます。
この日、広い店内はいくつかの地元のグループ客で盛り上がっていました。どの料理も盛りがよく、みんなで皿から取り分けて食べるスタイルが普通のようでした。
グリルテーブルは外にありました。ここでシーフード、肉料理が焼かれます。
友達や家族とワイワイと楽しんでも良し、テラス席でゆったりしても良し。おいしい料理と青空の解放感がたまらないお店でした。
住所:Zona Nordeste da Praia de Hác Sá, Coloane
電話:+853 2888 2601 or 2623
営業時間:【月〜金曜日】11:30~15:00, 18:00~23:00、【土・日曜日】 11:30~23:00
HP:http://miramar.com.mo/
ディナーならちょっとおしゃれな本格店「シアード(Chiado)」もいい
世界遺産などもあり、古い街並みも残るマカオ半島から橋で渡ったすぐ南にあるのがタイパ、その先が海を埋め立てて造られたコタイです。新しい土地に統合型リゾート施設がいくつも建ち並んでいます。金沙城中心 「Sands Cotai Central (サンズ・コタイセントラル)」もその一つ。Conrad Macao,Cotai Central(コンラッド・マカオ コタイ・セントラル)、Holiday Inn Macao, Cotai Central(ホリデイ イン マカオ,コタイ・セントラル)、Sheraton Grand Macao Hotel(シェラトングランド マカオ ホテル)、The St. Regis Macao, Cotai Central(セントレジス マカオ コタイ・セントラル)の4つのホテルがあります。
サンズ・コタイセントラルの4つのホテル棟が1階から地階でつながっている大きなコンプレックスです。その中にあるレストランの一つが、ポルトガル料理のファイン・ダイニング「シアード(Chiado)」です。ポルトガル風のエントランスが優雅です。
まずびっくりしたのがポルトガル風のテーブルブレッドがおいしかったこと。フムス(ひよこ豆のペースト)をつけていただきます。
「Tuna tataki with vegetable escabeche and tomato tartare(マグロのたたき)」(HK$168)です。マグロをかるく霜降りにしてオリーブオイルで。マグロの下にトマトのタルタルが隠れています。
「Roasted pumpkin soup with coconut cream, prawns and almonds(パンプキンスープ)」(HK$98)は、ローストしたカボチャをベースに、ココナッツクリーム、海老、アーモンドも入っています。ローストされて際立つカボチャの香り、そこに海老のおいしさがまとめ上げられているとはさすがです。
さて、こちらでもバカリャウをいただきました。「Salted cod with “A Bras” with slow cooked egg yolk, onion puree(バカリャウ・ア・ブラスの卵とじ(包み)玉ねぎピューレ添え)」(HK$188)は、シュレッドしたバカリャウに、卵黄と玉ねぎを煮込んだもの(ピュレー)が乗っています。バカリャウの魚の身の食感と、ねっとりとした卵黄のコントラストが楽しい一品です。
「Braised seafood rice with lobstar, red prawns, tiger prawns, mussels and clams, perfumed with fresh coriander (シーフードライス)」(小:HK$298、大:HK$488)はやはりこの店でも外せない料理のようです。
ロブスター、赤海老にタイガー海老、ムール貝、アサリも入った濃厚なスープは絶品で、やはり米との相性は抜群。パクチーが爽やかでアクセントになっています。
そして肉ならラムがおすすめ。「Lamb tenderloin, asparagus and corn bread “migas”, garlic cream, roasted tomato and clam sauce(ラムのロースト)」(HK$268)はピンク色に焼きあがったラムのヒレ肉のステーキ。アスパラガスの入ったコーンブレッドに、周りにはガーリッククリーム、アサリのソースが。ローストしたトマトが爽やかです。
伝統的なポルトガル料理ではないかもしれませんが、「Chocolate bombe with salted caramel and hazelnut ice cream(塩キャラメルとヘーゼルナッツアイスクリームのチョコレートボンベ)」(HK$68)です。Bombe(ボンベ)というだけあって、割ってみればいくつかのチョコレート層が中から現れました。甘くて濃厚なチョコレートに、アイスクリームもぴったり。
大型の統合型リゾート施設の中にも、目が離せないグルメがあっちこっちにあるマカオ。宿泊先のコンプレックス内に何があるのか、まずはチェックするのもいいかもしれません。
住所:Shop 2206, Level 2, Sands Cotai Central
電話:+853 8113 8988
営業時間:ランチ:12:00〜15:00 ディナー:18:00〜23:00
HP: https://www.sandscotaicentral.com/restaurants/western/chiado.html
長い歴史に裏付けされた本物のポルトガル料理を楽しめるマカオ。ポルトガル料理店は数が多く、それぞれに特徴があるおいしいお店がたくさんあります。マカオに行ったらぜひ堪能してみてくださいね。今回紹介した2店に限らず、自分に合ったポルトガル料理の店がきっと見つかりますよ。
協力:マカオ政府観光局 http://www.macaotourism.gov.mo
[All photos by Atsushi Ishiguro]