ポヴェーリア島の歴史
ヴェネチア本島の南に位置するポヴェーリア島は、0.07平方キロメートルの小さな島です。水路により3つに分かれています。4世紀頃、蛮族に追われた人々がこの島にたどり着いたそう。9世紀頃から発展し、人口も増加。しかし、ジェノヴァ共和国艦隊の攻撃を防ぐため、1379年に要塞化します。その後、無人島に。
1793年、船にペスト患者がいたことで、ペスト患者の隔離収容施設として使われるようになりました。そして、ナポレオン統治下の1805年には、軍の病院に。20世紀に入ると、再び検疫所として使われるようになり、1922年に病院が開設されましたが、1968年に閉鎖されています。
2014年、イタリア政府はこの島を、99年間貸与するためのオークションにかけると発表。高級ホテルが建てられることを期待されていますが、いまだに大きな動きはありません。
ポヴェーリア島の恐ろしい噂
ポヴェーリア島は、ペスト患者の隔離施設や精神科病棟がある病院だった過去があるため、「世界一幽霊が出る場所」とされ、いくつかの恐ろしい噂話があります。
- ペストの蔓延を防ぐため、何千人もの人々が焼かれ、この地に埋葬されている
- この島で命を落とした人々の灰や遺骨が島の土壌の大半を占めている
- サディスティックな医師により精神病患者のロボトミー手術が行われていた
- 病院の院長が幽霊に強要されて時計台から飛び降り自殺をした
- 隔離されていたペスト患者や精神病院の患者の悲しみや苦しみが残っているこの島では、現在も叫び声が聞こえることがある
上記がすべて事実だとしたら、まさに「呪われた島」「幽霊島」だといえますよね。
果たして噂は真実なのか?
考古学者により、この島から1,500人以上のペスト患者の骨が発掘されました。そのため、ペストの蔓延を防ぐため、何千人もの人々がこの島で焼かれ、埋葬されたのは事実だといえるでしょう。
その一方で、精神科病棟に関する話は、噂の域を超えません。病院の院長は、患者に行ったゾッとするような人体実験に責任を感じて、自殺したという説もあります。いずれにしても、1968年に病院の患者と医師はこの島を放棄しました。
島へ上陸することは可能なのか?
島は廃墟だらけで、基本的に立入禁止になっています。事前に申請して、特別な許可がおりれば訪問可能ですが、なかなか難しいのが現状です。プライベートボートをチャーターして訪問する方法もなくはありませんが、高額で何のサービスもないとのこと。訪問するのには、相当な時間とお金がかかりそうですね。
数奇な運命をたどってきたポヴェーリア島。近い将来、生まれ変わる日がくるといいのですが……。
[参考]
visitvenezia.eu
HistoricMysteries
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