「国家ブランド指数」は6つのカテゴリで評価
「アンホルト-イプソス 国家ブランド指数(NBI)」は、2008年から毎年行われている国家ブランド力を評価するグローバル調査です。パリに本社を置くグローバル・マーケティング・リサーチ会社「イプソス」と国家イメージ分野における世界的権威サイモン・アンホルト氏が共同で実施しているもので、60カ国が対象。
「輸出」、「ガバナンス」、「文化」、「人材」、「観光」、「移住と投資」という6つのカテゴリに関する認識を調査することで、国家のブランド力を測定しています。
2023国家ブランド指数トップ10ランキング
2023年のランキングにおいて、上位10カ国の顔ぶれは2022年と変わっていませんが、順位が入れ替わった国が多くなっています。
6位〜10位
第7位 スイス
第8位 フランス
第9位 オーストラリア
第10位 スウェーデン
6位の米国は、2022年の8位から2ランクアップしています。6つの指標のうち4つの指標「輸出」「文化」「移住と投資」「観光」でトップ10入りを果たしたことによるようです。スイスは順位が変わらず7位。
8位のフランスは、これまでで最低の順位となりました。「文化」「観光」「輸出」「移住と投資」ではトップ10に入るなど、多くの指標で健全な評価を得ていますが、「人材」と「ガバナンス」の指標では弱点が見られます。
米国とフランスは2008年以来、国家ブランド指数トップ10にランクインしているものの、順位がかなり変動しています。
9位のオーストラリアは10位から1ランクアップ。その一方で10位のスウェーデンは、9位から1ランクダウンしました。
1位〜5位
第2位 ドイツ
第3位 カナダ
第4位 英国
第5位 イタリア
日本は2019年の5位から1ランクずつ順位を上げており、2016年以来6年連続トップをキープしていたドイツを抜いて、2023年、ついに1位となりました。アジア太平洋地域の国としても初めてのトップです。
日本がトップになった理由
今年、日本の順位は軒並み向上し、6つのカテゴリー(「輸出」「ガバナンス」「文化」「人材」「観光」「移住と投資」)すべてでトップ10入り!
特に「輸出」カテゴリーにおいて引き続き強さを見せているほか、「人材」と「観光」のカテゴリーでも高い評価を得ており、これが今回の首位獲得に影響を及ぼしたのではと考えられるそうです。
さらに、2023年から新たに、国家ブランド指数の算出には含まないものの、「国のブランドを形成するうえで重要性を増していると思われるテーマ」についても調査をしており、その中の「私はこの国で製造された製品を信頼している」「この場所は他のどの場所とも異なっている」という項目で、日本は60カ国中トップの評価を得ました。
さらに「私はこの国がグローバルな経済的リーダーだと思う」という項目では、米国に次いで2位を獲得しています。
国家ブランド指数の創設者であるサイモン・アンホルト氏は、今回の調査結果について、次のように述べています。
「日本が今、地球上で最も称賛される国になっているという事実は、ドイツと米国を除けば、このポジションに到達した最初の国であり、世界のソフトパワーバランスが目の前で変化していることを裏付けています。新しい秩序の時代、2023年アンホルト-イプソス 国家ブランド指数は、アジア世紀が幕を開けた最初の紛れもないサインです」
日本製品に対する高い信頼や評価、食や伝統文化といった魅力を反映して、インバウンド需要も順調に回復しつつあります。今後も海外から日本への関心は高まりそうですね。
[出典]
国家ブランド指数 2023:日本が史上初の首位に|Ipsos
世界60カ国中日本が国家ブランドランキング1位に初選出|Ipsos
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