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「八幡の藪知らず」はいつから禁足地になったのか?
「この藪に足を踏み入れると二度と出てこられなくなる」という伝承は江戸時代の文献に記されています。しかし、それ以前の文献はなく、いつから禁足地になったのか定かではありません。そして、禁足地になった根拠も諸説あります。それは……!?
陣屋から底なし沼まで幅広い説がある
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日本武尊(ヤマトタケル)の陣屋説をはじめ、平良将の墓所説、平将門の墓所説、将門の家臣の墓所説などがあります。なかでも面白いのは、底なし沼がある説! 八幡の藪知らずは窪地になっていて、底なし沼があり危険なので立ち入り禁止になったというのです。これと似ているのが、窪地から毒ガスが発生しているという毒ガス説。
また、近隣の行徳村の飛び地だったという説や、平将門の首を守り続けている家来がそのまま泥人形になったという説まであります。
水戸黄門が迷って出られなかったことも!?
写真はイメージです
八幡の藪知らずの伝承を聞いた水戸黄門が当地に入ってみたところ、白髪の老人が現れ「戒めを破るとは何事か!あなたは貴人だからその罪は許そう、今後は絶対に戒めを守るように」と言われたとか。浮世絵師の月岡芳年の作品『不知藪八幡之実怪』にその様子が描かれています。
葛飾八幡宮の跡地だった?
近隣にある葛飾八幡宮の旧地だったという説も。この場所には死んだ動物を供養するための八幡宮の池があり、かつては周囲の人々が「むやみに池に入ってはいけない」と言っていたのですが、ときを経ていつの間にか「入ってはいけない」となったという説です。これは多少信憑性がありそうですが、あくまで仮説となっています。
不知森(しらずのもり)神社がある
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八幡の藪知らずには、葛飾八幡宮の境外末社である「不知森(しらずのもり)神社」が鎮座しています。鳥居があり、中には祠が祀られていて、ここまでは入ることができます。
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また、この神社の御朱印を葛飾八幡宮で授かることも可能です。八幡を訪れることがあれば、御朱印を授かってみるのもいいかもしれませんね。
一度入ったら二度と出て来られない森、迷う森と言われ、畏れられている「八幡の藪知らず」。禁足地になった理由は不明ですが、きっとむやみやたらに立ち入ってはいけない何かがあるのでしょう。それが神聖なものなのか、呪いのようなものなのか、物理的に危険なものなのかは、わかりませんが……。