奈良井宿と200年の歴史の「杉の森酒造」
奈良井宿の街並み
江戸と京都を結んだ中山道のちょうど真ん中に位置する「奈良井宿」に、酒蔵があります。標高1,197mもあることから中山道最大の難所と言われた鳥居峠に隣接し、その最寄りの宿場町として旅人に癒しを提供する場として栄え、江戸時代から日本最長の宿場町として発展。その街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
改修前の杉の森酒造外観
かつて“木曽五大名酒”と呼ばれ、街のシンボルでもあった杉の森酒造の日本酒は、約2012年に200年の醸造の歴史に幕を閉じ、休眠に入っていました。その歴史ある蔵元が小規模複合施設にテナントとして出店。「suginomori brewery」として、酒蔵を再生し、日本酒製造を再スタートしました。
改修前の杉の森酒造の内観
新日本酒「narai」をつくる天然水と米
安曇野の田園風景
日本一標高の高い立地ならではの、自然の恵みである天然水と、地産の米から生まれる「narai」。日本酒で重要な要素のひとつである「水」は、標高約1,000mの山から引かれる天然の山水を使用。「米」は、同じく標高の高い環境で育った長野県安曇野産を採用しています。
奈良井の山水
酒造りの監修には、京都の伏見で200年以上の歴史を持つ「松本酒造」で杜氏として手腕を発揮してきた松本日出彦氏を招聘。「奈良井の人々が継承してきた素晴らしい自然の恵みを「narai」という日本酒で表現し、全国に、世界に伝えていければ」と松本氏。海外展開も視野に、新たな日本酒ブランド「narai」づくりに挑みます。
見せる酒蔵と「TASTING BAR suginomori」
「suginomori brewery」は酒造りだけではなく、「見せる酒蔵」として、宿泊施設、レストラン、テイスティングバー、温浴施設で構成された、「歳吉屋(トシヨシヤ)」と「上原屋(ウエハラヤ)」の二棟から成る小規模複合施設に加わります。
酒蔵とガラス越しに隣接する、奈良井ならではの食材・文化・歴史風土をモダンに昇華したレストラン「嵓 kura」では、酒蔵の日本酒とのペアリングも実施する予定。レストランの隣の「TASTING BAR suginomori (テイスティングバー・スギノモリ)」では、ここだけでしか味わえない醸造されたばかりの「narai」を楽しめます。