文人墨客にも愛された緑の絶景
(C)竹田市観光ツーリズム協会
大分県南西部、熊本県の県境近くに広がる久住高原。“九州の屋根”とも言われるくじゅう連山と、緑の草原が果てしなく続く情景は圧巻の一言です。大自然のパノラマは多くの文人墨客にも愛され、数々の作品にその感動が残されているほど。空気は驚くほど澄んでいて、深呼吸するとカラダ中に清々しい心地よさがめぐります。
(C)竹田市観光ツーリズム協会
久住高原がこのように美しく保たれているのは、数百年にわたって「野焼き」と「放牧」が行われてきたからに他なりません。自然と共存してきた先人の知恵と努力の結晶とも言えるでしょう。草原の随所で牛たちがのんびり過ごす姿を見ることができます。
豊かな自然美と溶け合うぶどう畑
(C)ツーリズムおおいた
そんな風光明媚な久住高原で2006年からワインを生産しているのが「久住ワイナリー」。くじゅう連山のふもとに6ヘクタールものぶどう畑が広がります。雄大な山々を背景に、畑がどこまでも続く景色は爽快感たっぷり。久住ワイナリーではこの畑で収穫したぶどうのみをワインに使用していますが、日本のワイナリーではとても珍しいことなのだそう。
栽培するぶどうはピノノワールやシャルドネなどの欧州系品種がメイン。昼夜の寒暖差が大きいことから、味わいや香りが重厚になるのだとか。
「久住は火山灰が堆積した土壌。水はけが良くワイン造りに適しているものの、雨量が多いためシートを張るなどの工夫も必要となってくる。収穫期は台風が襲来しやすく、収穫直前に雨が降るとぶどうが傷んでしまうので、収穫のタイミングの見極めもかなり大事。毎年、試行錯誤の繰り返しですね」と支配人の土持さんは話します。
(C)久住ワイナリー
久住の風と大地の恵みを受けて造られるワインは現在15銘柄とバリエーションも豊富。2014年の国産ワインコンクール欧州系品種赤部門では「ピノノワール」が銅賞を受賞。フランボワーズのような果実味が華やかで、ミネラル感のある酸味が印象的。お肉料理はもちろん、キノコ料理とも相性が良いのだそう。
飲み比べて珠玉の一本に出合いましょう
併設する直営ショップではオリジナルワインやワイングッズなどを販売。テイスティングも可能なので、好みの味わいを見つけたいところ。
鮮やかなルビー色の「巨峰」は、生食用の巨峰ぶどうを醸した希少なロゼ。花のようにエレガントな香りとフレッシュな甘みが特徴。カクテル感覚で楽しめるフルーティーな味わいです。
ドライバーにピッタリなノンアルコールドリンクも用意。「ワイン屋さんの葡萄ジュース」はぶどうの旨味と風味が凝縮。炭酸や牛乳とも相性が良いのだそう。
ワインはグラス(500円〜)でも提供しており、ダイニングスペースでゆったり味わうことも可能です。美しいぶどう畑を眺めながらの一杯は贅沢感もひとしお。ロゼワイン(or葡萄ジュース)をかけた名物ワインソフトクリームなど、ここでしか出合えないスイーツも楽しみたいところ。
久住ワイナリーは竹田市中心部から車で約30分。由布院温泉からも約1時間とアクセスの良いロケーションです。温泉を満喫した後は少し足を延ばして、穏やかなぶどう畑に癒やされてみてはいかがでしょうか。
住所:大分県竹田市久住町大字久住字平木3990-1
電話番号:0974-76-1002
営業時間:10:00~18:00(冬季は10:00~17:00)
定休日:不定休
HP:https://www.kuju-winery.co.jp
[Photos by Nao]