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第二回目は、アメリカ同時多発テロ事件で崩壊したワールドトレードセンターの跡地に建てられた「9/11 メモリアルミュージアム」。今でも我々の記憶に新しいあの悲劇は2001年9月11日、つまり15年前の今日に起こりました。
全世界に衝撃を与えた、アメリカ同時多発テロ事件
マンハッタンの南端に位置し、7つのビルによって構成されていたワールドトレードセンター・コンプレックス。5万人の勤務者と1日20万人の来館者のある、ニューヨーク最大のオフィス・商業センターでした。1972年に北棟が、1973年に南棟が完成。ツインタワーは完成時に世界で最も高いビルとなり、ニューヨークの新しい観光名所に。後に多くの映画やテレビドラマにも登場しました。
ニューヨークのシンボルでもあったツインタワー。しかし2001年の9月11日、あの忌まわしい事件は起こってしまいます。
米国国内線4機がほぼ同時にハイジャック。ニューヨークではアメリカン航空11便(乗客81名・乗員11名)がツインタワーの北棟に突入。続いてユナイテッド航空175便(乗客56名・乗員9名)が南棟に突入。2機の突入によってツインタワーは爆発炎上、そして崩壊。
アメリカン航空77便(乗客58名・乗員6名)はワシントンD.C.のペンタゴン(国防総省本庁舎)に突入し、爆発炎上。ユナイテッド航空93便(乗客37名・乗員7名)はハイジャックされた4機の中で唯一突入に失敗したものとなり、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外へ墜落。標的はアメリカ合衆国議会議事堂、あるいはホワイトハウスであったのではないかと考えられています。
4機とも乗客・乗員は全員死亡。日本人を含む3000人以上が犠牲となり、航空機が使用された史上最大規模のテロ事件となりました。
アメリカは一連のテロをイスラム系テロ組織「アルカイダ」の犯行であったとし、報復戦争に踏み切ることになります。
(C)Nao
こちらの写真は2002年2月のワールドトレードセンター跡地「グラウンド・ゼロ」。事件の5か月後、筆者は事情があってニューヨークを訪れていたのですが、まだ瓦礫の撤去作業が行われていました。周辺の建物にも被害が及んでおり、事件の悲惨さが伝わってきました。
犠牲者を追悼し、悲劇を未来へ残し伝えるために
2002年の5月、瓦礫の撤去が完了するとともに遺体の捜索も終了。ワールドトレードセンターにオフィスを置いていた企業の流出を防ぐべく、新しいビルの建設が始まりました。
崩壊したツインタワーの跡地には犠牲者を追悼する「メモリアルプール」、一連の悲劇を歴史として残し伝えることを目的とした「9/11メモリアルミュージアム」が開館。
(C)Nao
かつてツインタワーがあった場所に建てられた、2つのメモリアルプール。外周から水が滝のように流れ落ち、プールの中心へ絶え間なく注ぎ込む構造。縁石にはテロの犠牲なった2983名の名前が一人ひとり刻まれています。
この2983名は2001年の同時多発テロ事件だけではなく、1993年に起きたワールドトレードセンター駐車場爆破テロの犠牲者の名前も含まれているのだそうです。夜にはライトアップされ、昼間とは違う幻想的な雰囲気になります。
テロの跡地を利用した、9/11メモリアルミュージアム
ガラス張りのモダンな建物は、9/11メモリアルミュージアム。地上が入り口で地下7階まで降りて行くという造り。建物は旧ワールドトレードセンターの地下を利用。館内には崩壊したビルの残骸、犠牲者の写真や遺品、当日の事件を時系列で伝える資料など「9/11」に関する全てのものが展示されています。ビルの崩壊によって、落下した瓦礫でハシゴが折れ曲がってしまった消防車、「最後の柱」と呼ばれる事件後の瓦礫の撤去作業で最後に運び出された柱もあります。
テロの犠牲者となった方々の写真と名前も展示。「生還者の階段」と呼ばれる階段はロビーから屋外に出る場所にあり、避難する人々が実際に逃げ降りた階段なのだそうです。
新しい街のランドマーク
2015年にはニューヨークの新しいランドマーク、ワンワールドトレードセンターが開業。
悲劇を乗り越え、さらに力強く歩み出しているニューヨーク。進化し続けるこの街は、また新しい時代を私たちに魅せてくれそうです。
全世界に衝撃を与えた、アメリカ同時多発テロ事件から15年。
ニューヨークを旅することがあれば、あの日を伝える貴重な場所を訪れてみてはいかがでしょうか?
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