寄生虫に拷問や処刑の道具まで!「日本のユニークな博物館」5つ

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Mar 4th, 2018

日本各地のユニークな博物館をピックアップ。目黒寄生虫館、南砺バットミュージアム、拷問や処刑の道具が並ぶ明治大学博物館、真っ暗な模擬坑道を見学できる石炭博物館、おすすめの企業博物館などをご紹介。入館無料の博物館もありますよ!

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(画像はイメージです)

世界にはさまざまな変わった博物館があるとTABIZINEの過去記事「死ぬまでに行きたい! 世界の変わった博物館、勝手にベスト5!!」で紹介しました。アメリカのトイレットシート博物館、メキシコのミイラ博物館、クロアチアの失恋博物館などがまとめられていましたね。

ひるがえって日本で考えてみると、どういった博物館があるのでしょうか? そこで今回は知人の学芸員たちの情報源を基に、筆者自身全国をまわった経験から、日本各地のユニークな博物館を紹介したいと思います。

 

その1:目黒寄生虫館

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)(公財)目黒寄生虫館

最初は寄生虫の博物館。過去にラジオでその存在を知り、今から10年ほど前に1人で足を運んだ経験があります。

寄生虫学の研究と啓蒙のために、私財をもって1953年に創立された研究博物館で、同館には1階と2階の展示室に約300点の標本と関連資料が並んでいると言います。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)(公財)目黒寄生虫館

来館から10年以上経過しているため、現在の展示内容を正確には伝えられませんが、人、魚、獣などに寄生する虫が分類されていて、筆者は当時人体に関係する寄生虫を興味深く眺めた記憶があります。

館の入り口に募金箱があります。来館者の寄付金が運営にあたっての貴重な財源となっているそうですので、学びの分だけ大いに寄付に協力したいですね。

 

目黒寄生虫館
http://www.kiseichu.org

住所:東京都目黒区下目黒4-1-1

電話:03-3716-1264(音声案内)

開館時間:10:00~17:00

入館料:募金箱あり

休館日:毎週月・火曜日(月・火が祝祭日の場合は開館。・直近の平日が休 館)・年末年始

 

その2:南砺バットミュージアム

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)Masayoshi Sakamoto

なんと、富山県南砺(なんと)市にはバットを専門的に扱ったミュージアムが存在します。TABIZINEの過去記事「富山の隠れた超穴場名所! 木製バット生産日本一のバットミュージアム」でも紹介しましたね。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)Masayoshi Sakamoto

王貞治、イチロー、長嶋茂雄、落合博満、松井秀喜、ベーブ・ルースなど、世界的なバッターが実際に使用したバットが500本以上展示されている、バット専門のミュージアムになります。

バットの生産日本一の町にある、球団社長も訪れる隠れた必見スポット。館長のガイドも興味深い話の連続ですから、詳細は過去記事をチェックしてみてくださいね。

 

南砺バットミュージアム
https://nantobat.jimdo.com

住所:富山県南砺市福光6754

電話:0763-52-0576

開館時間:10:00~17:00

入館料:大人:500円 子ども(小・中学生)200円

休館日:水曜日

 

その3:企業博物館

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

ますのすしミュージアム (C)Masayoshi Sakamoto

日本の企業が運営する企業博物館もユニークな場所が多いです。

例えば筆者の暮らす富山県には、ファスナーで有名なYKKが、ファスナーに関するミュージアム『YKKセンターパーク』を運営していますし、同じく富山の名産品であるますずしの老舗・ますのすし本舗 源が運営する『ますのすしミュージアム』もあります。

大阪には日清食品が運営する『カップヌードルミュージアム 大阪池田』もありますし、東京にはJTが運営する『たばこと塩の博物館』もあります。

この手の企業博物館に筆者はちょこちょこと足を運んでいますが、どこも外れはありません。次の旅行では、旅先にある企業博物館を周ってみても面白そうですね。

 

その4:石炭博物館

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)夕張教育委員会

次は国内でも最大級の規模を誇る炭鉱ミュージアムになります。こちらは残念ながら訪れた経験がないのですが、地下の真っ暗な模擬坑道を見学できる唯一無二のミュージアムとして、とても興味深いと知人の学芸員の一人が教えてくれました。

館内を歩き、展示品を見ていくと、炭鉱へと続く竪坑のエレベーターがあると言います。地下深く降りて坑道に着いたら、ヘッドランプを装着して暗闇の中に踏み出していくそう。時間帯によっては他の来館者が見当たらず、地下空間に1人だけになる瞬間もあると言います。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)夕張教育委員会

日本で唯一、炭鉱を見学できる施設みたいですから、夕張旅行では欠かせないスポットと言えそうですね。ただ、冬季は閉鎖しており、しかも現在は改修中ですので、スケジュールには要注意です。

ちなみに同じ北海道では、監獄をテーマにした月形樺戸博物館(月形市)も外せないと同じ学芸員の知人が教えてくれました。北海道の歴史を知る上でとても貴重で、囚人の足に装着する鉄丸(てつがん)の重みを試せるなど、こちらも独特の博物館だと言いますよ。

 

石炭博物館
https://www.city.yubari.lg.jp/

住所:北海道夕張市高松7-1

電話:0123-52-3166(夕張市教育委員会)

開館時間:9:30~17:00(※11月初旬〜 翌3月31日までは冬期休業)

入館料:一般600円、小学生、シニア、障がい者200円

休館日:毎週月・火曜日(月・火が祝日の場合は振替)

 

その5:明治大学博物館

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)明治大学博物館

最後は名門私立大学である明治大学の博物館ですね。常設展示には刑事部門があり、人権抑圧の歴史を語り伝える拷問の道具、処刑の道具、江戸時代の捕者具などが展示されています。

2004年のリニューアル前の刑事博物館時代に、子どものころ親と行った記憶があるのですが、その当時に見たギロチンや、ひざの上に巨大な石を乗せる拷問道具(石抱)の生々しさが、今でも鮮明に頭に残っています。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)明治大学博物館

ギロチンの歯が斜めになっている理由は、スパンと人の首を落とすための工夫だというような話を当時聞いた覚えもあります。同博物館にはさまざまな死刑の道具を通して、

<法と人権を考えます>(明治大学博物館のホームページより引用)

という狙いがあるそう。その意図の通り、さまざまな形で人の死を連想させられる、独特の空間だと言えます。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ

(C)明治大学博物館

現在は明治大学の駿河台キャンパスに奇麗にリニューアルされて、オープンしています。入館料は無料ですし、立地も抜群ですので、東京観光の際には一度訪れておきたいですね。

明治大学博物館
https://www.meiji.ac.jp/museum/index.html

住所:東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階

電話:03-3296-4448

開館時間:10:00~17:00

入館料:無料(特別展は有料の場合あり)

休館日:お盆、年末年始(日曜・祝祭日・大学の定める休日でも展示室は開室)

 

 

以上、日本のユニークな博物館を5つ紹介しましたが、いかがでしたか? 普段の生活では得られない気付きを与えてくれる博物館。いろいろ学びたくなる秋に、旅行を兼ねて出かけてみたいですね。

寄生虫に炭坑体験まで!「日本の特徴的な博物館」5つ
(画像はイメージです)

 

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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