古くから“病気平癒の神”として篤い信仰を集める古刹「日向薬師」(神奈川県伊勢原市)
716年、僧侶である行基(ぎょうき)によって開創されたと伝えられる「日向薬師(宝城坊)」は、高野山真言宗の寺院です。源頼朝と、その妻である政子も参拝したといわれています。
国内屈指の大きさを誇る茅葺き屋根が印象的な本堂本尊には、鉈彫の薬師三尊像のほか、丈六の薬師如来像、阿弥陀如来像、四天王像、十二神将像といった多数の国指定重要文化財を安置。病気平癒、無病息災、身体健全などのご利益があるとされています。
本尊の開帳は正月の三が日と初薬師(1月8日)、春季例大祭(4月15日:寅年は4月11日に開催)に行われます。
また、境内には推定樹齢800年以上の幡かけ杉や、ケヤキ、タブノキなどの樹木が多数あり、初夏は新緑、秋は紅葉と季節の移ろいを感じることができます。
丑・寅年に生まれの方は、開運、厄除け、祈願成就をサポートするとされる「虚空蔵菩薩」も忘れずに参拝したいですね。
住所:神奈川県伊勢原市日向1644
電話:0463-95-1416
開門時間:4月~10月 9:00~17:00、11月~3月 10:00~16:00
交通アクセス:小田急線「伊勢原駅」から神奈川中央交通バス「日向薬師行」に乗車、終点「日向薬師」下車、徒歩20分
公式サイト:https://www.hinatayakushi.com/
国宝! 四国最古の建造物がある「柴折薬師」(高知県長岡郡)
豊楽寺(大田山大願院豊楽寺)は、724年に行基(ぎょうき)によって創建されたといわれています。豊楽寺の別名は「柴折薬師」です。
国宝の本堂「薬師堂」は、四国最古の建造物で、桁行、梁間は五間の単層入母屋(いりもや)造り、柿葺(こけらぶき)で、勾欄(こうらん)つきの廻縁(まわりぶち)を有しているのが特徴。そして、壁は板壁で前面中央の三間は板唐戸の観音開きで、両脇の一間には連子窓がついています。
そのため、現在の薬師堂が建立された年は明らかになっていませんが、様式手法から平安時代の中期・後期の建立と考えられています。
薬師堂内陣には、釈迦如来坐像、薬師如来坐像、阿弥陀如来坐像が安置されており、薬師如来坐像は像高132cm、ヒノキ材一木作りです。
なお、外観見学は無料で予約不要ですが、内部拝観は予約必須で拝観料は500円になります。
住所:高知県長岡郡大豊町寺内314
電話:0887-73-0029
開門時間:通年 (薬師堂内部、観覧の際は事前予約が必要 内観料500円)
交通アクセス:大豊ICから車で20分
公式サイト:https://www.burakuji.jp/
豊作や雨乞い、保護などに霊験あらたかと伝えられる「米山薬師」(新潟県上越市)
712年に泰澄(たいちょう)によって開かれたとされる米山の山頂には、薬師如来が安置されている「米山薬師」があります。
田畑の豊作や雨乞い、人間・動物の守護、海上の安全に霊験あらたかと伝えられ、広く信仰を集めています。
米山の名前は、泰澄大師の弟子である沙弥が海を渡る強欲な船主から米俵を五輪山(現在の米山)に飛ばしたという伝説に由来。古来、日本海を航行する船の目印とされてきたそうです。
米山の山頂から麓へ約5km下ったところにある「密蔵院護摩堂」は米山薬師の別当寺。今の護摩堂は1817年に再建されたものですが、その壁面彫刻の美しさは格別で、雄揮、典雅を極めた巧みな技法が用いられており、上越地方随一といわれています。
米山山頂までは約1時間のコースと約2時間のコースがあり、家族連れで気軽に登ることも可能です。日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」の構成文化財のひとつに登録されている米山を、じっくり散策したいですね。
住所:新潟県上越市谷根
電話:025-536-5329
米山登山口までの交通アクセス:JR信越本線「柿崎駅」からタクシーで30分
公式サイト:https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/kakizaki-ku/kakizaki-his3.html
日本三大薬師は3つだけじゃない!?
今回ご紹介した日本三大薬師に以下も挙げられるそうです。
- 山田薬師(愛媛県西予市)
- 一畑薬師(島根県出雲市)
- 永勝寺(福岡県久留米市)
- 鳳来寺の峯薬師(愛知県新城市)
- 赤井嶽薬師(福島県いわき市)など
気になる薬師があったら、旅行などのついでにぜひ参拝に訪れてみてくださいね!
[参考]
伊勢原市観光協会
大豊町
大豊町観光ガイド|一般財団法人 大豊町観光開発協会
国指定文化財等データベース
にいがた観光ナビ|公益社団法人 新潟県観光協会
上越観光Navi
上越市
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