湖面の標高が日本で最も高所にある火口湖を有する御嶽山」
標高3,067mの御嶽山は、乗鞍火山列の南端に位置する成層火山です。外輪山(摩利支天山、継母岳)のほか、寄生火山(継子岳、三笠山)、噴火口跡(一ノ池~五ノ池)などが南北に連なり、これらの総称を御嶽山と呼びます。二ノ池の湖面は標高2,905mで、日本で最も高所にある火口湖です。
また最近の研究では、過去1万年間に複数回のマグマ噴火が発生。1979年以前の歴史的な噴火の記録は発見されていませんが、山頂南西にある地獄谷の噴気活動は数百年、続いているそうです。
修行の場として栄えた歴史がある! 富士山、白山、立山に並ぶ霊峰
富士山、白山、立山と並ぶ霊峰として知られる御嶽山。その王滝口頂上である剣ヶ峰には、御嶽神社奥社が鎮座しています。御祭神は国常立命(くにとこたちのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこのみこと)の三柱。五穀豊穣、子宝・縁結び、長寿などのご利益があるとか。
約1,300年前、信濃国司の高根道基によって開かれたとされる御嶽山は、修行の場として栄え、1,161年に後白河法皇の使者が登山参拝したといわれています。その後、平安・鎌倉・室町時代にかけて集団登拝する風習が生まれたそうです。これは江戸時代まで続き、1794年には武蔵国の行者である普寛(ふかん)が一般民衆に開放。今日まで多くの人が登拝しています。
天空の絶景を拝めるロープウェイなど、御嶽山とその周辺の見どころ5選
ここからは御嶽山とその周辺の見どころ5選をご紹介します。
天空の絶景散歩が叶う「おんたけロープウェイ」
「おんたけロープウェイ」は、御嶽山五合目、標高1,570mの鹿ノ瀬駅(かのせえき)から七合目2,150mの飯森高原駅(いいもりこうげんえき)を結ぶ、カプセル型のゴンドラです。全長2,330m、標高差580mを片道約15分で運行しており、天空の絶景散歩が叶います。
飯森高原駅の駅舎の屋上展望台からは、中央アルプスや北アルプス、乗鞍岳など大パノラマが望めるほか、 貴重な高山植物が楽しめる「高山植物園」も見逃せません。
変化に富んだトレッキングが楽しめる「御嶽古道」
1792年に普寛(ふかん)行者が王滝口を開き、登山道として使われてきた「御嶽古道」は、長野県木曽郡木曽町・王滝村から剣ヶ峰へと続く2本の登山道です。いくつかのルートがあり、清流のせせらぎを聴いたり、可憐な山野草を眺めたり、神社に参拝したり。変化に富んだトレッキングを楽しむことができます。気になるコースをぜひ登ってみてくださいね。
神聖な「清滝」と滝を裏側から見られる「新滝」
里宮から御嶽山へ向かう道の3合目には、「清滝」と「新滝」があります。「清滝」は、行者が御嶽山登拝の前に必ず心身を清めた神聖です。今でも滝行体験をする方の姿が見られることがありますよ。一方の「新滝」は、滝を裏側から見ることができる「裏見滝」。冬になると滝の流れが氷柱になり、荘厳な光景を眺めることができます。
立岩から湧き出る御神水がある「御嶽神社 里宮」
御嶽神社は、山頂の奥社、山麓の里宮、王滝村上島の三社、三岳村黒沢の若宮と本社からなります。そのうちのひとつ山麓の里宮は、大鳥居からヒノキとサワラの巨木が茂り、神秘的な雰囲気。451段の石段を登ると、高い岩壁を背にした社殿が現れます。立岩からは御神水が湧き出ています。
毎年10月23日・24日には「御嶽神社祖霊殿慰霊大祭」を開催。御嶽のふもとに「霊神碑」を建てて先祖の霊を慰めます。
薪ストーブカフェを併設した「御嶽山 五の池小屋」
山頂の北御嶽エリアにある「御嶽山 五の池小屋」は、朝日も夕日も堪能できる最高のロケーションです。宿泊客専用の薪ストーブカフェ「ぱんだ屋」を併設しており、手作りのケーキやアップルパイのほか、一度燻製にかけたウィンナーとチーズを使用した特製ピザなどを味わえます。
また、3つのテラスとラウンジがあり、ゆったりと過ごせるのも魅力。2024年の最終宿泊日は10月14日(月・祝)となるため、来年以降に御嶽山登山を計画している方は、こちらへの宿泊を検討してみるとよいかもしれませんね。
そのほか、木曽エリアで最大級の規模を誇る「御嶽スキー場」、立ち枯れの木々を抜けたり、断崖絶壁の秘境へ行けたりする「自然湖」のネイチャーカヌーツアーといったアクティビティも充実。
出典:農林水産省Webサイト
さらに、王滝村が復活させた古代食「どんぐり」を使った商品や、すんき漬けはお土産にぴったり! 野性味あふれる「王滝のそば」、冬限定の「すんきそば」もおすすめです。
[参考]
ONTAKE Ropeway
スピリチュアルロード おんたけ 王滝|木曽おんたけ観光局 王滝村観光案内所
国土交通省 気象庁
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