イチオシポイント「全室の露天風呂と6つの風呂」で湯巡り
箱根湯本駅から車で10分程で到着する、箱根湯本のホテル「はつはな」。奥湯本地区にあり、湯坂山と須雲川に面した四季の景観が楽しめます。1993年に開業後コロナ禍を経て、「心と五感が満ちる静かなとき」をコンセプトに大リニューアル。
全客室に付いた「温泉露天風呂」、4つの「貸切風呂」、2つの「大浴場」という、湯巡り派は嬉々とするバラエティの豊かさ。泉質は無色透明のアルカリ単純温泉の「美人の湯」。肌をなめらかにし、慢性消化器病や筋肉痛にも効果があるとのこと。
桜をイメージした客室は、「宙(SORA)」「白」「地」をコンセプトにしたイメージカラーの13タイプ全35室(1室2名利用の場合1人1泊2食付き43,000円〜・税サ込・入湯税別)。温泉露天風呂・シャワールーム・洗面台・トイレが独立しています。
6階の空に近い客室「宙(SORA)」
凛とした桜の気高さと宙へほころぶ花びらをピンクゴールドで表した、という華やかな内装。リビングにはL字型のソファがあり、テレビの上には桜の薄紅色が目にも優しい。
畳の上で足を十分伸ばして寛げる和室も。天井は高いところで4mもあるそう!
テラスには大きな露天風呂。ソファもそばにあり、最上階から山を眺める最高の露天景観です。
全室共通で、テラスのそばには“ガラス張りのシャワールーム”。シャンプー・リンス・ボディソープをボトルサイズで設置。
2つの洗面台があるパウダールームはシャワールームと繋り、水回りも豪華な造り。
寝室にはツインベッドと、山を前にしたカウンターテーブル席。
寝室の床は「名栗加工」が特徴。すべすべでなめらかな凸凹が、足を穏やかに刺激してリラックス効果を高めてくれました。桜と木の温もりに包まれ、空に浮かんでいるような優雅さです。
大地を感じる客室「地」
落ち着いた雰囲気の「地」の客室。
こちらは四角型の湯舟の露天風呂。そばには腰掛けの椅子があり、圧巻の湯景色を堪能。
露天風呂、シャワールーム、パウダールーム、クローゼットを通りツインベッドの寝室へ。回遊動線の内装で圧迫感がありません。
温もりに包まれる客室「白」
桜の花びらをイメージした「白」の客室。一般に桜はピンク色が浮かびますが、実は桜の花びらは白色なんだそう。畳や木が調和した明るい空間です。
こちらは半月型の湯舟タイプ。
ラウンド型のソファともマッチして、気持ちもまぁるく穏やかに……。
自然光が差す寝室には、窓辺に長いテーブルも。山を見渡しながら読書や作業をしてもいいですね。
サステナブルに配慮したアメニティ
全客室のパウダールームには洗面台が2つ、ドライヤーとタオル類をセット。「かながわプラごみゼロ宣言」の取り組みとして、プラスティック製アメニティ(歯ブラシ・ヘアブラシ・カミソリ・シャワーキャップ・ヘアブラシ・ヘアゴム)はなく、自宅からの持参を推奨しています。
綿棒・コットンの他、日本製のオーガニックコスメブランド「OSAJI(オサジ)」の、クレンジング・洗顔・化粧水・乳液・ヘアオイルをセット。シャワールームのシャンプー類も、同ブランドで揃えています。
ちなみに「宙(SORA)」の客室には、男性用のスキンケア用品もありました。
全室には、浴衣・羽織・パジャマ・スリッパ・草履”、さらに冷え性にはうれしいことに、靴下もセット!
ドリンクやおやつには、はつはなオリジナルブランドのティーバッグのお茶、「illy(イリー)」のカプセル式コーヒーマシン、南部鉄器の急須、電気ケトルを用意。ペットボトルはなく、ガラスポットにお水が用意されサステナブルです!
