横浜から世界へ！期間限定の没入型ミュージアム
西洋文化の入口として歴史のある山下ふ頭にて、トヨタグループが2025年12月20日（土）〜2026年3月31日（火）の期間限定で「THE MOVEUM YOKOHAMA」を開催中。戦後、日本の物流を支えた巨大倉庫を活用し、多様な文化・芸術を楽しめる新しいアートスポットとなっています。
一般公開前、12月18日（木）に開催されたメディア向けのお披露目会には、（左から）トヨタグループの豊田章男会長、「LISTEN.」のプロデューサー山口智子さん、駐日オーストリア大使のシグリッド・ベルカさん、横浜市の山中竹春市長、文化庁の都倉俊一長官が登壇されました。
横浜の歴史ある港町に新しい文化拠点が生まれた喜びに加え、子どもたちが芸術に触れることや、横浜から世界へアートを発信していく未来への期待が語られて、温かいトークセッションとなりました。
オープニングプログラムとして、会場内の2か所の空間“STUDIO（スタジオ）・THEATER（シアター）”にて3本の映像が上映されます。
中央にある「STUDIO」では、山口智子さんがプロデュースするプロジェクト「LISTEN.（リッスン.）」の特別作品が上映され、広大なスペースの「THEATER」では、19世紀末ウィーンを代表する二大巨匠の名作に没入するイマーシブアートを展開。さらに、ここでしか手に入らない会場限定グッズも数多く取りそろえています。
音と旅する「LISTEN.」
STUDIOでは、2020年に始動した音楽映像プロジェクト「LISTEN.」から、山口智子さんが10年をかけて世界26か国を巡り、各地の音楽文化を記録してきた映像シリーズの特別作品「LISTEN. ONE MOMENT（リッスン. ワン モーメント）」が上映されています （上映時間は15分）。
山口さんは「“地球を体感しよう”を掲げたプロジェクト『LISTEN.』は、魂で感じることで生きるパワーを生み出しています。せっかく地球にいるのだから、その限られた滞在時間でいかに地球を濃く味わい尽くすかが私たちの嬉しい使命だと思う」と語っていました。
「私たちは見て分かったつもりでいても、世界には全然わかっていない宝の山がザクザクあふれている。それを体感するために旅に出る。目には見えなくても、目を閉じ耳を傾けて感じると、実は豊かなものに溢れていると気づく。その第一歩の場所になれたらと思う」と続け、「私たちが本来持っている“体感するセンサー”を呼び戻す必要がある」と、SNSやリモートワークが広がる時代だからこそ、自らの感覚を通じて得られる感動の大切さを強調しました。
今回の特別上映作品には、中央アジアで馬と共に生きる騎馬民族など、世界各地の伝統音楽を担うアーティストやコミュニティが登場しています。
南米アンデスでは先住民の笛や歌が赤い大地に祈りを捧げ、リトアニアの夏至祭で歌い踊る伝統音楽は“日本の盆踊り”にも通じる文化を感じさせます。ジョージアでは男性ポリフォニー（多声合唱）のハーモニーが平和を歌い、映像を観ていると自分が鳥や風になって“世界の音に乗って旅をしている感覚”に陥りました。
国境も宗教も越えて「調和を願う心や文化」は普遍的。精霊や神々に守られながら紡がれた“地球の音”は「人は自然と共生していることを忘れてはならない」と語りかけてきているようでした。
最先端の音響システムを備えたスタジオで、静かな音、大きな音、自然の音、人々の歌声といった生命力にあふれた一音一音がパワフルに響く「LISTEN. ONE MOMENT」。
山口さんは、「未来に、地球外生命体に自慢したい“カッコイイ地球の今の音”を詰めこんだタイムカプセルと出会えます。地球の鮮やかな色彩を体感してほしい」と見どころを熱く語りつつ、「ダラッと力を抜いて、お風呂に入っているような気分でジャボンと作品の世界へ飛び込んでほしい」と鑑賞ポイントをアピール。
作品の上映時間は約15分。11時～19時まで（月曜～木曜・祝日）、11時～20時まで（金曜・土曜・祝前日）までリピート上映されています。2～3周続けて視聴していると、ふと自分の遠い記憶が呼び起こされる感覚が訪れるでしょう。
「The Listen Project」公式サイト：https://www.the-listen-project.com/
