
ソウルを囲む広いエリア、京畿道とは?

京畿道は、ソウル特別市をぐるりと囲むように広がる韓国最大の都市圏。北は北朝鮮と接し、世界遺産・水原華城がある水原(スウォン)、芸術が栄える坡州(パジュ)など、個性豊かな街が点在しています。
ソウルまで電車やバスなどで1時間程度ということもあり、ソウルに通勤・通学する人も多い京畿道。観光だけでなく、地元のリアルな日常も感じられるのが魅力です。
日本からの行き方
日本から京畿道へ行く場合は、まずソウルを目指します。成田・羽田・関西など主要空港からソウルの金浦(キンポ)または仁川(インチョン)国際空港へは、約2〜2時間半のフライト。到着後は、地下鉄・KTX(高速鉄道)・空港バスを使って各都市へアクセスします。
- 水原(スウォン):ソウル駅からKTXで約30分、地下鉄1号線でも約1時間。
- 坡州(パジュ):合井(ハプチョン)駅からバスで約40分。
どの街も日帰り旅が可能で、列車やバスの車窓からは韓国の郊外風景も楽しめますよ。
世界遺産もアートも!見どころたっぷりの京畿道

京畿道を訪れたら、土地ならではの歴史と食文化を感じる旅もおすすめ。中でも人気の高いエリアを紹介します。
水原:世界遺産と焼肉の街
京畿道を代表する観光地のひとつが、水原(スウォン)にある世界遺産「水原華城」。朝鮮王朝第22代・正祖(チョンジョ)の時代に築かれた城郭で、城壁をぐるりと歩けば、往時の街の姿を感じ取ることができます。
そんな水原で外せないのが名物「水原カルビ」。骨付き牛カルビを炭火で焼き上げ、塩とオイルで仕上げるシンプルな一皿です。行列が絶えない人気店も多く、地元の人々と肩を並べて味わう時間も旅の醍醐味ですよ。
坡州:アートとカフェの街
坡州は“アート×カフェ”文化が息づく感性豊かなエリア。
韓国の作家・美術人・映画人・建築家・音楽家など、様々な分野の芸術家たちが集まり形成された文化芸術村「ヘイリ芸術村」では、ギャラリーや雑貨店、ブックカフェが点在し、静かな時間が流れます。
また、出版関係者によって整備された「坡州出版都市」も見どころのひとつ。本やデザインが好きな人にはたまらない空間です。観光の合間には、ギャラリー併設のカフェでアートに囲まれたひとときを過ごしてみては。
京畿道坡州市フェドンギル145
営業時間:施設によって異なる
板門店:南北分断の象徴を訪ねて
坡州では「板門店(パンムンジョム)」も見逃せません。朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線上に位置する「共同警備区域(JSA)」のことで、70年以上に渡る朝鮮半島の南北分断を象徴する場所として多くの人が訪れています。
事前予約制のツアーに参加すれば、非武装地帯(DMZ)の最前線を歩く貴重な体験も可能。緊張感と静けさが入り混じる空気を、ぜひ現地で感じてみてください。
京畿道坡州市文山邑臨津閣路148-40
営業日:火〜土曜日
休業日:月曜日、木曜日、日曜日、国連軍司令部の休日
公式サイト:https://www.panmuntour.go.kr/web/comn/main/main.do
河南:大型ショッピングテーマパークで1日満喫
河南(ハナム)には、周辺最大規模のショッピングセンター「スターフィールド河南」があります。
館内には新世界百貨店やEマート・トレーダースなどの大型店舗をはじめ、映画館「MEGABOX」や屋上スパ「アクアフィールド」、スポーツ施設まで揃い、“老若男女が1日中楽しめるショッピング・テーマパーク”として知られています。
天気を気にせずに過ごせるため、観光の合間のリフレッシュにもぴったりです。
京畿道河南市渼沙大路750
営業時間:店舗によって異なる
休業日:年中無休(百貨店、TRADERSを除く)
公式サイト:https://www.starfield.co.kr/hanam/main.do
「キム秘書」や「愛の不時着」も!推し活の聖地が集まる京畿道
実は京畿道は、韓国ドラマのロケ地が多い“聖地”としても注目されています。
坡州の「ヘイリ芸術村」では、『愛の不時着』『星から来たあなた』『彼女はキレイだった』などの人気作品が撮影されました。アートギャラリーやカフェが並ぶ街並みは、まるでドラマのワンシーンのよう。
そのほか、坡州の旧米軍基地「キャンプ・グリーブス」は『太陽の末裔』、加平(カピョン)の「プチフランス」は『シークレット・ガーデン』、抱川(ポチョン)の「ハヌルタリ」は『キム秘書はいったい、なぜ?』など、名作の舞台が各地に点在します。
音楽ファンには、BTS「Spring Day」のロケ地・日迎(イルヨン)駅や、BLACKPINKのロゼがソロ曲「On The Ground」で訪れた「ヨンドゥサービスエリア」も人気。推しの足跡をたどる“聖地巡礼”が楽しめますよ。
京畿道でソウル旅に余白を
都会の喧騒から少し離れて、アートを感じる静かな街並みやロケ地を歩いてみる。そんな過ごし方が似合うのが京畿道です。
ソウル旅の延長線に、ドラマの世界や歴史の舞台、そしてローカルグルメが待っています。次の韓国旅行では、1日だけでも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。


