自宅の楽しみが増えるハンモック!賃貸マンションのベランダでも使える?【インタビュー】

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 25th, 2020

東京を中心に大都市で、再び新型コロナウイルス感染症の拡大が騒がれてきました。外出が容易ではないのであれば、自宅のベランダでハンモック生活を始めてみてはいかがでしょうか。そこで今回は賃貸住宅でも楽しめるハンモックの選び方を、「HAMMOCK JAPAN(ハンモックジャパン)」を展開するAmpus(アンプス)の企画プロデュース室に所属する椎真穂さんに教えてもらいました。

ハンモックってどんな種類があるの?

一概にハンモックと言っても、いろいろな種類があります。辞書には、

<寝網。吊床(つりどこ)>(岩波書店『広辞苑』より引用)

と書かれています。寝るためのネット、つり下げられたベッドといった意味で書かれていますが、別にロープでつり下げられた寝具だけがハンモックではありません。ハンモックは大まかに言って、

  • (1)寝るハンモック
  • (2)座るハンモック(チェア)

があり、さらにそれらは、

  • (a)つり下げるタイプ
  • (b)自立スタンドのタイプ

に分かれます。それぞれを組み合わせた数だけ、ハンモックには種類があるのですね。

都会の賃貸住宅で楽しめるハンモックはどれだ?

ハンモックの中にはもちろん、今の住宅環境、例えば都会の賃貸住宅で利用できるハンモックもあります。

「自立スタンドのハンモックは工事が不要で、好きな場所でご使用できるため、非常にお勧めです。わが家は賃貸ではありませんが、マンション的に天井への補強工事がNGなので、部屋にはチェア用スタンド、ベランダにはハンモック用スタンドが置かれています。場所をとりますが、移動もできるため便利です」


自立スタンド型

椎さんの話にもある通り、(a)つり下げるタイプのハンモックは、柱や壁、天井に金具を設置する工事を行わなくてはいけません。その点、(b)自立スタンドであれば好きな場所に置くだけですから、都会の賃貸住宅でもスペース次第で自由に設置が可能なのですね。

寝るハンモックと座るハンモック、どちらがいいの?


座るタイプのハンモック(チェア)

都会の賃貸住宅でも、(b)自立スタンドのハンモックが使えるとわかりました。次は(1)寝るハンモックと(2)座るハンモック(チェア)のどちらを置くかがポイントになります。当然、両者で設置に必要な広さは変わってきます。

「ベランダの広さにもよりますが、サイズ的には奥行きが1m以上、横幅が4m程度ありますと、寝るハンモックスタンドの設置が可能です」

具体的に言えば、(1)寝るタイプであれば横幅が2.7m~3.1m、高さが0.9m~1.1m、奥行きが0.9mが製品の一般的な大きさになります。乗り降りなどの移動を考えると、それを上回るスペースが必要になってくるのですね。

シングルハンモック用 スチール製スタンド

一方で(2)座るタイプ(チェア)については、

「一部の製品のように、寝られるほど大きなチェアもありますが、一般的な座るハンモック(チェア)となりますと、横幅は狭くて済みます。ただ、その分だけ高さが必要になります」

との話。具体的には横幅が1.1m、高さが2m~2.4m、奥行きが1.3m程度が製品の一般的な大きさです。

ベーシック・コンフォートサイズハンモックチェア用 スチール製スタンド

なかなか都会のベランダで利用するとなると、寝るタイプのハンモックを設置するだけの広さは確保しにくいと思います。その点、座るハンモック(チェア)であれば、ベランダの広さが十分でなくても、高ささえあれば、設置が可能です。まずはメジャーを取り出して、ベランダのサイズをチェックしたいですね。

素材はコットンと化学繊維のどちらを選ぶ?

素材についてはどうなのでしょうか。ハンモックの布地は、主にコットン(オーガニックコットン)の自然素材と化学繊維に分けられるとの話。

「販売価格については、コットン、化学繊維など素材による差はありません。ただし、コットンの中でもフリンジ(糸や毛糸を束ねた布の端の房)がついていたり、編み方が特殊だったりすると高額になります」

と椎さんは言います。コットンでも化学繊維でも値段は変わらないのですから、用途に適した布地を選びたいものです。

「ハンモックは布地などのサイズが大きいと、いろいろな体勢がとれるために、気持ち良く寝ていただけます。その意味で、自然素材でも化学繊維でも寝心地は変わりがありません。ただ、肌触りだけで言うと自然素材のほうが柔らかいため優れています。一方で耐久性や湿気に対する強さで言えば、化学繊維が優れています」

以上を踏まえると、あくまでもベランダだけで使って、ベランダに放置するケースでは、化学繊維の布地のハンモックが正解と言えるかもしれませんね。

ベランダ用に買っても結局室内で使う人も少なくない

ただ、長期的な利用を考えると、化学繊維であってもベランダへの放置は、お勧めできないと言います。

「ハンモック自体は、簡単に取り外しが可能です。長期間使用しない場合は、素材にかかわらず部屋で保管いただくほうが、より長くご使用いただけます。私もベランダのハンモックについては、梅雨や真冬などの期間になると室内に保管し、使用する時だけスタンドに設置しております」

また、ベランダでのハンモック利用は、将来的に室内利用を兼ねる場合が少なくないのだとか。

「これからの時期、外では蚊など虫の問題も出てきます。クーラーの中でお昼寝がしたいといったニーズも出てくるかと思います。ベランダ用にご購入をされても、天候や季節、時間帯に左右されずに使用したいとの思いから、部屋に移動される方も少なくありません」

室内でも使うと思えば、あえて化学繊維にこだわる必要もありません。最初から寝心地を優先してコットン素材を選び、使用する時のみ設置したほうが、長く快適にハンモックを楽しめるはずです。

そう考えると、自立スタンドのハンモック(チェア)を購入し、布地はコットン(オーガニックコットン)を選ぶという判断が、賃貸住宅の環境下では賢明かもしれませんね。ウィズコロナを生き抜くための生活家具として、ぜひ検討してみてください。

今回はあくまでもHAMMOCK JAPANが扱うドイツのハンモックブランド「LA SIESTA」を念頭に話を聞きました。ほかのブランドのハンモックの場合、情報が異なる場合もあります。

[取材協力]
Ampus(アンプス)・・・ドイツのハンモックブランド「LA SIESTA」(ラ シエスタ)の日本での正規輸入代理店HAMMOCK JAPANの運営会社。ハンモックの販売・卸を行う。ハンモックを日常に、家具としてのハンモックを提案する。LA SIESTAとは、30年ほど前に「ハンモックの快適さ」と「ラテン・アメリカのライフスタイル」をドイツで紹介するために始まったブランド。

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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