山口智子さん公式Instagram：@tomoko_yamaguchi_official
名画に没入するシアター「クリムト&シーレ」
THEATERでは、19世紀末ウィーンを代表する「グスタフ・クリムト」と、彼の弟子「エゴン・シーレ」の名作の世界へと誘っています。
2人の名作がクラシック音楽と連動したデジタルアートとして約1,800㎡の空間に投影され、来場者は画家の視点や感情に寄り添いながら自由に鑑賞できます。
空間全体にはエプソンのプロジェクター75台とスピーカー27台を配置。壁や床にも映像が流れ、絵筆のようにカラフルな光線が来場者を包み込み、最新技術によってエンターテインメントにあふれた空間を演出しています。
梁や階段など、もともと倉庫だった建物の構造をあえて残し、それらも作品の一部として馴染んでいます。細い鉄骨はまるで生命体の骨のようなシルエットを描き、名画に命を吹き込んでいるかのよう。
メインエキシビション「グスタフ・クリムト：黄金時代」（上映時間40分）では、『接吻』や『ベートーヴェン・フリーズ』などクリムトの代表作約170点が5つの章で展開されます。
彼が生涯追い続けた「生命、愛、黄金、死」という根源的テーマが、音楽と動きにのせて優雅に躍動しています。金箔のシャワーを浴びているかのような映像演出には、心が痺れてしまうことでしょう。
スペシャルセレクション「エゴン・シーレ：黄金の影で」（上映時間12分）では、彼の名作約110点を投影しています。鋭い線と真っ赤な絵の具が印象的。不安や緊張をむき出して迫ってくる圧迫感は巨大空間ならではの体験です。
メインフロアで作品の流れに身を委ねたり、2階から全体を眺めて光の美しさに浸ったり。どこで鑑賞しても見ごたえ満点！
クリムトとシーレの対照的な色彩、死生観、ここならではの世界観に心ゆくまで溺れてみてほしいものです。
上映時間は11時～19時まで（日曜～木曜・祝日）、11時～20時まで（金曜・土曜・祝前日）。上映時間の15分前から入場できます。
ショップ＆会場限定グッズ
公式ショップでは、クリムトやシーレの作品をモチーフにした横浜会場限定のアートグッズのほか、「LISTEN.」の世界観を表現したグッズなど様々に並んでいます。
本展覧会限定「図録」（税込2,750円）をはじめ、クリアファイル、ポスター、マグネットなど、日常使いできるものからお部屋に飾るだけで美術館のようになる素敵なグッズがたくさん！
「ファブリックアートポスター」（各税込4,470円）。580mm×780mmの大判サイズで存在感があります。
「アクリルマグネット」（各税込880円）。クリアなアクリルに絵画が映えます。
「アートコレクションマグネット」（税込各1,100円）。美術館のように金色の額縁に埋め込んでいます。
「アクリルキーホルダー」（税込各880円）。正方形になった名画も可愛らしい。
（上）「メモ帳（ホワイト・ブラック）」（各税込1,320円）、（下）「マスキングテープ」（各税込550円）。クリムトの色彩をカジュアルに楽しめます。
「ダイカットステッカー」（各税込330円）。絵画の女性たちの個性が際立って目を引きます。
（上）「ノート」（各税込880円）、 （下）「金箔中ノート」（各税込690円）。持ち歩きたくなるアートなノートですね。
「インデックスステッカー」（各税込700円）。オシャレなデスク周りグッズで気分も上がりそう。
「レンチキュラーはがき」（各税込460円）。角度によって絵柄が切り替わる立体感がクリムトの世界観を表現しています。
「クリアフォトカード」（各税込310円）。
「ピンバッジ」（税込各1,430円）。
「コンパクトミラー」（各税込660円）。
「缶バッジ」（各税込330円）など、ミニサイズになっても名画は美しいですね。
「アートソックス」（各税込1,650円）、「スカーフ」（各税込5,830円）。美しい色彩のものばかり。
「シュシュ」（税込各1,650円）。絵画をモチーフにしたマーブル模様がアーティスティック。
Tシャツなど衣類系（税込4,400～～）、トートバッグ（税込2,750円～）は種類豊富。
