日本百名山の一座「男体山」は成層火山
男体山は日光火山群に属する、基底径約6km、基底からの比高約1,200mのほぼ円錐状をした成層火山。山頂には直径約1kmの火口があります。山体南西に位置する中禅寺湖は、火山の活動によって形成された堰止湖です。また、最近1万年の間に、山頂火口内に位置する小火口を噴出口とする噴火が最低4回発生したことがわかっています。
歴史的な観点では、男体山は日本百名山の一座で、古くから山全体が信仰の対象となっています。
「男体山」に残るユニークな伝説『戦場ケ原神戦譚(たん)』
昔、男体山の神と赤城山の神が、美しい中禅寺湖を自分のものにしようと、大蛇と大ムカデに姿を変え、激しい争奪戦を繰り広げたそうです。しかし、なかなか決着がつかない戦いに業を煮やした男体山の神が弓の名人である自分の子孫・猿麻呂に大ムカデの目を射抜かせ、戦いに勝ったとか。この戦いが繰り広げられた広野原が、現在の戦場ヶ原といわれています。
「男体山」の見どころと周辺のおすすめスポット5選
ここからは「男体山」の見どころはもちろん、周辺のおすすめスポットもあわせてご紹介します。
男体山山麓に鎮座する「日光二荒山神社 中宮祠(ちゅうぐうし)」
日光二荒山神社は、本社・奥宮・中宮祠・本宮の4つからなります。そのなかのひとつ中宮祠は、男体山山麓に鎮座。男体山の山頂にある二荒山神社奥宮と、日光市内にある二荒山本社の中間にあることから、中宮祠と呼ばれているのです。784年に建立され、境内の本殿など7棟が重要文化財に指定されています。
「勝」の神様が強力なパワーを授けてくれるパワースポットとしても人気です。
樹齢が1,000年を超えるという巨大なイチイにも注目を! 登拝口が開く4月25日から11月11日の期間中であれば見ることができます。
縁結びのご利益で知られる「日光二荒山神社 本社」
1,200年以上前、勝道上人(しょうどうしょうにん)が開いた「日光二荒山神社」は、日光山信仰の始まりとなった古社です。二荒山神社の主祭神が、招福や縁結びの神様、大己貴命(おおなむちのみこと)であることから、現在は縁結びにご利益がある神社として注目されています。
日光山内の入り口にかかる木造朱塗りの美しい橋「神橋」もぜひチェックを。夏は新緑、秋は紅葉とのコラボを楽しめますよ。
山頂には天に向かってそびえ立つ白刃も「日光二荒山神社 奥宮」
毎年7月31日には登拝祭が行われ、8月1日の深夜0時に多くの人が山頂を目指し登頂します。山頂に建つ「日光二荒山神社 奥宮」からは、中禅寺湖から戦場ヶ原などを一望できる絶景を拝めるのが魅力です。さらに山頂の天に向かってそびえ立つ白刃も印象的!
日光二荒山神社 中宮祠から山頂までは往復で7~8時間程度の登山になります。ガレ場も含むひたすら登りとなるため、登山初心者にはやや厳しいコースかもしれないので、入念な準備をしていきましょう。
美しい自然を思う存分堪能できる「千手ヶ浜」
中禅寺湖の西の端にある南北2kmにわたる「千手ヶ浜」も立ち寄りたいスポット。周辺には樹齢200年以上のミズナラやハルニレなどの林があるほか、例年6月にはクリンソウが咲き誇ります。自然豊かな場所なので、訪れるだけで心身ともにリフレッシュできそうです。ここでお弁当を食べるのもおすすめ。水の透明度も抜群ですよ。
古くから避暑地として人気の「中禅寺温泉」
二荒山神社 中宮祠付近にある「中禅寺温泉」は、1951年から引き湯をはじめました。源泉は日光湯元温泉です。泉質は、良質な硫化水素泉で、皮膚病などに効能があるといわれています。
男体山の登山に訪れた際は、下山後に中禅寺温泉に向かい、のんびりと温泉に浸かりたいですね。
住所:栃木県日光市中宮祠
電話:0288-22-1525
開山期間:4月25日~11月11日
入山受付時間:6:00~12:00(二荒山神社中宮祠で受付)
※正午を過ぎますと入山できませんのでご注意ください。
※クマよけの鈴をご持参ください。
休業日:上記期間以外は閉山となります。
料金:大人1,000円(中学生までは無料)
交通アクセス:JR・東武「日光駅」から東武バス湯元温泉行きバス乗車、約50分「二荒山神社中宮祠」バス停下車、登山口まで徒歩1分
公式サイト:https://www.nikko-kankou.org/spot/14
[参考]
国土交通省 気象庁
栃木県
とちぎ旅ネット|公益社団法人栃木県観光物産協会
日光市公式観光WEB
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