【日本の冬絶景】水墨画の世界へ漕ぎ出す雪見舟 山形県の冬景色

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Jan 20th, 2020

日本の四季の中で、凛とした冬に惹かれます。着飾ることなく、媚びることなく、色彩を削ぎ落とす潔さ。あるがままの姿で佇む冬に、神様は白いコートをふわりとかけてくれます。空から舞い降りてくる白いもの。汚れも痛みも受け入れ、大地を、山を、海を、川を、白く包み込みます。私たちが待っていたのは、「雪」でした。TABIZINEでは「日本の冬絶景」を連載でお届けします。今回は、山形県の冬絶景。山形県では例年12月〜3月頃に雪景色が見られます。

冬の羽黒山 五重塔
冬の羽黒山 五重塔 写真提供:山形県 

世界的にも珍しい雪の芸術 蔵王の樹氷<山形市蔵王温泉>

蔵王樹氷
写真提供:(公社)山形県観光物産協会  

山形は全国でも有数の豪雪県。冬は積雪が多く、県内全域が「豪雪地帯」、そのうち特に積雪の多い26市町村は「特別豪雪地帯」に指定。それゆえに、美しい冬絶景の宝庫とも言えます。

蔵王の樹氷は、12月下旬からできはじめ、1月下旬から3月上旬が見頃。「スノーモンスター」とも呼ばれ、世界的にもとても珍しく貴重な雪の芸術で、世界中から樹氷を見に旅行客が訪れるそうです。珍しい樹氷はどういった気象条件で出来るのでしょうか。

樹氷ができるための3つの条件

1.常に一定方向からの強風により多量の過冷却水滴と雪が運ばれること
2.雪がつきにくい落葉広葉樹ではなく、常緑針葉樹が自生していること
3.木々が埋没しない程度に積雪が適量であること

【引用】樹氷 — 山形県ホームページ

樹氷は、ロープウェイを利用すれば、誰でもすぐ近くまで見に行けますが、気温はマイナス8~マイナス15℃の極寒の雪山ゆえ、耳まで隠れるニット帽、保温性が高く乾きやすいズボン、防水性の高い手袋、ハイカットの靴など防寒対策を万全にしてお出かけくださいね。

蔵王の樹氷

【住所】〒990-2301 山形県山形市蔵王温泉
【入場料】ロープウェイ運賃など。詳細は下記サイトにてご確認ください。
http://zaoropeway.co.jp/ropeway/index.html
【公式サイト】蔵王の樹氷 – 山形市観光協会
http://www.kankou.yamagata.yamagata.jp/zao/jyuhyo/

山上にある信仰心 山寺(宝珠山 立石寺)<山形市山寺>

雪の山寺 納経堂
写真提供:山形県 

山寺は、正しくは宝珠山立石寺で、貞観2(860)年に清和天皇の勅願により慈覚大師が建立。「閑(しずか)さや、岩にしみ入る蝉の声」は、夏に山寺(宝珠山立石寺)を訪れた松尾芭蕉の句で、実際に句碑があります。岩肌の絶壁に立つ納経堂(写経を納めるお堂)は、山内で最も古い建物で県指定文化財。雪を冠した姿は厳かに美しく、信仰の対象が空に近い山にあることを改めて理解できる気がしますね。

山寺(宝珠山 立石寺)

【住所】〒999-3301 山形県山形市大字山寺4456-1 
【入山料】大人300円
【公式サイト】宝珠山 立石寺 https://www.rissyakuji.jp
山寺観光協会 https://www.yamaderakankou.com

水墨画の世界へ漕ぎ出す 最上川 雪見舟<山形県最上郡>

最上川雪見舟

最上川雪見舟1
写真提供:山形県 

「五月雨(さみだれ)を集めて早し最上川」と松尾芭蕉が俳句に詠んだ、山形県の母なる川「最上川」。舟頭の舟唄を道連れに、水墨画の世界へ漕ぎ出していきます。約12kmを1時間かけて下る舟旅は、冬季はこたつ舟など暖房が完備されているので、寒い思いをせずに雪景色が堪能できますよ。

最上川 雪見舟

【住所】〒999-6401 山形県最上郡戸沢村大字古口
【入場料】各公式サイトにてご確認ください。
【公式サイト】
最上川舟下り 義経ロマン観光 http://mogamigawa.jp/yukimibune
最上峡芭蕉ライン観光株式会社 http://www.blf.co.jp

寒いから創り出される日本の冬絶景。今の時期にしか見られないものですから、温かい格好で防寒して、ぜひ訪れたいものです。

注意:記事掲載の情報は、2019年12月現在のものになりますので、詳細につきましては、公式サイトで確認または開催団体へ直接お問い合わせください。

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

SHARE

  • Facebook