オリジナルのお茶は3種類。矢車菊やひまわりなど花が豊かに香る「ロザージュ 紅茶」(左)、まろやかで贅沢な深蒸し煎茶の「静岡・茶草場農法 掛川茶」(右)、驚くほど清々しい香りの「ジャスミン茶」(上)。全て厳選されたお茶で、色も綺麗。
引き出しには、「illy」のコーヒーカプセル、カップ、シュガー、ポーション。
「宙ラグジュアリータイプ」の客室には、コーヒー豆を入れた小瓶、ミル、バルミューダのコーヒーマシーンも設置し、一層の特別なコーヒータイムに浸れそう。
箱根寄木細工の重厚な木箱には、箱根の名物菓「箱根山づと」「箱根のお山」「温泉餅」があり、入浴前のお茶菓子にぴったり。
ドリンク類をセットしたキャビネットの引き出し下段には“冷蔵庫”も一体化しています。瓶のお酒やジュースが4本入るほど大容量。
ホテル限定の、箱根町の天然水で仕込んだ「アルトビール」、神奈川県産の桜の花のサクラエキスを使った発泡酒「さくらエール」、
軽井沢のリンゴジュースと温州みかんのジュース。
「宙ラグジュアリータイプ」の部屋は、これらに加えてシャンパンも用意されています!
これらのドリンクとお菓子はすべて無料です! 全室にワイングラスや栓抜きもあり、リッチなひとときに乾杯。
4つの温泉貸切風呂
「4つの温泉貸切風呂」には「シャワールーム・浴槽・パウダールーム・寛ぎスペース」をそれぞれ設けています(8時〜10時30分、15時30分〜23時/1回45分/無料・要予約)。
客室同様、シャワールームには「OSAJI」のジャンプー類、パウダールームにはスキンケア用品やタオルを完備。
各お風呂によって、湯上がりに、「足柄の水」のミネラルウォーターやデトックス・ウォーターを。また、温泉棟通路には、ビール・コーヒー牛乳・湯上がりのミニ棒アイスもあり、これらもすべて無料です!
ちなみに、「温泉棟」の1階~4階はケーブルカーのようにスロープで移動可能。景色を見ながら、大人も童心に還って心躍るプチ移動!
1階「川音の湯」
貸切唯一の露天風呂「川音(かわと)の湯」。寝湯ですが、だんだん深くなり、1番深いところだと110㎝程の深さに。
景観を切り取るように小窓もあり、境界線を感じさせず森に溶け込むような入浴体験。雨粒が温泉に落ちる景色もまたよい。
3階「静寂の湯」
八角型の浴槽がある「静寂(しじま)の湯」。窓はなく、4階まである格子状に組まれた梁の吹き抜けが開放的。浴槽の奥にシャワールームがあり、静寂の中、雑念を払い禅のような入浴になりそう。
4階「水面の湯」
浴槽の先にも水盤がある「水面(みなも)の湯」。その先に山々が続き、自分も自然に溶け込んでいるような景観。水盤の景色と雨雫の波紋も美しいです…。車イスでの利用OK。
4階「明灯の湯」
石盤に光ファイバーを仕込んでキラキラした「明灯(あかり)の湯」。丸型の浴槽の周りと、浴槽の先のお庭が輝いています。今回は昼の見学でしたが、夜には幻想的な風景に一変するよう!
2つの大浴場
予約なしでも入浴できる大浴場は、1階「竹の葉」と2階「山の端(は)」(時間で男女入替制)。
見学した「竹の葉」には内湯が1つ。
広い洗い場にはシャンプー類をセットし、クレンジングはパウダールームにあります。
外には、和の趣あるお風呂が2つ。丸型の湯船は、竹林を背景に日本昔話のような世界観。
ゆったりした石造りの湯船。
こちらの湯船では、竹林の存在がダイナミック!