ドイツの陶器メーカー・KONITZ（コーニッツ）とコラボした数量限定「クリムト マグカップ」（税込3,850円）。
「マグカップ」（各税込1,870円）。金色のラインが高貴ですね。
「ぬいぐるみキーホルダー」（各税込1,870円）。クリムトが猫を抱っこしていてホッコリします。
「アクリルスタンド」（各税込880円）。クリムト作品がポップになって登場。
クリムトの名画をアクリルキーホルダーにした「カプセルトイ」（税込1回550円）。専用ガチャコインはレジで販売しています。
「LISTEN. 書籍」（税込4,400円）、「LISTEN. A4クリアファイル」（各税込440円）など、「LISTEN.」のグッズコーナーも展開しています。
「LISTEN. ポストカード」（各税込220円）。上映作品の印象的なシーンを切り取っています。
「LISTEN. Tシャツ（アッシュ・オリーブ）」（各税込5,500円）。アースカラーがスタイリッシュ。
ウィーンの老舗紅茶ブランド・デンメアティーハウス「ウィーンデザイン缶（紅茶）」（各税込3,510円）。本展限定のデザイン缶です（数量限定なくなり次第終了）。
ハローキティとコラボレーションした限定グッズ（ハンドタオル、ぬいぐるみキーホルダー、アクリルキーホルダー、スウェットトレーナー）など、2026年1月下旬から発売予定のグッズもあるようです。
会場のワンポイント＆交通について
会場までは「山下公園バス待合所」から徒歩で約20分かかりますが、その道中ではトヨタの次世代モビリティ「e-Palette（イーパレット）」が走行しています（無料）。乗車時間は約5分、10分間隔で運行。定員は16名で、車椅子にも対応し、混雑時にはマイクロバスも併用されます。車内の大きな窓越しにみなとみらいの景色を楽しめるのも魅力！
倉庫内にはスタンドのあるラウンジと、171個の無料ロッカー（暗証番号式）も設置されています。上映前に荷物を預けて身軽になればアートに集中できますね。
また、会場内にはトイレがないので、入場前に敷地内のコンテナ型トイレを利用しておくとよいでしょう。
夕方からの夜景も見どころ
アートスポットとして新たな役割を担った巨大倉庫。会期中の毎日16時30分〜24時には外観がイルミネーションで彩られ、「日本新三大夜景」に選ばれた横浜の夜景に新たな輝きを添えています。
どれほどデジタル化が進んでも、目の前の現象から伝わる振動や音といった“リアル”の力にはかなわない。この場所では、時代も国境も越えて世界とつながる“生の体験”が待っています！
住所：神奈川県横浜市中区山下町279-9 山下ふ頭4号上屋
会期：2025年12月20日（土）～2026年3月31日（火）
開館時間：日曜～木曜・祝日10:30～19:30、金曜・土曜・祝前日10:30～20:30
＊16:30～24:00までイルミネーションを開催
休館日：会期中無休（雨天催行、荒天時は中止の可能性あり）
＊中止等は公式サイトや公式SNSにて告知
観覧料（税込）：一般・オンライン3,000円、当日3,800円／大学生・高校生・専門学校生・オンライン2,000円、当日2,700円／小中学生・オンライン1,200円、当日1,900円／障がい者手帳をお持ちの方・オンライン2,500円、当日3,300円／未就学児無料
＊オンライン販売は当日の上映開始時間の1時間前まで購入可。詳細は公式サイトをご確認ください。
交通：みなとみらい線「元町・中華街駅」4番出口（マリンタワー方面）から徒歩約25分、「山下ふ頭バス待合所」から会場まで徒歩約20分、「山下公園バス待合所」から会場までトヨタのモビリティ（イーパレット）乗車約5分（無料）
公式サイト：https://global.toyota/info/themoveum/
公式Instagram：@moveum_yokohama
公式X（旧Twitter）：@MOVEUM_YOKOHAMA
［all photos by kurisencho］
PROFILE
kurisencho ライター
熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。
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