売上高で見れば日本が世界一
海外旅行に出かけると、空港などで珍しい自動販売機を見かけます。しかし、街中を歩いている時には、なかなか目に留まらない気もしますが、いかがでしょうか?
日本の街を歩けば、都市部も田舎も関係なく、自動販売機を見かけます。中には食べ物やアイスクリームの「自販機」もありますよね。
この自動販売機、日本自動販売システム機械工業会の資料によれば近年数を大幅に減らしているみたいですが、世界で2番目に多い約400万台が国内には存在するそう。
海外のウェブサイト『BRANDONGAILLE』によれば、464万台近くが稼働するアメリカが、台数こそ世界一だといいます。しかし、売上高で比べれば、日本は年間約5兆円(うち飲料は約2兆円)で、アメリカを1兆円ほど上回っており、日本が世界一になると全国清涼飲料連合会の情報にもあります。
さらに、3億3,000万人ほどいるアメリカ人と1億2,000万人ほどの日本人、人口一人当たりの自動販売機の数では日本が勝っています。日本の外務省によれば、アメリカの国土は日本の約25倍です。
国土の狭い日本にアメリカと同程度の自動販売機が存在するのですから、街の至るところに設置されている印象を日本では受けるのですね。
ホット&コールドの自動販売機は日本で誕生
ところで、この自動販売機、そもそもいつごろから地球上に存在するのでしょうか?その歴史は意外に古く、全国清涼飲料連合会によれば、紀元前1世紀のエジプトにまでさかのぼれるのだとか。コインを入れると、その重みで聖水が出てくる機械が自動販売機の源流といわれています。
産業革命後のイギリスでは、飲料・菓子・食品・チケット・たばこなどの自動販売機が実用化され、戦後にアメリカの飲料が日本に流入・普及するとともに、治安の良さも手伝って、いよいよ日本で「自販機」の数が増えていったそう。1960年代に100円玉が大量に流通すると、国内の自動販売機はさらに増え、1974年には温かい飲料と冷たい飲料が同時に販売できる「ホット&コールド機」が日本で誕生します。
上述のウェブサイト『BRANDONGAILLE』にも自動販売機の世界史が詳しく書かれています。
1700年代・・・コイン式のたばこの自動販売機がイギリスで誕生
1880年・・・ポストカードを売る自動販売機がロンドンで誕生
1905年・・・アメリカで切手の自動販売機販売が始まる
1937年・・・瓶入りのコカ・コーラが自動販売機で売られ始める
1961年・・・缶入りのソフトドリンクが自動販売機で売られ始める
1972年・・・お菓子を売るガラス張りの自動販売機が誕生する
1987年・・・アイスクリームの自動販売機が発明される
これらの世界史の中で日本独自の歴史が展開し、今では売上高が世界で一番になるくらい自動販売機が普及したのですね。
以上が世界一を誇る日本の自動販売機の世界になります。とはいえ、最近ではコンビニエンスストアなどの台頭で、かなり苦戦しているようです。その台数は過去10年で100万台以上も減少しています。
東日本大震災の直後は、夏の電力ピーク時に発生する電力消費が問題視された時期もありました。なかなか苦境に立たされているみたいですが、それでも世界一の売り上げを誇る日本の自動販売機業界。
まだまだ存在意義はあるはずです。この夏は、自動販売機で水分補給のために積極的にドリンクを購入し、世界一の売り上げを誇る日本の「自販機」の豊かさを実感してみてはいかがですか?
