おとぎの国のような世界遺産「アルベロベッロ」
イタリアの踵の部分に位置する、プーリア州。真っ青な海と、どこまでも広がるオリーブ畑は思わず息を飲んでしまう美しさです。
そんなプーリア州には、おとぎの国のような、とってもワクワクする町があります。それが「アルベロベッロ」です。
アルベロベッロには、石が何層にもなって積み重ねられたトゥルッロ(複数系:トゥルッリ)という住居が残っており、これらは世界遺産に登録されています。
トゥルッリの「とんがり屋根」の理由
トゥルッリがこのようにとんがり屋根になっているのには理由があります。
この町は昔、ナポリ王国に支配されていました。ナポリ王は、伯爵から家の数によって税金を取っていたのです。ナポリ王国から、この土地に送られたアクアヴィーバ伯爵は、税金をごまかすために農民にすぐに解体できる家作りを指示しました。そうすれば、国の役人がやってきたときに屋根を壊して、これは家ではないと主張することができたからです。
農民たちはアクアヴィーバ伯爵の命令で何度も解体と建設を繰り返さなくてはなり、必死に考えて思いついた家の形がトゥルッロだったのです。
今でも住居として、使用されている他、宿として泊まれるところや、レストランとしても利用されています。トゥルッロをモチーフにしたお土産などもたくさん売られています。これだけ珍しいと、どれだけ散歩しても飽きないような気がしますよね。
人間の知恵、工夫で生まれたおとぎの町、アルベロベッロ。現実から少し離れて別世界へと誘ってくれる場所です。