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【実は日本が世界一】左右の足を広げると3m超!世界最大の「カニ」は食べられる

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Nov 23rd, 2022.

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、漁解禁となったカニの話題について紹介します。

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タカアシガニ1
Shutterstock.com


 


左右の足を広げると3m超え

タカアシガニ(写真提供:静岡県観光協会)
タカアシガニ(写真提供:静岡県観光協会)

福井の越前では、「越前がに」の漁が解禁されています。鳥取の「松葉がに」も一緒ですね。いよいよカニを食べたくなるシーズン突入ですが、地球上で最も大きなカニは、どこに暮らしていると思いますか? 実は、日本近海に暮らしています。

1989年(昭和64年/平成元年)には台湾でも見つかったので、純粋に日本だけで捕れる生き物とはいえないのですが、長らく日本固有のカニと考えられてきたようです。英語でも「Japanese spider crab」と呼ぶので、日本が誇る水産資源いっても過言ではないはずですよね。

このJapanese spider crabは、日本語で「タカアシガニ」と呼びます。大きな個体が最近はなかなか見られなくなってきたといいますが、左右の足を広げるとその幅は、大人のカニでなんと3mを超えるのだとか。

<左右に広げると3メートルを超えるほどになる。この長さは節足動物のうちで世界最大である>(小学館『日本大百科全書』より引用)

3mといえば、バスケットボールのゴールの高さと同じくらいです。それだけ巨大なカニが、岩手県沖から九州沿岸までの水深200~300mの海に暮らしているんですね。

ちなみに、先ほどの引用文では、節足動物の中でも最大と書かれていました。

生物の分類階級は「界」(kingdom)→「門」(phylum)→「鋼」(class)と細かく分類されています。タカアシガニは、カニを含む甲殻「綱」どころか、節足動物「門」で見ても最大なのですね。

水族館の水槽であればもちろん筆者も目にした経験が何度もあります。あんな巨大なカニが暮らす日本の深海は、すごいです。

ズワイガニやタラバガニに劣らずおいしい

タカアシガニ2
Shutterstock.com

とはいえ、このタカアシガニ、食べる機会はあまりないように思います。いかがですか? 少なくとも筆者は食べた記憶がありません。

しかし、房総半島、相模湾、熊野灘、土佐湾、宮崎県沖などで漁獲されているそうで、中でも、伊豆半島の西岸や駿河湾(静岡)ではタカアシガニ漁(深海魚漁)が行われていて、高値で販売され食用されているのだとか。

戸田港(写真提供:静岡県観光協会)
戸田港(写真提供:静岡県観光協会)

例えば、1917年(大正6年)深海魚漁が始まった主要産地の静岡県沼津市戸田(へだ)地区では、巨大なカニの甲羅に閻魔(えんま)大王のような怖い顔を各家庭で描き、玄関に飾って魔よけ・疫病よけにする伝統があると、東京新聞の記事で報じられています。

タカアシガニ(提供:沼津市)
タカアシガニ(写真提供:沼津市)

<肉は繊維性に乏しくて軟らかく、また自己消化によっていたみやすい>(小学館『日本大百科全書』より引用)

といった特徴が百科事典に書かれていますが、味が劣っているわけでは決してないようです。

ズワイガニやタラバガニに劣らず大変おいしくて、サイズの大きさから、ほかのカニでは味わえない食べごたえも楽しめるそう。

水族館での出合いにとどまらず、この冬は静岡県など主要な産地に出かけて、現地の飲食店で味わってみると楽しいかもしれませんね。

[参考]
【竹島水族館だより】カニの中では世界最大!「タカアシガニ」
タカアシガニでお面作り 息吹き返した戸田の風習 元漁師・石原さん継承、将来の後継者へデータ保存
【食べて応援!】世界最大級のタカアシガニを通して、西伊豆・戸田の漁業を支援したい! – Zenes
Formal re-establishment of Macrocheiridae Dana, 1851 (Decapoda: Brachyura:Majoidea) for the giant spider crab Macrocheira kaempferi (Temminck, 1836) based on a reappraisal of morphological and genetic characters – Oxford University Press
戸田のトロール漁解禁 タカアシガニや本ガニ水揚げ―沼津 – 伊豆新聞

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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