[参考]
※ 普及台数 – 日本自動販売システム機械工業会 ※ 25 Intriguing Vending Machine Sales Statistics – BRANDONGAILLE ※ 自販機の歴史 – 全国清涼飲料連合会 ※ Vending Machine Operators in the US – IBISWorld ※ アメリカ合衆国(United States of America)基礎データ – 外務省
[All photos by Shutterstock.com]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
【日本三大焼きそば】静岡「富士宮やきそば」・秋田「横手やきそば」もうひと
May 12th, 2024 | あやみ
中華麺を肉や野菜などと一緒に炒めて作るや「焼きそば」は、日本人のソウルフードのひとつです。その起源は中国の「炒麺(チャオメン)」といわれています。今回は、そんな焼きそばの中でも、日本三大焼きそばに挙げられる静岡県富士宮市の「富士宮やきそば」、秋田県横手市の「横手やきそば」、群馬県太田市の「上州太田焼そば」の歴史や特徴をご紹介します。
【福井限定】購入枚数はお一人様1枚まで!恐竜柄ICOCAが可愛すぎる
May 11th, 2024 | はなすけ
2024年3月16日に、北陸新幹線県内延伸に伴いJR北陸線を引き継ぐ『ハピラインふくい』が開業となりました。これを記念して発売されたオリジナルデザインの恐竜柄ICOCA(イコカ)が大人気! 販売から1カ月が経過した今、購入できる場所や値段などをわかりやすくお伝えします。
【5月9日はアイスクリームの日】明治2年に誕生した日本初の「あいすくりん
May 9th, 2024 | しげたまこと
5月9日はアイスクリームの日です。1964年5月9日に、日本アイスクリーム協会の前身となる東京アイスクリーム協会が記念事業を開催したことから制定されました。そもそも日本人とアイスクリームの出会いは、日米修好通商条約が締結された江戸時代末期までさかのぼります。さらに日本で広まったのは、1869年に横浜の馬車道通りで発売されたのがきっかけとのこと。国民的スイーツとなったアイスクリームの歴史をひもといてみました。
【日本三大パワースポット】分杭峠・富士山・あと1つはどこ?なぜパワーがあ
May 5th, 2024 | あやみ
日本全国にはパワースポットと呼ばれる場所が点在しています。なかでも日本三大パワースポットに挙げられるのが、長野県の「分杭峠」、静岡県・山梨県の「富士山」、石川県の「珠洲岬」です。誰が決めたのか定かではありませんが、いずれもユニークだったり、風光明媚だったりするため、一度は訪れたいスポットといえます。今回は、それぞれの特徴や歴史、見どころをご紹介します。
【月の不思議】いまだに解明されていない謎5選!最新の月面探査計画・月旅行
May 1st, 2024 | あやみ
月とはご存知の通り地球に一番近いところにある天体です。しかし、いまだに多くの謎があります。日本には「月うさぎ伝説」や『竹取物語』のかぐや姫といった、いくつもの伝説や物語が残っているため、月はどこか神秘的な存在ですよね。今回は、そんな月の不思議にフォーカス。最新の月面探査計画・月旅行についても、あわせてご紹介します。
【BTSのトラベルグッズ】「BT21 minini(ビーティーイシビル
Apr 28th, 2024 | RUKA
海外旅行に必須なパスポート。あなたはパスポートをケースに入れていますか? そのパスポートを保護してくれるパスポートケースは、チケットやお札、カードなども一つにまとめられる便利なアイテムです。機能性が高いものや、デザインを重視したものなど様々で、選ぶのに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、世界的スターBTSとLINE FRIENDSのコラボレーションにより誕生した、キャラクター「BT21 minini(ビーティーイシビル ミニニ)」のパスポートケースをご紹介します。
【日本三大遊郭】江戸「吉原」・京都「島原」・もう1カ所は?歴史や現在の様
Apr 28th, 2024 | あやみ
「遊郭」とは、平安時代から鎌倉時代にかけて発達した遊女屋を、江戸時代に幕府が都市政策の一環として集め、公認した特定地域のことです。そのため、江戸時代には芝居と並ぶ娯楽になりました。今回は、日本三大遊郭に数えられる「江戸吉原」「京都島原」「大坂新町」の歴史や特徴、現在の様子についてご紹介します。
【旅の裏技】スーツケースを持たずに帰れる!JAL・ANA国内線の荷物配送
Apr 27th, 2024 | TABIZINE編集部
空港から自宅までの帰り道、スーツケースを持って帰るのが面倒だなと思いませんか? 旅の帰りはお土産などを買って、荷物も重くなりがち。JALとANAの国内線利用の場合、空港で荷物を預けるときに料金を払い手続きをすれば、そのまま自宅まで送ってくれるサービスがあるんです。もちろんホテルなど宿泊施設まで送ってもらうこともOK。到着空港で荷物をピックアップする必要もなく、そのまま自宅に帰れるのは超便利ですよ!
【国内旅行の持ち物チェックリスト】1泊2日・2泊3日・女子必須アイテムや
Apr 26th, 2024 | sorano
久しぶりの旅行! わくわくしながら荷造りを始めると、何を持っていけばいいのかわからなくなることってありますよね。そんな悩みを解決する国内旅行の持ち物リストです。1泊2日、2泊3日バージョン、女子の必須アイテム、便利な100均グッズなど無料でダウンロードできるチェックリスト(PDF)付きです。
【宮内庁インスタがフォロワー100万人超】世界の王室アカウント8選!日本
Apr 24th, 2024 | TABIZINE編集部
宮内庁は2024年4月1日にインスタグラムの公式アカウントの運用を開始。同アカウントは、皇室の活動をより若い世代にも伝えることを主な目的として開設され、3週間でフォロワーが100万人を超えました。そこで、世界の王室のインスタグラムものぞいてみましょう。英国、デンマーク、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、ベルギー、モナコ、ルクセンブルクの各王室の公式インスタグラムを、日本との関係とともに紹介します。