利用者満足度ランキング【2】みんなが満足した国内長距離旅行の移動手段は?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 25th, 2021

サービス産業生産性協議会が総計12万人の利用者の回答を集計した2020年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」を参考に、旅行に関係した各分野の利用者満足度ランキングを紹介するTABIZINEの連載。2回目の今回は国内旅行に不可欠の「国内長距離交通」に関する満足度ランキングを紹介します。

航空機内

新幹線と飛行機、どっち派?

新幹線

皆さんは、国内旅行をどういった形で移動して、楽しんでいますか?飛行機と新幹線の選び方は、移動時間が3時間未満では新幹線が優位で、3時間台で利用者に迷いが生じ、4時間以上で飛行機が有利になるといわれています。

一方で、経済的に安く済ませたいという動機が一番に来る旅行の場合は、高速バスなどが選ばれるはずです。移動する場所によっては船の大部屋という手もあります。自家用車に乗り合わせて移動したり、電車でも普通列車を乗り継いだりする旅の形もあります。

極論を言えば、ヒッチハイク、自転車、徒歩などもありますが、日本生産性本部 サービス産業生産性協議会「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」では、国内長距離移動の交通手段として、国内航空会社8社、新幹線7社のサービスに絞って、顧客満足度調査を行っています。

満足度調査の回答者は、

  • 最近1年間で2 回以上、長距離交通手段としてサービスを利用した
  • 利用料金を自分で見聞きした

人となっています。

対象企業(交通手段)は、国内航空がAIR DO(エア・ドゥ)、全日本空輸(ANA)、ジェットスター・ジャパン、日本航空(JAL)、スカイマーク、スターフライヤー、ソラシドエア、Peach Aviation(ピーチ)です。

新幹線が九州新幹線、山陽新幹線、上越新幹線、東海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線、北海道新幹線となっています。この中で、過去1年間の利用者に最も満足度が高かった企業(交通手段)はどこなのでしょうか?

5年前の調査で満足度が高かった航空会社はスターフライヤー

スターフライヤー
(C)viper-zero / Shutterstock.com

最新の調査結果を見る前に、ちょっと振り返りから。

今から5年前の2016年、TABIZINEの過去記事「日本最大級ランキング【1】みんなが満足した人気の航空会社はどこ?」では、当時最新版だった2015年度「JCSI」を基にして、国内線の人気ランキングを紹介しています。

【2015年度「JCSI」における顧客満足度の高い国内線】
1位・・・スターフライヤー(77.1)
2位・・・全日本空輸(ANA)(74.2)
3位・・・スカイマーク(73.3)
4位・・・ソラシドエア(72.4)
(カッコ内は顧客満足度)

1位のスターフライヤーは、黒い機体が印象的な航空会社ですね。国内で言うと羽田(東京)⇔ 北九州、羽田(東京)⇔ 福岡、羽田(東京)⇔ 関西(大阪)、中部(名古屋)⇔ 福岡、羽田(東京)⇔ 山口宇部、北九州 ⇔ 那覇(沖縄)を結んでいます。

このスターフライヤーを含め、2位の全日本空輸(ANA)、3位のスカイマーク、4位のソラシドエア(緑色の尾翼が印象的)はいずれも、2020年度「JCSI」でも調査対象としてノミネートされています。順位に変動はあったのでしょうか。

鉄道会社については、TABIZINEの過去記事で触れていません。しかし、今回は航空会社と鉄道会社を一緒にして、国内旅行の移動手段としてランキング化しています。最新の満足度調査では、どこが1位を獲得したのでしょうか。

第1位はスカイマーク

スカイマーク
(C)KITTIKUN YOKSAP / Shutterstock.com

2020年度「JCSI」における国内長距離交通の手段として評価された企業(交通手段)は、以下の通りでした。

【顧客満足度の高い国内長距離交通手段ランキング】
1位・・・スカイマーク(81.1)
2位・・・スターフライヤー(80.8)
3位・・・全日本空輸(ANA)/九州新幹線(78.0)
5位・・・北陸新幹線(76.9)
(カッコ内は顧客満足度)

5年前には国内線部門の満足度調査で3位だったスカイマークが1位に躍り出て、スターフライヤーと全日本空輸(ANA)を抜き去っている様子がわかります。同調査における初の快挙で、過去5年の歩みを振り返ると、同社は着実に順位を上げてきた歴史が見て取れます。

鉄道会社で言えば、JR九州の九州新幹線が3位に入っています。九州新幹線と言えば、博多から鹿児島中央を最速1時間16分で結ぶ新幹線ですね。

例えば福岡→鹿児島を、飛行機(日本航空)の場合は、50分で移動します。時間的には飛行機のほうが早いですが、鹿児島市の中心部から遠く離れた空港として有名な鹿児島空港なので、霧島市に用事がある(鹿児島空港に近い)、あるいは根っからの飛行機好きでない限り、この満足度調査の結果を見ても、九州新幹線が九州域内における長距離の移動手段として真っ先に選ばれそうです。

第5位の北陸新幹線は、新型コロナウイルス感染症の影響が出始める前まで、金沢を中心に観光が絶好調だった北陸と関東を結ぶ新幹線です。今後は福井県敦賀市までの延伸、さらに同県西部の小浜市から南下して京都に入り、東海道新幹線の南側を回って新大阪駅へと入るルートの延伸も控えています。

少なくとも敦賀までの延伸は数年後で、また大きなニュースになりそうです。北陸新幹線が最脚光を浴びるわけですから、5年後の満足度調査では、さらなる健闘が期待されますね。

九州新幹線
(C)Peerapong W.Aussawa / Shutterstock.com

以上、国内旅行の移動手段として満足度の高いサービスランキングを紹介しました。新型コロナウイルス感染症の影響が収まり、国内旅行を思い切って楽しめる世界が戻ってきたら、移動手段として以上のような企業(交通手段)を積極的に選び、その満足度の正体を自分で確かめてみてくださいね。

ちなみに第1位に輝いたスカイマークは、羽田空港(東京)、新千歳空港(札幌)、茨城空港、中部国際空港セントレア、神戸空港、福岡空港、長崎空港、鹿児島空港、那覇空港などに就航している航空会社です。幸運にも自宅近くの空港から乗れる場合は、ぜひとも評価の理由を体験してみてください。

[参考]
JCSI日本版顧客満足度指数 第2回調査 詳細資料
~2020 年度JCSI(日本版顧客満足度指数) 第2回調査結果発表~ – 公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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