『PAIN(痛み) MUSEUM』も世界にはある
世界には、いろいろな三大○○があります。多くの場合は、日本だけで通じる三大○○が多いようですが、今回紹介する「世界三大激痛」も、日本で生まれた定義でしょうか?
「most painful condisions」とか「worst pains」などと英語で調べても、3つに絞り込んだ情報は出てきません。
それよりも「そもそも論として旅行メディアのTABIZINEが何で世界三大激痛を取り上げるの?」と素朴な疑問を感じる方もいるかもしれません。
名勝や史跡巡り、グルメ、ホテルでの宿泊体験など、旅のど真ん中のテーマでは確かにないかもしれません。しかし、国内外には意外にも、痛みに関連したスポットがあります。
国内には例えば、「麻酔博物館」もあれば、世界各地の処刑道具を展示する通称「拷問博物館」もあります。
海外の場合だと、イギリスの生理用品ブランド『ボディフォーム(Bodyform)』主催による『PAIN(痛み) MUSEUM』なる展示も挙げられます。
その意味で言えば「痛み」は意外に、観光プログラムのひとつにもなりうるのですね。
心筋の壊死が起きたときの痛みとは
では、世界三大激痛とは、一体何によってもたらされる痛みが選ばれているのでしょうか? 少なくとも筆者は、幸いにも経験がない痛みばかりでした。
- 心筋梗塞(こうそく)
- 尿路結石
- 群発頭痛
尿路結石は、比較的有名な病気ですよね。尿の成分である塩類が腎臓などの内部で石状の固形物(結石)になる病気で、激しい痛みを伴うと知られています。
心筋梗塞とは『家庭医学館』(小学館)を読むと、
<心筋の壊死がおこる。致命率は30%。発作直後の対応が大事>(『家庭医学館』より引用)
とあります。
加齢などによって動脈硬化が悪化し、血の流れが止まって、心筋細胞が死んでしまうと、心筋梗塞と診断されるみたいです。
30分以上、激しい痛みと締め付ける感じが胸に起きて、冷や汗、吐き気、呼吸困難を伴うとも書かれています。確かに、世界三大激痛にふさわしそうです。
数十分から1時間続く痛みが1日に数回やってくる
群発頭痛とはなんなのでしょうか。同じく『家庭医学館』を読むと、群発性頭痛と書かれています。
どのような痛みがあるのかと言えば、
<片側の目の奥が圧迫されるように強く痛み、前頭部から側頭部へと痛みが広がっていきます>(『家庭医学館』より引用)
とあります。
20~50代のヘビースモーカーに多い病気で、夜間に発生するケースが多く、痛みで目が覚めるくらいなのだとか。
数十分から1時間程度痛みが続き、その痛みが1日に数回やってきます。そんな日が、長いと2~3カ月続くそう。
英語だと「cluster headache」というそうです。「cluster」とは「果実の房」が本来の意味ですが、クラスター爆弾のクラスターでもあります。クラスター爆弾とは、投下された容器から、小さな爆弾が空中で散布され、広範囲にわたって被害を与える兵器です。
痛み単体では、心筋梗塞などの苦しさには及ばないものの、長時間にわたって広範囲に繰り返し痛みがやってくる群発性頭痛は「クラスター爆弾」のような恐ろしさを筆者は連想させられました。
以上、世界三大激痛を紹介しました。
痛みに関連した博物館などが存在すると書きましたが、心筋梗塞や尿路結石、群発性頭痛が旅先で本当に発生してしまったら大変です。人生で長く旅を楽しむためにも、健康にはくれぐれも注意したいですね。
[参考]
※ 世界三大疼痛 痛みには意味がある? – 産経新聞
※ 麻酔博物館 : The Japanese Museum of Anesthesiology
※ 刑事部門 Criminal Materials – 明治大学
※ 世界3大激痛 地獄の苦しみ – 日テレ
※ PAIN MUSEUM – Ketchum UK
※ Inside Bodyform’s Pain Museum – campaign
※ 「隠れて!」取材中に爆撃が…クラスター爆弾が降り注ぐ町を【独自取材】…モスクワを埋め尽くす赤い旗には「勝利!」の文字|TBS NEWS DIG – YouTube
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