1人ずつ仕切られたパウダールームで、隣を気にせず身支度できるのはうれしい。
ロッカールームにはミネラルウォーターの給水機もあり、大浴場は大人10人が利用可能。
寛ぎスペースにはオーガニックのデトックスティーもあり、
竹林を眺めながら、頭を空っぽにして寛ぎのひとときを……。
美味に舌鼓「夕食・朝食」
夕食(17時30分〜21時30分)と朝食(7時30分〜10時)は、5階「ダイニングはなゑみ」が会場。ワインセラーには30〜40種類、約500本を揃え、ソムリエのワインペアリングも楽しめます。
全個室の31室は、黒を基調に落ち着いたプライベート空間に。内10室には、花札をモチーフにした梅・橙・桐など個室名をつけて味がありますね。
夕食は、懐石料理に洋の要素を取り入れた「モダン懐石」。神奈川の食材を取り入れて、相州牛のステーキ、刺身の盛り合わせ、一口サイズの押し寿司など、1人分とは思えない豪華さ!
煌びやかなお料理と器の美しさに溜息がもれます……。
朝食は「和食・洋食」から選べるスタイル。「和食」の朝食(写真)は、箱根寄木細工のお箱に小皿料理がたくさん! 神奈川県産の野菜に、小田原産のお米で炊いたご飯、箱根の水で作った湯豆腐にと豊富。
「洋食」の朝食は、パンやオムレツに、野菜や果物がたっぷりカラフル! オレンジ色はビタミンジュースで、目にも鮮やかな玉手箱のような朝食です。
足元までガラス窓の席もあり、食、景色、食器を愛でながら、天空での非日常な朝です。
憩いのラウンジ&展望テラス
湯巡り以外の憩いの場に「ラウンジ」と「展望テラス」も見てみました。
ラウンジの中央では「暖炉」がいつでも灯り、炎の揺らめきの癒やし効果は抜群。
ライブラリースペースでは、ラウンジにある本を自由に読んでOK。
夜(19時〜22時)になると、ミントグリーンやブラックラカントなど、オーガニックのデトックスティー(5種類)と、和食職人やパティスリー創作のオリジナルスイーツが無料で並びます。
この日は、マカロン、わらび餅、プチシューなど和洋の小菓子が6種類。繊細な味わいで心を満たすものばかり。
壁のない「展望テラス」は、目の前に湯坂山の大パノラマ。春は山桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色、風が運ぶ山々の香り、川のせせらぎ。この日は雨模様でしたが、天気がよいと右奥に相模湾も望めるそう。肌で自然を感じ、心身をリセット。
ホテル限定品多数「ギャラリーショップ」
「ギャラリーショップ」には、箱根寄木細工の「箱根駅伝往路優勝トロフィ」をはじめ、匠の伝統工芸品や、客室にもあった南部鉄器や和菓子などが展示販売されています。
客室にもあったオリジナルティーのセットやビールの他、桜や柚子など、着色料や香料不使用のクラフトリキュール(写真)、箱根の間伐材を使ったオリジナル「箸」など、箱根土産にも困らないホテル限定の品々!
まとめ!外出せずとも箱根を満喫
サステナビリティな取り組みをしていることもあり、館内に自動販売機はなく、プラスティック製品も少なく、それ故に、自然の温かさや大切さを一層感じます。
客室のドリンクやお菓子、湯上がりのドリンク類、ラウンジのドリンクとスイーツも宿泊費に含まれているという驚きのサービス。ホテル限定商品を箱根土産にできたりと、観光気分で1日滞在したくなります!
長年培ってきた匠の料理やスイーツを頂き、湯巡りで心身をほぐす。自然と人が調和し、雨が降ったこの景色も鮮やかに心に残りました。
●住所:神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
●Tel:0460-85-7321(受付10:00〜19:00)
●交通:「箱根湯本駅」から車で約10分、箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から路線バスで約15分日中約30分間隔で運行)、「箱根湯本温泉送迎バス」あり
●HP:https://www.hakone-hotelhatsuhana.jp/
[all photos by kurisencho]