伊豆大島でエネルギーチャージした思い出
友人と伊豆大島を訪れたときのこと。せっかく行ったのに眠くて、眠くて、昼間寝てばかりでした。そんなことはお互い初めてで、あっという間に夕方を迎えることに戸惑っていました。
ある夕方、散歩中に仙人のようなおじさんに会います。「なぜか寝てばっかりで、全然観光できていないんです」と言ったら、「それは、エネルギーチャージしているからだよ」という答えが。「伊豆大島にはじめて来た人にはよくあること。ゆっくり充電していくのがいいよ」と言われ、罪悪感を持つのは止めました。
この友人とは2回伊豆大島を訪れましたが、1回目か2回目か、訪問から間もなくして、未来の配偶者と出会っています。伊豆大島が関係あるか分かりませんが、一応記しておきましょう。
島全体がエネルギッシュかと思いますが、インパクトある観光スポットをチョイスしました。
裏砂漠
まるで地球の外にでも出てしまったかのような、黒い砂に覆われたエリア。活火山である三原山の裏側にあり、三原山の噴火で噴出した火山灰で出来ています。地名に「砂漠」が付くのは、国内でここだけらしいですが。「裏」が付くと、よりインパクトがあります。
裏砂漠の景色は無機質ですが、その向こうに海が見渡せるスポットがあり、得も言われぬ魅力があります。
三原山神社
昭和61年(1986)に全島民が避難した、大規模な三原山噴火がありました。そのときなぜか、溶岩流が、三原山神社の神殿の手前で二手に分かれ、神殿が流されることがありませんでした。溶岩流が神殿を避けるほどの聖域です。冷え固まった溶岩は、神殿の建物と2~30cmしか離れていないのだそう。
それ以前の噴火でも神社は無事でした。島民が、火山を「御神火」として古代から信仰してきたことに応えるかのような奇跡です。鳥居の奥に晴れの日は富士山が見えるのも素敵ですよね。
「バームクーヘン」な地層
伊豆大島には島を一周する「島一周道路」があります。この道路に沿った島の南西部に、
高さ30m、長さ800mにわたる「地層大切断面」があります。伊豆大島では約100~150年毎に大噴火が起きていて、噴出したスコリア・火山灰がメインの降下堆積物が、順番に重なって縞模様を形成しています。地元では「バームクーヘン」というニックネームがあるとか。きれいですよね。
また、「伊豆の踊子」の波浮港のあたりは、日本の古き良き時代の雰囲気を今でも湛えている、時がとまったようなエリアでした。そちらもオススメです。
(参考)
大島観光協会
東海汽船
伊豆大島ジオパーク・データミュージアム
[All Photos by Shutterstock.com]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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